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第5章すべては業界革命のために

「美容師が嫌で辞める人は少ない。
働く環境が辛いから辞める。」

望月さんには金銭的なうまみがないのに、オーナー制度を導入してまで多店舗展開するのはなぜですか?

それは経営理念でもある「業界革命」のためです。ホワイトな労働環境であるうちの店が増えたら、業界の空気が変わる。そうすることが成功への道だという流れになるでしょう。そしてうちをマネして、ホワイトな労働環境の店が増えたら、美容師人口も増え、いろんな人が成功するきっかけになれる。だから、「何店舗出店」という数字を増やすことが店舗展開の目的ではありません。

「お客さまの喜びのために~」みたいな経営理念もよくあるけど、そんなこと言われなくてもみんなわかってるんですよ。美容師さんの本質って、人に何かしてあげることが好きな人ですから。美容師の仕事をまっとうできる、きちんとした労働環境があれば、そんなことは改めて言わなくてもできるんです。だからうちは「業界革命」という理念を掲げた。業界革命により従業員満足を生み出せれば、顧客満足は自然と生み出せるものです。

業界に革命を起こそう、と考えたきっかけは?

きっかけというか、美容師になった当初からずっと考えは同じ。美容師が嫌で辞める人ってほとんどいなくて、働く環境が辛いから辞めるんです。だから「こうすれぱ、この子も辞めなくて済むのにな」とずっと考えてきました。

それに実際に店を始めてみて、労働環境を改善することによる業界革命が自分にできると思えた。自分はカリスマ美容師になれないし、東京の一等地に店を出せるわけでもない。だけど、労働環境をよくするという、誰にもできそうだけどできていないところ。この分野なら他と差別化できる、ここが僕のがんばりどころだなって思ったんです。

常に、本質に向けてぶれずに進む強さがありますね。

今は視野が広がって他の人の目標達成についても考えるようになったし、自分の目標も「業界革命」という大きなものになった。そして、最大限のスピードで達成することを追求しています。ここで言うスピードってのは単に時間軸のことではなく、「質」を伴ったスピードです。

たとえば3年で2店舗出してもすぐ潰れたら価値がない。スピード出店というのはむやみに店を出すことでなく、きちんと働く環境を整えたうえで、できる限り早く出店すること。そこを間違えないようにしながら店を増やしていくことが、業界革命につながると思っています。

独立前、業務委託サロンで働いていた時は、朝の6時から夜の23時半まで美容師として働き、そのあとはトラックのルート配送。それを「4年間、1日も休まなかった」というエピソードが示すように、目標達成のためにはどこまでも突き進む望月さん。

従業員には「全力疾走できる適切な時間=8時間労働」にしています。しかし、ご自分のことを「負けず嫌い」と語る望月さん自身は、常に全速力・全力疾走にみえます。目標を叶えたら、またすぐ次の目標へと。望月さんは、動くことをやめません。

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