海外のお客様への取り組み
サロンで始める
インバウンド対応
2020年の東京オリンピック開催に向け、外国人旅行者は今後ますます増加が期待されています。インバウンドと呼ばれる外国人旅行者がお客さまとなる可能性を視野に入れ、美容サロンができることを考えましょう。
第6回 年々外国人が倍増中の
美容サロンの取り組み
【集客 編】
前回に続き、すでに多くの外国人客を受け入れている株式会社フォーサイスの取り組みを紹介するシリーズ2回目。今回は集客戦略にスポットライトを当てて紹介します。外国人のお客さまを呼び込むため、何に力を入れたらよいのか悩みどころです。同社の成功例を参考にさせてもらいましょう。 ●お話を伺ったのは…「株式会社フォーサイス」営業企画部・中野真司さん
サロン周辺のホテルに協力をあおぐのが効果的!
集客のカギは、協力関係を結ぶ地道な努力。
大阪にある60軒以上のホテルと協力関係を構築。
店舗によっては月間50人ほどの外国人客が利用している、株式会社フォーサイスが経営する美容サロン。とはいえ初めからこれほど利用されていたわけではありません。当初は外国人がよく訪れるバーなどに英語表記のチラシを設置したこともあったものの、なかなか結果は出なかったそう。こうした状況の打開策となったのが「ホテルとの協力」です。 同社・営業企画部の中野真司さんによると「ホテルと弊社の需要がマッチしたため、協力関係が結べた」とのこと。ホテルコンシェルジュの方とお話をした際、「美容サロンの利用を希望する外国人宿泊者がいるが、外国人歓迎のサロンを探すのに苦労している」と聞いたそう。そうした状況のホテルと、外国人客を呼び込みたい同社の思惑がマッチ。サロンのチラシを置かせてもらい、またホテルコンシェルジュから外国人宿泊者へサロンを案内する協力を得ることができたのです。 現在ではサロンが位置する梅田や心斎橋を中心に、大阪市内63軒のホテルと協力関係を構築。ホテルと協力し始めた2014年の夏以降、それまでになかった勢いで外国人客が増加しています。こうして聞くと簡単なように思えますが、「1軒1軒を訪ねて、会って話を聞いてもらった結果、協力してくれるホテルをここまで増やせました」と中野さん。地道な努力なくしては、現在の結果も出ていなかったと言えます。
観光案内所にもサロンの英語チラシを設置。
サロンの英語チラシは、ホテルのほかにバー、そして大阪梅田・難波2カ所の観光案内所にも設置しているそう。「観光案内所に置かせてもらえているのは、弊社が大阪観光局の賛助会員になっているため。2012年のスタッフの英会話教育開始と同時期に会員になったことが役立ちました」と中野さん。あまたある美容サロンの中で差別化するため、さまざまな取り組みをしてきた同社の姿勢はぜひ参考にしたいところです。
外国人旅行者にピンポイントで情報が届くよう、
旅行代理店と組んでオプショナルツアーを造成。
日本観光の合間にヘアやネイルのサロンへ。
大手旅行代理店による、外国人旅行者向けのオプショナルツアーが2015年6月より提供スタート。これは日本滞在中にヘアサロンやネイルサロン、着物レンタルを利用するというツアーで、株式会社フォーサイスの美容サロンが体験場所になっています。同社と旅行代理店の担当者が話し合った結果、生まれた企画です。 情報発信手段としてどういった媒体が有効なのか、なかなかわからないものですが、旅行代理店のオプショナルツアーであれば「外国人旅行者」という狙ったターゲットに確実に届けることができる点が利点でしょう。
訪日リピーターに美容サロン需要あり!?
中野さんによると、同社ではインバウンド施策を始めた当初より、日本旅行が2度目、3度目の外国人をターゲットに据えているそう。「初めての日本旅行ではいわゆる観光名所を訪れるかもしれません。でも何度か来日している外国人はもっとツウなところ、日本の日常を感じる場所を訪れたくなるはず。美容サロンもその一つの選択肢になりうると考えています」。 そう考えると、美容サロンを訪れるオプショナルツアーの需要も見込めそう。まだスタートしたばかりですが順調に利用されており滑り出しは上々。今後に期待がふくらみます。
次回も引き続き株式会社フォーサイスの取り組みを紹介。テーマは「店舗開発と今後の展望」です。
Salon Data
株式会社フォーサイス
- 店舗数
- 「アリーズヘアー心斎橋OPA」「ヘアーミッション」をはじめ大阪、京都、兵庫、東京にヘア、ネイル、ヘッドスパ、アイラッシュ、着物レンタルなどの店舗を13軒展開。美容専門の英会話スクール事業も行っている