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第2章「低価格サロン」に目をつけた理由

「美容師さん以上に知識をつける。
そこはすごい努力しました。」

2015年6月に、1号店となる大阪・天六店をオープン。ここから、「CIEL」の快進撃が始まった

事業を始めたいとなったときに、なぜ「美容室」だったのでしょう?

勝てるなら何でもよかったんです。たまたま当時通っていた美容室の担当の方に世間話で「美容室ってどうですか?」と聞いたら「日本は美容室の数も多いし、独立して苦労している人も多い」と。「では日本の技術を海外に持っていったらどうですか?」と話して、1カ月後にその担当の方と一緒に上海に行きました。

すごい行動力ですね!

そうですね(笑)。むこうで美容室を経営している日本人の方にアポをとって。そのあと韓国にも行きましたが、美容室の多さ、家賃の高さなど、海外出店はリスクがあることを理解しました。

あらためて「自分は美容室という事業のことを、何も知らないな」と。そこから月3回のペースで、大阪にある美容室に通いまくりました。カラー、ヘッドスパ、カット、トリートメントとメニューを分けて行くんです。そんななか、カット&カラーで3900円の「低価格サロン」に、すごい人数のお客さまが来ていて。今から6年くらい前のことです。

「低価格サロン」は、どのくらいの金額イメージですか?

僕の中では、カット「2000円~3500円が低価格サロン」と位置付けています。あとは「3500円~5000円の中価格サロン」「5000円以上の高価格サロン」と、美容室はこの3つに分類できます。そこでふと、「なぜ日本は中価格サロンばかりなんだろう?」と思ったんです。

美容師さんが独立する際の貯金額って、300万~400万円くらいがほとんど。それで日本政策金融公庫から1000万円借りて、1300万~1400万円で独立しようとする。このように逆算すると、中価格サロンにならざるを得ない。高価格サロンのキレイな箱をつくるには費用が足りないし、美容師さん自身にブランド力がないと集客が厳しい。また価格を上げると、今までのお客さまを連れていけません。

一方、美容師さんは技術職でプライドもあります。「独立が夢」であるのに、その独立で低価格サロンほど値段を下げたくない。だから、中価格サロンが多いんだなと。そういった参入障壁を踏まえて、僕は「低価格サロンで勝負しよう」と思いました。

1店舗目はどちらに?

大阪の天神橋に1号店をオープンしました。まわりの低価格サロンを参考に、業務委託と正社員のハイブリッド型に。1年後の2016年にオープンした2店舗目も同様です。でも、その頃になると以前からあった低価格サロンの大手3社くらいが、一気に増えました。

大手は資本力もあるので、業務委託の方への歩合の還元率などでは体力勝負になります。だったら、人件費が上がろうとも正社員サロンにして、「店舗自体」を強くする。長期的な視点で見れば、そのほうが「低価格サロンの中で、生き残ることができる」と思ったんです。

あと業務委託の場合、時間拘束ができないですし、ミーティング、掃除も強制できないので、統率が取りづらかった、というのもありました。

他業界から、いきなり美容室オーナーになるのは難しい面もあったのでは?

僕は施術もできないし、美容室経営に対して本当に無知だったので「とにかく自分にできることをしよう」と思いました。営業終わりのミーティングに出て、スタッフ全員が帰ったあと店舗の掃除を一人でしたり。それをするとバックルーム環境とか、どこが汚れているのかわかって「仕組みづくり」の参考になりましたね。あとは夜中に、チラシのポスティングも。そういった自分自身の行動をツイートしていたので、投稿を見たスタッフは「オーナー、こういうことやってるんだ」と思ってくれたようです。3店舗くらい順調に展開していくと、どんどん僕の話に耳を傾けてくれるようになりました。

さらにカラー剤の配合や、ディーラーの知識も身につけて、別法人で薬剤ディーラーを立ち上げました。「自分が美容師さん以上の知識をつければ、他業種からきたオーナーという目では見られないかな」って。そこはすごい努力しましたね。

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