第5章次代を見据えた事業展開
「今後はオーダーメイドの健康アプローチに。
今はそのための準備段階。」
「Dr.ストレッチ」は海外進出も果たすなど企業として順調に成長されています。将来的に目指していることは?
当社はヘルスケア分野の事業を展開していますが、思うのは「健康」って何なのだろうってこと。健康にいい方法というのは、個々人のDNAや腸内細菌、生活習慣といったさまざまな因子の何億通りもの組み合わせで変わります。僕にとっての「いい」と、他の人にとっての「いい」は違うのに、現在はみんなに同じアプローチをしていますよね。
でも、この先はそれが変わると思うんです。AIならば一人ひとりに応じたオーダーメイドのアプローチが可能になりますから。そういう世の中が来る未来に備えて、準備をしています。
データを収集する点で、リアル店舗を持っているのは強みですね。
「FITnote(フィットノート)」というスマホアプリもリリースしました。これはトレーナーとユーザーをつなぐコミュニケーションツールで、トレーニング内容や体組成といったカルテ記録、予約管理、メッセージ機能などを備えています。ユーザーにとって、より便利なサービスにできたらと思います。
ヘルスケア分野と並ぶ事業の柱である、スポーツ・エンタメ分野で今後、狙っていることはありますか。
スポーツがもっとエンタメとしてマネタイズできる環境をつくりたいですね。今はスポーツって全然、お金にならないんですよね。お金を払ってスポーツをする、見る、その垣根を低くできたらと思っています。
いろいろと計画がありそうで楽しみです。
単に儲かる商売だったら、いくらでもできると思うんですよ。でも、そういうことがしたいわけじゃない。“好奇心”が源泉というのかな、「こういう店を出したら、こんなお客さんが喜ぶんじゃないか」と考えるのが楽しいんです。お客さんが喜ばないことは、やりたくない。
世の中に「ストレッチに通う」という発想がないからこそ、やってみたい。「世の中を変えたい」、そして「世の中が変わる」ことが、僕は一番うれしいんです。
聞けば「社員・社員の親御さん・未来の社員向けに、と思ってやっている」とのこと。
過去、倒産の危機に瀕した時「自分ひとりでは何もできない」ことを、本質的に理解したと言います。だからでしょう、会社がどんなに大きくなろうとも「社員とのつながり」を大切にしています。
さまざまな事業を展開している「フュービック」ですが、共通していることがひとつ。それは、戦略の芯に据えているのが常に「人=社員」である、ということです。