本音を引き出す「聴く」技術本音を引き出す「聴く」技術
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第2章世界一のブランドを目指して始動

「コスメに関しては完全にシロウト。
だからこそ、作れたものがあります。」

「バルクオム」のスキンケアラインは洗顔料、化粧水、乳液の3つが基本で、パッケージもシンプルでカッコいい。こうした商品の方向性やパッケージは、2013年の発売当初から?

最初からすごくいいものが作れたので、現在まで大きくは変えていません。商品を作る際にお願いしたのは、「誰が使っても圧倒的によさがわかるものにしたい」ってこと。当時は23歳で、コスメについても詳しくありません。でも、「どうせ作るなら世界一いいものを!」って思ったんです。

それで製造会社へ打合せに行ったとき、「バルクについてはどのように考えているのか?」って尋ねられたんです。僕は「バルク…?」という程度の知識だったんですが、「容器に入れる化粧品の中身のことだよ」って教わって。それを聞いたとき、「男は浮ついた商品よりも質実剛健なものを求めるだろう。バルクに命を賭けよう」と決意しました。それでブランド名にも取り入れて、「中身重視」というコンセプトとの対比として、あえて容器はチープなものにしたいと依頼しました。

確かに男性は機能性を重視する傾向がありますね。よくある男性用のスキンケア用品は機能を前面に打ち出したり、わかりやすい訴求のものが多い。でも「バルクオム」はそうしたものとは違ったカッコよさがありますね。

僕はひねくれているんで、「男は面倒くさがりだからオールインワンがいいだろう」「パッと見で高級感がわかりやすい瓶入りにしよう」みたいな、よくあるタイプが嫌だったんです。洗顔料、化粧水、乳液の3ステップにして、パッケージはモノトーンにして…と決めていきました。

あるマーケティング調査では、「バルクオム」は同価格帯のメンズスキンケアブランドの通販部門において、2018年度の売上高が大手の競合を抑えて1位に輝いています。これほどシェアを伸ばせたのは、野口さんのそういう感覚があってのものなんでしょうね。

男性が惹かれるクリエイティブや品質は、女性とは結構違うと思うんです。だけど大手の化粧品会社さんだと、ベースに女性用商品があるから、その常識に引っ張られている部分もある。僕はその点、この業界に染まっていないので、いい結果につながったと言えるかもしれません。

ブランドのターゲットはスキンケアを気にする人で、年齢的には20~30代の都市部で働く男性…といったところでしょうか。

結果的には現状のユーザーはおっしゃるような層がメインですが、ターゲットは特に限定していません。肌が安定してきた、18歳以降のすべての男性に愛されるブランドにしたいと思っています。かのApple(アップル)社も、きっとターゲットは決めていないでしょう?グローバルに通用する、飽きが来ない、インテリジェンスを感じるものを目指してきました。

そしてスキンケアを気にする人だけではなく、「これまでまったくスキンケアをしていなかった人にも、いかにして使ってもらうか」ということを意識しています。メンズコスメ市場を大きくすることを目指していますから。

商品のラインナップはとてもシンプルで、「乾燥肌」「脂性肌」などのタイプ別にはなっていませんよね?

その点も、スキンケア初心者を意識した面があります。「あなたの肌の状態は?」なんて聞かれても、そんなのわからない男性が多い。だからケアにこだわる人の目もパスできる品質を担保しつつ、「とにかくこれを使えば間違いない」ってものを作ろうと思ったんです。

「バルクオム」の公式オンラインストアではスキンケアの説明があったり金額がわかりやすく表示していたり、おしゃれなブランドのトーンとはちょっと違っている。それも初心者を意識して?

そうですね。デザイナーはカッコよくないって嫌がるんですけど(笑)。使ったことがない人を取り込むには、見た目がカッコいいだけのWEBサイトではなく、あのような作りのほうが伝わりやすいと考えてやっています。

  • 「バルクオム」公式オンラインストアでは、2018年5月からブランドアンバサダーとして俳優の窪塚洋介さんを起用している

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