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“みんな”楽しい、その方が絶対いい!
山川
女性も10年前だったら「お姫様願望」があったけど、今の人って自分が目立ちたくないんですよね。それよりも、もっとゲストに楽しんでほしいという人が多い。だから高砂(新郎新婦が座るメインテーブル)をなくして、新郎新婦とゲストが自由に行き来できるようにしたり。そうするとみんな、自動的に歩き出すんです。
西野
わかります!タレントとしては珍しいけど、僕は自分の誕生日会とかやらないんです。自分が主役になるのは気恥ずかしい。「おめでとう」と言われるのもつらい。
芸能界に入って18年たった時、ある人に「お前がつらくても、普段つながらない人たちが、つながれる」と言われて。提案として、お誕生日席をなくしたんです。それと似てますね。負担がなくてラクでした。
高砂とかお誕生日席って、求めてる人もいるかもしれないけど、嫌な人もいる。
山川
いろんな考えの人がいるのに、今は一色になってしまってるんですよね。目立ちたくない人が、じゃあ「結婚式を挙げない」っていう選択肢しかないのは、かわいそう。
あと高砂があると、出し物をしている横の新郎新婦のリアクションをみんな見てるでしょ。だから、おもしろくなくても「ニーッ」て笑わなきゃいけない。見られているから、ごはんも食べづらいですし。西野
確かに!それは、つらいですね。
山川
本当に今のスタイルでいいんだっけ?やりたいことを全部やったらどうなるのか?それを「IWAI」で発明中です。
西野
浸透させるのが大変ですね。結婚式って今までの形が、できあがっちゃってるから。
山川
創業した6年前だったら、業界の方々に「常識ない」と叩かれていたかもしれません。「わかってない」とか、「今までの伝統をどう考えてるんだ」とか。
西野
うるせーっすね!(笑)。
山川
今だったら、いけそうだと思ったんです。「客観的にみたら、おかしくない?」って、きっとみんな思ってる。10年後の結婚式の常識は、今のスタイルじゃない。いや、半年後にはそうなってるかな?
その解放運動のため、今日西野さんにお越しいただきました。西野
常識をひっくり返してほしい!新しくできる、その式場も見たいです。
山川
本当にすごいの!ぜひ見てほしい。
西野
僕は「結婚したい」はないけど、「結婚式に行きたい」はある。飲んで、人とコミュニケーションをとるのは好きなので。今はなかなかできていないけど、なるべくなら「祝いたい」。そういう式だったら、毎週結婚式に行きたいです。
山川
結婚するのが正しいわけではない、私はただ「素敵だと思う機会」を増やしたいんです。
日本は年間の婚姻数は約60万組で、その半数は結婚式を挙げていません。半分が経済的な理由、半分は「既存の結婚式に興味がない」という理由です。そういう人にこそ選んでほしい。
だから「IWAI」では結婚式だけではなくて、結婚10年目を祝うとか、バツイチ同士ではりきった式はしたくない人とか。はたまた離婚してよかったね、っていう場もプロデュースできます。西野
世間の人が結婚にブレーキをかけてる理由に、「離婚するかもしれないリスク」ってありますよね。
僕がやってるオンラインサロンのメンバーが増えた要因のひとつに、トップ画面で「退会の仕方」をわかりやすくアナウンスしたこともあると思ってるんです。他のところって、退会させたくないから、わざと複雑にしてるでしょ。あれがそもそも「入会」のハードルを上げてる。
結婚もそう。離婚がもう少しカジュアルになればいいですね。今は結婚して半年後に離婚したら、とんでもない悪者になってしまう、「あんだけ祝ってもらったのに」って。
山川
私たちは、お客さまの「人生」をじっくり聞いて「編集」するのが仕事です。式を通して「あなたの人生って素晴らしい」ということを伝えたい。
そして招待されたゲストも「来てよかった」と思える、心から“祝える”式にしたい。西野
“みんな”楽しい、そういう結婚式の方が、絶対いい!
今までは式場が指定する美容室でしてもらうのが常でした。
しかし、山川さんはこう言います。
いつも自分が行っている信頼している美容室に行ってから来てもいいし、
美容師さんを式場に呼んだっていい。
結婚式は、非日常ではなくて、日常の延長線上にある。
でも特別な日。だから大切な人を自分で選んでほしい、と。
どの業界においても、既存の常識を変えようとすると、CRAZYと言われます。
だけど山川さんの宣言通り、数年後これが「当たり前」になっている気がします。
結婚式、もとい“IWAI”は、その伏線に過ぎません。