美容の未来のために、学びと調査・研究を

美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

第3章海外への動画展開&コンテスト構想

「“M-1グランプリ”のように
人生が変わるコンテストを美容業界で」

2016年、森本さん1人でスタートした「HAIRCAMP」。いまや、21名ものスタッフに囲まれている

今後、予定されていることを教えてください。

直近ですと、2022年4月上旬に法人サロン向けのスクール「HAIRCAMP SCHOOL(ヘアキャンプ スクール)」をリリースします。
https://haircamp.jp/haircamp_school-for-business/

美容業界は、一説によると「3年以内で80%以上が離職する」とも言われています。より良い就業環境のためには、「顧客獲得の安定」「ワークライフバランスの調整」「技術力向上・個人スキル管理」が欠かせません。それらを叶えるカリキュラムとシステムが、このスクールです。

目指したのは、「美容師さんのスキルを見える化して、正しく評価する教育プラットフォーム」。技術・接客だけではなく、美容師さん関連だとアイビューティー・英語・中国語、2022年4月から高校生の必修科目にもなる「お金の使い方」まで。オンラインだけでなく、オフラインで学べる環境も整えています。

美容室であれば、入社と同時にカリキュラムを受けてもらうことで、本来2年かかるデビューまでの期間が、半年~1年に短縮でき、新人も即戦力に。これによって、将来的には離職率を10%、20%下げることができると思います。

こちらを含めた動画コンテンツを海外にも展開予定で、今、力を入れているところです。

日本の美容技術は海外でも評価が高いですが、“言葉の壁”に関しては?

“字幕”だけだと「ながら視聴」ができず、また字を読む作業に気をとられ理解が浅くなるため、同時に“音声の吹き替え”も必須です。

資金調達も行いつつ、何カ国かに多言語化できれば…。もしくは、中国だけ先に展開し、順次アジア各国に展開していくか。2023年内のリリースを目指して準備を進めています。

美容ならではの専門用語の難しさもあると思うので、翻訳は想像しただけでも大変な作業ですね。

ただ、言葉の壁さえ超えることができれば、日本の技術を海外に届けることができると思っています。過去、イギリス・ロンドンの「サスーンアカデミー」が日本に浸透したように。

そこから美容室・美容師同士の国際的な交流が生まれ、日本の製品がどんどん海外に進出できるといいなと思っています。

楽しみですね!

また「HAIRCAMP SCHOOL」のオフラインスペースとして、「HAIRCAMPクリエイティブスタジオ」を2022年6月にオープンします。

利用者へ学習スペースの提供をし、“すべての美容師がつながる拠点”として、教育の新たな形を見出したい。動画配信・動画制作・オフラインセミナーなどができる環境をつくることで、美容師さんの活動をさらに後押しできれば、と思っています。

「HAIRCAMP」に出演する講師のみなさんは、従量課金制(視聴数によってギャランティが支払われる仕組み)です。こちらは、どうしてですか?

僕は「美容従事者のみなさんが、しっかり評価されるべき」だと考えているので、その反響に応じて、報酬もお支払いしたい。自分が営業あがりということもあって、“やった分だけ評価されたほうが、人はやる気になる”と思うので。

2021年度に「HAIRCAMP」が美容従事者のみなさんにお支払いした総報酬額は、1億8000万円になります。

すごいですね!美容師さんは特に、年齢が上がるとキャリアパスの選択肢が少なくなることも課題なので、幅が広がります。

最初は「稼げる美容師さんを、どんどん増やす」を掲げていましたが、今はそこだけが正義ではない、と。幸せの定義は収入を上げる以外にも、「選択肢を広げる」「時間を稼ぐ」「Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ:生活や人生が豊かであること)を上げる」など、いろいろあります。

「美容業界の活性化」という観点で、取り組んでいることはありますか?

美容師免許取得から5年以内の若手を対象とした、技術No.1を決めるオーディションイベント「髪ing soon2021」を、2021年からスタートしました。

身軽な感じで始めたものの、エントリーは3000にのぼり、急きょ協賛も募って、結果しっかりとしたイベントになりました。「HAIRCAMP」全体のユーザーのうち、10代~20代前半の方は16%しかいません。そこの若手をもっと刺激したい。2022年はさらにスケールアップした形で開催予定で、若手を盛り上げる企画は今後も続けていきます。

他に企画しているものは?

今、美容業界には「明日、人生が変わるイベント」ってないと思うんです。『M-1グランプリ(吉本興業と朝日放送テレビ主催の、日本一の若手漫才師を決める大会)』ってありますよね。優勝すると、TVにひっぱりだこになって、認知が広まり、人生が変わる。そういう瞬間を提供したいです。

たとえば、さまざまなジャンルにおいて「今年一番上手かった人は誰なの?」とか、“明日いきなりスターになってしまう要素”が必要。その実績がサロンワークにも直結して、そこから「1年予約が取れない」人気美容師になれるような。

『M-1』は賞金も1000万円とケタはずれですが、同様のイメージですか?

まだ確定はしていませんが、そういったインパクトある賞金金額でもいいし、数年後「あのイベントがあったから、人生が大きく変わった」と言ってもらえる、“きっかけ”をつくりたい。2023年の実現に向けて準備をしています。

『M-1』もそうですが、グランプリを獲った瞬間はワーッと盛り上がるけど、大事なのは「そのあと、どうなっていくのか?」。そこも「HAIRCAMP」として、きちんとフォローできればと思っています。

先ほどの「髪ing soon2021」で、グランプリを獲った「LIND TOKYO(大阪)」のmiyuさんは、サロンでの個人売上が月間で900万円も上がったと聞きました。またグランプリ後に「HAIRCAMP」で開催したセミナーでは、受講者が700名も!これは、うちでも歴代3人しか達成していない記録。ここから、他のメディアに出るきっかけも生まれます。

僕たちは、単に動画を観てもらうことを、ゴールとしていません。その動画を受講した先で、「人生が向上する」までがゴール。

“学び”を発信してるからこそ、誰よりも“学ぶ”。これからも、常に新しいことに挑戦し、行動し続けたいと思っています。

  • 「HAIRCAMP SCHOOL」もまた、魅力的な講師陣が集っている

  • 東京・西麻布に完成する、オンラインとオフラインの融合施設「HAIRCAMPクリエイティブスタジオ」

過去にも、TVドラマ『Beautiful Life』をきっかけに、美容師さんになった方は何名も見てきました。森本さんも、そこから美容業界に進む、“きっかけ”をもらった一人です。

ご自身は技術面でヘアメイクには向いていなかったと言いますが、美容業界に魅せられ、別の方向から業界を変えようとしている。

いわく、『業界を変えるために参入してきたというより、美容師さんと5年、6年と毎日のように会話しているうちに、どんどんその想いが強くなった』と言います。

そして、ビックリするような大規模コンテストの構想…。そうです、今度は森本さん率いる「HAIRCAMP」が、新たな“きっかけ”を生み出す番。

そこから生まれた波が、数年後の美容業界を、大きく変えていくことでしょう。

2015年に書いた、森本さんのノートより。『受講するユーザー、そして講師であるアーティスト、双方にとってより良いプラットフォームに』その想いは、今も変わらない

123
業界TOPインタビューの記事一覧へ

おすすめの記事

注目の動画

連載記事ARTICLE

  • 新着
  • ランキング

受付中のセミナーSEMINAR

動画ランキングMOVIE

ホットペッパービューティーアカデミーに
会員登録をして、
美容サロン経営に役立つ動画
を見よう!