お客さまに支持されたサロンを表彰する日本最大級のアワード、「HOT PEPPER Beauty AWARD」。「GOLD Prize」「SILVER Prize」受賞サロン、または「注目サロン」に選出されたサロンへのインタビュー。取り組みや受賞の秘訣をうかがいます。

【東京・愛知・福岡】メンズパーマを武器に!
fifth、GOLD3・SILVER4店舗受賞の快進撃。
fifthグループ
HOT PEPPER Beauty AWARD 2025 GOLD Prize

「HOT PEPPER Beauty AWARD 2025」にて、fifthはJINGUMAE 原宿(東京)、栄(愛知)、天神大名(福岡)の3店舗がGOLD Prize。くわえて原宿・渋谷・TOKYO(東京)、名駅(愛知)の4店舗がSILVER Prize!ユニセックスサロンのelima 調布(東京)を含めると、直営計8店舗が受賞という快挙をみせたfifthグループ。集客の要である「メンズパーマ」のトレンド取得方法&教育。スタイリスト平均年収1,000万円超が叶う高生産性の秘訣を、代表/木村允人さん&マーケティングリーダー/佐藤雄輔さんにうかがった。
※トップ画像/天神大名、サロンデータ/JINGUMAE 原宿

CONCEPT
掲げているのは「高水準の技術力と発信力で、メンズスタイルのトレンドを創る」。なかでも再現性が高いハイクオリティなパーマに定評があり、新規のお客さまのパーマオーダー比率は80~90%(店舗により異なる)。
AWARD受賞・
売上アップに向けた
取り組み
トレンド&ニーズを押さえた「パーマ」で勝負
自社アカデミーで技術力&スピードUP
チームプレーで、スタイリスト年収1,000万円超
トレンド&ニーズを押さえた「パーマ」で勝負
fifthの代名詞とも言えるメンズパーマ。束感が特徴の「ツイストスパイラル」「波巻きスパイラル」も安定した支持を集めるが、最近は「シャドウパーマ(ゆるやかな曲線)」や「フェザーパーマ(羽のようにエアリー)」といった、ナチュラルな質感が人気!お客さまからも「パーマが落ちかけの時が好き」という声が多く、ルーズ系のパーマに勝機を感じたそう。そのように現場の声も大切にしている。
流行るパーマの予測は、各SNSや検索エンジン、ホットペッパービューティーなどを総合的にチェック。特に、TikTokがいちばん早く流行が来るという。長期的な需要が見込めると判断したスタイルは、ホットペッパービューティーのトップ・クーポン・スタイル・ブログページで、積極的に打ち出していく。
また、自社発で新しいパーマのワードを発信する取り組みも行っている。

家でも再現しやすく、朝の時短を叶えるパーマ。満足度も高いので、リピート率UPにつながる
自社アカデミーで技術力&スピードUP
パーマは施術時間が長いイメージがあるが、fifthは「カット+パーマ」でのお客さまの平均滞在時間は1時間30分!それが可能になるのが、自社アカデミーの存在だ。
木村さんを中心に考案したパーマのメソッドは、基本となる2~3パターンで構成され、そこからスタイルによってアレンジ。スタイリスト&アシスタントの2人体制で巻くので、さらなる時間短縮に。アシスタントはデビュー前からお客さまと接することで、やりがいが生まれるという相乗効果も。
施術時間がキッチリ守られているので、ホットペッパービューティーの予約枠を最大限に出すことが可能になる。
一方、滞在時間が短く高回転になると、“作業的”に感じさせてしまう危険も。そこでより一層、技術クオリティ・接客・店舗美化に気をつけて、お客さまに笑顔で帰っていただけるように意識している。

名古屋「栄」の口コミ評点は、4.82/2,273件(2025年5月9日時点)。口コミ返信は、お礼・施術でこだわったポイント・次回のメンテナンス時期の目安などまで、丁寧に書かれている
チームプレーで、スタイリスト年収1,000万円超
サロンワークでfifthが大切にしているのは、チームワーク。前述の通り、アシスタントが一緒にパーマを巻くこともそうだが、スタイリストも手が空いている時は積極的にシャンプーに入る。全員が率先してヘルプに入ることが、高生産性につながっている。
パーマのオーダーが多いことも手伝って、客単価は1万1,000円~1万3,000円(エリアにより異なる)。男性の美容室利用における1回あたりの平均利用金額が4,708円(※)と考えると、約2倍~3倍近い数字だ。
※ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期」より
これらの積み重ねによって、スタイリスト平均年収は1,000万円超!現在アシスタント給与は月23万円からのスタートだが、2025年中期(予定)に月24万円を目指している。
インタビュー
■(左)木村允人さん「fifthグループ」代表
2011年、fifthに入社。CMOとしてfifthを急成長に導き、年商は右肩上がりで現在は26億円。2025年4月より代表取締役社長に就任。
■(右)佐藤雄輔さん「fifthグループ」マーケティングリーダー
都内の有名メンズサロン勤務を経て、2022年 fifthに入社。エビデンスに基づいたマーケティング力は、木村さんも太鼓判を押すほど。
ー2025年度のAWARDでは、GOLD・SILVERを合わせてfifthブランドとして7店舗(グループとしては8店舗)が受賞!秘訣はどこにあると思いますか?
佐藤●たとえば「シャドウパーマを打ち出す」と決めたら、すべての店舗で推進していることが大きいと思います。 ホットペッパービューティーのあらゆるページ、細部に至るまで、そのワードを落とし込みます。
ー徹底されていますね。ホットペッパービューティーのスタイル写真やブログ投稿において、スタッフのみなさんに目標値を設けていますか?
佐藤●1人あたりスタイル写真は週に20枚、ブログは週に5件という目標を置いています。人によってバラつきはあるものの、1週間で100枚以上のスタイルを上げるスタッフもいますね。
口コミへの返信は、基本マスト。「返信内容が新規で来店される方の安心材料になるので、単なる感想ではなく、第3者目線に立つことが大事。自分の強みや特徴が伝わる表現を必ず入れ、それがスタイリストページへの導線になるように」と指導しています。
ーそのようなアドバイスも含め、「教育」に力を入れている印象です。
木村●そうですね。人が増えると、どうしても「教育」が課題になる。なのでfifthでは、自社アカデミーをつくりました。技術だけではなく「マインドセット」「マナー講習」も取り入れています。
早期教育はしておらず、2年のカリキュラムを通して、“fifthの血を濃くしていく”イメージです。

ーサロンボードの「サロンレポート」は、どのくらいの頻度でチェックしていますか?
佐藤●バックオフィス担当が毎日ダウンロードして、全店舗のPV・CVR・ACR(※)をチェックしています。
※PV:ページを見られた数/CVR:サロンページに訪れた人のうち、クーポン・メニューを見た人の割合/ACR:クーポン・メニューを見た人のうち、予約完了まで至った割合
「このスタイルが当たった」「このブログがクリックされている」なども参考になります。
fifthは全国に店舗があるので、東京で反応が良かったものを、天神や名古屋にも横展開したり…。
ーSNSが浸透した今も、流行が来るタイミングは地域で違うものですか?
佐藤●認知されるスピードは、エリアによって変わると思いますね。名古屋であれば、SNSの情報感度が東京に次いで高いなど、それぞれに特徴がある。
なのでホットペッパービューティーやSNS戦略は、全店舗で一律推進すること、エリアで微妙に変えること。その両方があります。

東京の激戦区でGOLDを獲得した「JINGUMAE 原宿」
ー現在、直営の店舗数は?
木村●メンズ、レディース、ユニセックスのヘアサロン、アイサロンも含めて計33店舗です。
直近の出店予定は5月17日、大人女性向けブランドとなる「soigne(ソワネ)」を表参道に。6月1日には、横浜にユニセックスサロン
「elima(エリマ)」。同じ6月1日、20~30代のメンズ向けコンテンツを発信するRETOUCHとのコラボサロン「RETOUCH by fifth(レタッチ バイ フィフス)」を銀座にオープンします。あと渋谷に、ブリーチなどのカラーに特化した「cinq(サンク)」の出店も計画しています。
今年はあまり出店しない予定だったんですが(笑)、7軒はすでに確定していて、2025年は計8店舗くらいの出店になりそうです。
ー勢いがすごいですね!
木村●美容業界は労働集約型で、“人”が資本。高い売上を目指して、店舗展開を進めていますが、いちばん大切にしているのは雇用人数。将来的には「1,000人雇用」を掲げています。今年は新卒を77人採用しましたが、来年は150人が目標。
新卒からfifthの理念を浸透させることで、パーパス経営を実現したい。スタッフみんなが、やりたいことを実現できる世界線にしたいなと思っています。
取材レポート
2025年で、fifthは創業23年。
創業16年まで年商1億円だったが、木村さんを先頭にマーケティングに力を入れ、2022年には12億円。そして現在は26億円というから、その急成長ぶりに目を見張るばかり。
fifthが成し遂げたいのは、美容師の生涯収入を増やすこと。
そのための売上であり、高生産性。
怒涛の出店ラッシュは、「出会ったすべての人を豊かにする」というビジョンに、また一歩近づいた証だ。
fifth JINGUMAE 原宿
【フィフス ジングウマエ ハラジュク】
- アクセス
- 「原宿駅」より徒歩5分
- 店舗数
- 33店舗(fifthグループ直営)
- 設備
- セット面5席(JINGUMAE 原宿)
- スタッフ数
- スタイリスト6名、アシスタント9名(JINGUMAE 原宿)