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第4章2023年の上場を目指して

「上場が、ゴールではない。
会社が継続できる“仕組み”を。」

ちなみに、このコロナの影響で出店を取りやめたりとかは?

来年の4月に大阪・梅田の一等地に新築ビルが建つ予定で、そのビル内の店舗を去年すでに契約していたんですが・・・。手付金を払って、解約しました。都市部は家賃も高いですし、人件費や広告費も大きいのでリスクがあります。

そこ以外は、5月時点で「これからもガンガン出店していく」ことを決めて、一気に契約していきました。ただ、出店エリアを中心地ではなく、地方・郊外に切り替えて。というのも、コロナで中心地にお客さまが来なくなり、お客さまの家から近い郊外のサロンは売上が落ちず、逆に上がっていたからです。

わりと早い段階で、方向転換をされたんですね。

そうですね。経済の波に一番敏感なのって、投資家だと思うんです。株価にもすぐ影響しますし。だから、はやく動こうと。コロナについては、2月の段階からかなり調べていました。

でも3月中旬くらいは、率直に怖かったです。もう・・・先が見えないというか。何よりキャッシュを確保しようと。うちは業務委託ではなく正社員サロンなので、売上がなくても、スタッフにしっかりお給料を出さなくてはいけません。

「会社に残るお金を考えないといけない」というのは、コロナで気づかされたことですね。いくらスタッフによくしても、会社が潰れてしまっては、元も子もない。その怖さを味わったからこそ、何カ月か売上がなくても「会社が継続できる蓄え・仕組み」を、今まで以上に考えるようになりました。

そのように、連携した仕組みづくりができるのも、正社員サロンのメリットです。コロナ禍の今だからこそ、もっと強い「CIEL」をつくるチャンスだと捉えたい。そのうえで、スタッフに還元することができればいいですね。

順調に美容室を拡大していますが、今後は?

2023年の上場を目指しています。現在29店舗で、年内に32店舗、来年は45店舗、2022年は60店舗、2023年に100店舗近くいけば、売上にして90億~100億円になります。

でも、上場することがゴールだとは思っていません。上場して初めて、スタートラインに立てる。僕は投資家出身なので、投資家の心理はわかっているつもりです。この相場だとこういう「IR(※)」を打てば最適だとか、「株価=企業価値を高くする」という意味で、たとえばですけど小さいバイオの会社と業務提携するとか・・・。バイオの企業って、投資家の思惑とかで、株価が高騰したりするので。上場後、会社が持続していくために「どうすれば株主に喜んでいただけるか」を見ていかないといけません。

※「IR」Investor Relations:インベスター・リレーションズ=企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績・今後の見通しなどを広報するための活動

異業種への進出などは考えていますか?

はい。まだ詳しいことは言えないのですが、業務委託サロンならぬ「業務委託の寿司屋」を来年大阪に出したいなと。「CIEL」の店舗は関西が一番多いので、大阪に出すことによってスタッフを連れていきやすい、というのもあります。

1店舗目はほぼ成功するんですけど、成功した際には2店舗目からFCにして、ロイヤリティはほぼ取らないなどの「仕組み」を考えています。

何か新しいことをするときには、「仕組みで勝てるもの」を常に意識されていますね。

「新しく挑戦してみよう」っていうのは、ないです。株も一緒で、1番に上がる株は、僕は買わないので。2番手、3番手とか、1番を追随する銘柄を買っていきたい。そういうやり方って、大きくは勝てないんです。でも、リスクを減らして勝つことができる。

山下さんの能力があれば、投資家1本でも十分稼げるのでは?

単純にお金を稼ぐのであれば、事業よりも株式投資のほうが資金効率はいいです。でも、ほかには負けない仕組みを誰かと一緒に考え、事業をともに作りあげる。みんなと試練を乗り越える、そういったことを楽しみたい。で、“会社として”勝ちたいんです。

事業として儲かる仕組みは考えるけれど、自分がどれだけお金をとるか、というのはあまり興味がないですね。ただ、スタッフとご飯に行ったりするお金だけ欲しいかな(笑)。

  • 4/4の山下さんTwitter。トレーダー時代の経験をいかして、難局を乗り越えようとする心意気が垣間見える

コロナで大変な頃のこと。4/10、山下さんのTwitter。『僕の役員報酬は一旦未払いにして、何とかスタッフに捧げたい。生き残るぞ。』

それに対して、ある新卒スタッフのツイート。『私は私なりにコロナと戦いたい。新社会人として、できることは学ぶこと。全力で今スキルを身につけて、収束と同時に活躍できる一人として準備する。コロナと戦っている会社をサポートできる人になりたい。』


山下さんのその経歴から、失礼ながら「お金」に興味がある人だと。
でもお話をうかがうと「お金」より「数字」。そして、何より「人」。
スタッフに何を還元できるのか?常に、そればかりを考えている人でした。

※インタビューは7月上旬、オンラインにて行いました

インタビュアー
千葉智之(ホットペッパービューティーアカデミー・アカデミー長)
編集・取材・文
柳澤真実

※掲載されている情報は2020年08月24日現在のものです

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