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サロンで始める
訪問美容~実施マニュアル編~

訪問美容を始めたいオーナーの皆様に贈る全13シリーズ。
実例などを交えながら、訪問美容経営のために必要なノウハウをわかりやすくご紹介します。

vol.5

【経営・マネジメント編】事業計画を立てよう②

【経営・マネジメント編】

事業計画を立てよう②

Vol.4に引き続き、事業計画を立てるために決めるべきこと・調べておくべきことについてご紹介します。サロンで訪問美容を始めるのに必要なステップのうち、今回のテーマは「サービス内容と施術価格」。メニューや価格の設定方法、初期投資額の目安などについて詳しくレクチャーします。

アドバイザー:ふくりび 岩岡さん

アドバイザー:
ふくりび 岩岡さん

「誰に」「何を」「いくらで」提供する?
サービス内容と価格を検討しましょう。

 訪問美容を始める際は、サロン経営と同じように、「誰に」「何を」「いくらで」提供するか決める必要があります。
 訪問美容を利用できるのは、疾病その他の理由により、理容所・美容所に来ることができない方。Vol.4で選んだ訪問先(介護施設・個人宅) にお住まいの方が、「誰に(どんなお客さまに)」に当たります。また、訪問美容では施設スタッフやご家族といった介護者との連携が重要。「施術を受けられるご本人だけでなく、介護者の方もお客さまである」という意識を持ちましょう。
 では、「何を(どんなサービスを)」「いくらで(どれくらいの料金で)」については、どのように決めるべきでしょうか?下記のサービス内容や施術価格の決め方を参考に、検討してみましょう。

「訪問美容」スタートまでの6ステップ

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訪問美容のサービス内容を決めましょう。

【STEP.1】他社の情報を集め、自サロンの強みを見つけることからスタート。

 まずは、サイトなどを活用しながら、自サロンの近くで訪問美容サービスを提供しているサロンや事業者をチェック。メニューの種類や施術価格のほか、スタッフ数や営業曜日なども調べておくと、サービス内容を決めるときの参考になります。
 また、「どんなサービスで他の事業者との差別化を図るか」「お客さまに喜んでいただくには何が必要なのか」を検討するためには、自サロンの強みを知ることも大切。右のシートなどを使って、自サロンの特徴を書いてみましょう。

【STEP.2】他サロンとの差別化が図れる「メニュー」と「付加価値」を検討。

 訪問先の環境やお客さまの状態にもよりますが、サロンと同じ施術メニューを提供できるのが訪問美容。「カット」「ヘアカラー」「パーマ」「シャンプー」の基本メニューに、「ヘッドスパ」「ネイル」「メイク」などをプラスして、他の事業者との差別化を図るところが多いようです。
 また、メニュー以外でも、医療用ウィッグなどの「商品販売」や、介護スタッフへの無料シャンプー講習会などの「イベント」といった付加価値をつけることで、差別化を図ることもできます。お客さまの笑顔と自サロンの強みにつながるサービス内容を検討しましょう。

インターネット上で申込みOKなど、
「利用しやすさ」もサービスのひとつ

【よくある質問】
施術のときは、訪問美容専用の道具が必要?

 訪問美容に必要な道具一式は、vol.2でご紹介しているとおり。いつも使っている道具に、消毒薬や車椅子用のロングクロスなどをプラスしていけばOKです。移動式シャンプー台など、訪問美容専用の特別な道具はあると便利ですが、訪問先の環境によっては使えない場合も。例えば、移動式シャンプー台の代わりにシャワーヘッド付き洗面台を使用させていただくなど、工夫して施術する意識を持つことが大切です。
 なお、移動用の自動車やバイク、自転車があると、時間を選ばず自由に動けるので便利です。

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訪問美容で提供するメニューの施術価格を決めましょう。

【STEP.1】地域の相場価格や、理美容チケットについて確認。

 訪問美容のおおよその平均価格は以下のとおり。料金は一般的に、都心部は高くて郊外に行くほど安くなる傾向にあります。

・カット/1,500~2,500円           ・ヘアカラー/3,000~4,000円
・パーマ/3,000~4,000円           ・シャンプー/600~1,000円
・施設・個人宅への出張費/1,000~2,000円

 ただし、髪の長さやお客さまの状態(ベッド上でのサービスを受ける場合など)によって価格が異なるなど、サロンや事業者ごとに料金形態はさまざま。近隣の事業者の施術価格などをチェックして、地域の相場価格を調べてみましょう。なお、自治体によっては、個人宅の要介護高齢者に「理美容チケット」を発行し、理美容費用や出張費用を補助している場合があります。個人宅用の価格を決める際の参考になるため、事前に市町村の担当窓口に確認しておきましょう。

【STEP.2】最適な計算方法を選び、料金を設定。

 施術価格を設定するには、主にふたつの方法があります。

①生産性や経費の積み上げから計算する方法
 「どのくらいの利益を確保するか」を軸に、料金を設定する場合におすすめの方法。例えば、いくつかのカット料金を仮定して、施術価格ごとの原価や利益、売上高人件費率をチェック。確保したい利益を生み出す施術価格を選びます。詳しい計算方法は、右の表をご覧ください。

②近隣サロンや事業者の料金を参考にして決める方法
 「近隣サロンや事業者と勝負できる価格を設定したい」と考える場合におすすめ。例えば、訪問エリアで活動している4社のカット料金をリサーチして、一番低い価格や平均価格を確認。提供するサービス内容なども考慮しながら、勝負できるカット料金を導き出します。

 もちろん、①と②のふたつを組み合わせたり、自サロンで施術価格を決めるときの方法を用いてもOK。最適な方法で施術価格を設定しましょう。

【よくある質問】
訪問美容を始める際に、必要な費用は?

 サロンを開業するより低予算でスタートできるのも、訪問美容の魅力のひとつです。初期投資額のおおまかな目安は下記のとおり。資金に余裕があれば、「ウェブサイト開設費用/約20万円」「研修や開業サポート費用/約50万円」も、予算に組み込んでおきましょう。

●道具一式/約20万円(すべて新たに揃える場合&スタッフ3~5名規模)
●チラシ/5万円~10万円
●名刺/約1万円×人数分
●パソコン/約10万円
●固定電話&FAX/約2万円

事業計画を立てよう②/やることチェックリスト

  • 近隣で訪問美容を行うサロンや事業者のサービス内容や施術料金などをリサーチする。

  • 自サロンを客観的に分析して強みを見つける。

  • サービス内容(施術メニュー、商品、イベントなど)を検討する。

  • サービスを提供する際に必要なモノ(道具や営業車など)を用意する。

  • 訪問エリア内で提供されている相場価格を知る。

  • 訪問エリア内で「理美容チケット」が発行されているか、地域の窓口にて確認する。

  • 最適な計算方法をもとに、施術価格を設定する。

サービスと料金を決めるためには、判断材料集めが肝心!

 近隣で訪問美容を行うサロンや事業者の情報は、サービス内容や施術価格を決めるうえで必要な「判断材料」となります。「訪問エリアでどんなサービスが、どれくらいの料金で提供されているか?」「自サロンの強みを生かせるサービスは何か?」を知るためにも、福祉センターの窓口などに他社のパンフレットが設置されていないかチェック。他サイトで検索したり、サロンのお客さまにヒアリングするなどして、積極的に情報を集めましょう。

次号は、お客さまへの宣伝方法をご紹介。効果的なチラシの作り方は?SNS活用時の注意点は?気になる内容盛りだくさんです!

監修NPO法人 全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)

理事長 赤木勝幸さん

理事長 赤木勝幸さん

「誰もがその人らしく美しく過ごせる社会の実現」を目指し、全国の「訪問理美容サービス」の質の向上、理美容師の育成や高齢者・介護者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上などに尽力する同協会を2007年に設立、理事長に就任。2008年社会貢献支援財団社会貢献賞受賞。著書に、「技術からマネジメントまで 訪問理美容スタートBOOK(女性モード社)」など。

事務局長 岩岡ひとみさん

事務局長 岩岡ひとみさん

同協会の事務局長。ヘルパー2級取得、美容師国家資格取得。2009年内閣府青年社会活動コアリーダー育成プログラム英国派遣団員。2010年東アジア地域国際シンポジウム招聘者。2012年内閣府女性のチャレンジ賞受賞。2013年シアトルiLeap SIFJ招聘者、第27回人間力大賞厚生労働大臣奨励賞受賞。2012年より愛知学院大学経営学部非常勤講師。

ふくりび http://www.fukuribi.jp/

「技術からマネジメントまで 訪問理美容スタートBOOK」

参考文献

「技術からマネジメントまで 訪問理美容スタートBOOK」

NPO法人 全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)編著/女性モード社
編集・取材・文
平尾祐子

※掲載されている情報は2016年01月07日現在のものです

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