第4章美容業にとどまらない事業構想
「困ってる人がいるのなら、
そこに勝機があるってこと。」
今後の出店計画は?
現在いるオーナーだけで全都道府県に合わせて200店舗まではいくと予測していて、そこまでいったら出店を止めようと考えています。市場規模を見ると200店舗で十分で、これ以上増やしても需要を上回ってしまいますから。
その後の事業構想は?
美容ディーラー事業で100億円規模を目指します。現時点で各地の美容室から経営顧問になってほしいという需要が増えているんですが、1回何円とかでコンサルタント料金をもらっても、そこまでの利益にはなりません。そうではなく、「薬剤の仕入れなどのディーラー契約をうちと結んでください。そうしたらついでに経営コンサルもしますよ」という形にしたい。美容室にとっては薬剤の支払い先をうちに乗り換えるだけで、損をしないどころかタダで経営指南も受けられる。大事なのは、「顧客になる相手に余計な支出をさせない契約を考える」ことです。
プラス料金を払えば、他の業者よりも安く、求人や集客をするサービスも考えています。すでにホームページ制作事業を立ち上げて、一部の美容室に向けて提供している段階。集客率が高いうちのホームページ制作ノウハウを活用して各サロンのホームページを作るもので、新規1件15万円程度、その後の維持管理費は月1万円を予定しています。これは他社に比べると格安の料金設定です。
単価は安くして、マスの利益を狙うんですね。
それも固定費として毎月入ってきますからね。月1万円でも1000件、1万件の契約が取れて、しかも毎月となれば十分な利益になります。ディーラー事業への参入も同じで、固定費を狙っているんです。
既存のディーラーがなじみの販売先を握っているところに参入する、その点にハードルは感じていますか?
販売先はまず、約2800人が参加している僕のオンラインコミュニティ「北原メシ」のメンバーを優先して、そこから広げていきます。物流などの実務的なハードルで言えば、すでに物流機能を持っているけれど、経営に窮している既存のディーラーと組めばいいでしょう。今あるものをうまく使うことが大事です。
参入にあたって新参者として同業者から叩かれるかもしれませんが(笑)、ディーラーに喜んでもらいたいわけじゃないですしね。僕は常にオーディエンスファースト。ディーラー業で言えばお客さまとなる美容師さんの属性を調べて、困っていることをサポートできる事業を生み出すことを考えています。
ほかには?
こうした美容室のモデルは飲食業にも応用できると考えています。飲食業にも、集客力とビジネスモデルが不足していると思うんですよ。たとえば余っている農作物を農家さんから買い取って、飲食店へ卸す。その他にも求人・集客や経営に関してサポートしたり。
あとはセミナーや研修ができるようなホテルをつくりたい。単純に、いま僕がそういうホテルがなくて困っているのもあります。たとえば経営難に陥ってしまったホテルを買い取るとか。実は、長野にあるホテルを1棟買うか、買わないかという話を進めているところです。
幅広いですね。
今までやってきた、美容室経営のノウハウが活かせることが共通点ですね。成功法則を少しでも多く、とにかく「勝ちパターン」をつくっていきたいんです。
北原さんが手がけたいと考える選択基準は?
困っている人をプラスへ導ける事業なら何でもいいんですよ。これは別に慈善事業をしたいんじゃなくて、困っている人がいるってつまり、勝ち目があるってことですからね。「勝てる」ことが大事。僕は仮説を立てるのが好きで、結果を出して立証したい。勝ったほうが楽しいですし。
人に感謝してもらいながら、僕の存在価値を高められることを探しているのかもしれない。「北原さんのおかげでいまの生活ができています」とか言われると、単純に嬉しいですから。
さらに、その先の構想は?
僕は、そこまで先の未来のことは考えていません。具体的な計画を立てるのは今年、来年くらいの範囲までかな。だって時が経てば時流は変わるし、僕の視点も変わるでしょう。あまり先のことまで考えても仕方ない。とにかく、いま目の前にある、“自分が決めたこと”をやり切るだけです。
『僕は高校時代、5教科で150点以上取ったことがない。Dearsを全国展開するまで、都道府県が“47”あることも知らなかった。こんな僕にもできるんだから、みなさんにもできるはずです』
・・・北原さんの何がそこまで突き抜けているのか?聞いても、聞いても「やると決めたから」という言葉しか出てこない。才能でも、運でも、偶然でもない。とにかく「決めたから」。決めたから選ぶ、決めたから出会う、決めたから見つかる、と。
この記事にある店舗数も構想も、きっとすぐにアップデートしなければなりません。それほどまでに圧倒的なスピードを装備して、とてつもない貫徹力で、北原さんは今日も突き進んでいます。