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第2章波乱に満ちた1店舗目の開業

「1店舗目をオープンして5カ月、
お客さんが全然来なかった。」

資金を貯めて、神奈川県の平塚に「flammeum(フラミューム)」をオープンしたのが33歳のとき。開業していかがでしたか。

スタッフ4名で始めたんですけど、全然お客さんが入らなかった。5カ月間くらいかな、お客さんが来ない状況が続いて。このままじゃ給料も家賃も払えなくなる、どうしよう…という状態。メンタル的にも、かなり追い詰められました。

そんなある日、朝起きたら家のテーブルに120万円がポンと置いてあった。当時はすでに結婚していたんですが、妻が何も言わずに僕のために借金して用意してくれたんです。

それはすごいですね!でも借金は一時しのぎにしかなりませんよね。好転した機会は?

成功している経営者さんのところに教えを請いにも行きました。そこから値引きのクーポンやホットペッパービューティーの出し方などを工夫したり。自分なりにも研究していって、だんだん順調に売上を出せるようになっていきました。

やっとひと息つける状態になったわけですね。

ところが、心配事がなくなったから「よし、次の店を出そう!」と思っちゃったんですよ。ただ、お金がないから美容室は出せない。どうしようかなと思っていたとき、「これからまつエク(まつげエクステ)の需要が増えるらしい」という話を聞いて。まつエクなら内装を整えて、あとはイスがあればできるし、これはいいなと思ったんですね。美容室がある平塚と同じ神奈川県内である小田原には当時、まつエクのサロンは個人サロンくらいしかない。それで、2店舗目としてまつエク専門店を出すことにしました。

とはいえ、僕はまつエクのことなんて何も知らないし、求人に応募してきた人もまつエクの未経験者ばかり。でも採用したし、出店準備も進めているから、とにかくスタッフたちを育てるしかない。それでネットでまつエク技術の出張講師というのを見つけて、教えてもらいました。

内装は知り合いの大工さん、床貼りやトイレの設置とかは、YouTubeなどを見てほとんど自分でやりました。20坪で200万円かからないくらいでオープンしました。普通だったら600万円くらいかかると思います。

綱渡りの状態でハラハラします(笑)。

スタッフたちも技術を覚えてきたかな…くらいの時に、経験者が応募してくれたんですよ。「店長として雇ってくれるなら働きます」って。もちろん採用して、店について説明をしていたら「お客さんに渡す誓約書の準備とかはしていますか?」とその子が言うんですね。そう言われても僕は「え、何それ?」という状態。それがオープン日の2週間前くらいかな。

それから急いで誓約書を用意して、必要な材料もその子に教えてもらって準備して、スタッフの教育もなんとか終わったと同時にすぐオープンを迎えました。ほんと、経験者の子が来てくれなかったらやばかった(笑)。でも「やるぞ!」という強い思いがあれば、引き寄せるんだな~って思いましたよ。

  • 「flammeum 関内店」には、アイラッシュサロン「Richelle eyelash(リシェル アイラッシュ)」も併設している

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