第2章倒産の危機!?
「いい商品がないなら、
“自分で作ろう”と。」
通販チラシを手掛けてからは、順調に?
そうはいきませんでした。通販チラシなどの広告事業はうまくいって、通販のコンサルタントみたいな仕事も手掛けるようになった一方、フリーペーパーの方はうまくいかず。財務管理も勉強不足で、銀行に借りていた資金の返済に困るような状況に。
2002年にはフランチャイズのエステティックサロンの経営も始めて、最大4店舗まで増やしたものの、たいした利益にはなりませんでした。
そもそもエステティック事業に進出した理由は?
通販チラシで最初のヒット作となった、美顔石けんの親会社がエステティック事業をやっていて。「儲かるからフランチャイズをやってみないか」と誘われたのがきっかけ。最初は何か志があったわけでもなく、薄っぺらい理由だったんです。
そうして始めたもののエステティックはたいして儲からないし、うまくいっていたはずの広告の方も資金繰りは火の車。ある企業と一緒に通販コンサルの会社を作って上場を目指す計画もあって、「これで借金も返済できる」なんて夢見ていたんですが、相手企業に社会的な大事件が起きてしまい計画は立ち消えに。危ない気配を察知した社員も、この会社に未来はないと感じてどんどん辞めていきました。その頃は誰に相談しても、「破産した方がいい」と言われましたね。
それでも破産を選択しなかったんですね。
うちの家系は東大や京大出身、学者やお堅いサラリーマンみたいな人が多くて、僕みたいなアウトローがいないんですよ。会社を辞めて独立したことも、3年くらいはおやじに言い出せなかった。おやじはそれくらい厳格な堅物だし、おふくろの実家は銀行の創業者なんです。だから「さすがにうちの家系から破産者を出すわけにはいかないだろう」っていう考えがありました(笑)。
となると、何とか借金を返済するしかない。
これまでは広告や企画で他社の手伝いばかりをしてきましたが、先ほど出てきた弊社の川端と話し合い「自分たちがメーカーになろう」という方向性を決めました。通販会社の広告をやってきて、「B to C(企業が消費者にモノを売る)」の難しさを実感していたので、やるなら「B to B(企業が企業にモノを売る)」にしようと。
肝心の商品ですが、エステティックサロンを経営するうえで物販の商品を探したとき、あまりいい商品がないなと思っていたんですね。値段の割に原材料がチープだったり、効果がよくわからなかったり。だったら自分たちでいいものを開発しよう、そして美容サロン向けに売り出そう、と考えたんです。そうして2008年から、美容目的に応じたサロン専売のハーブティーの販売をスタートしました。