第2章カッコいいオトコが行きたくなるバーバーは、こうして生まれた
「大人のオトコが行きたいサロンが日本にない。
世界的な流れを見ても、“いまだ!”って。」
直営店1店舗目の美容室「ブレスボー」は、いまや神戸を代表する人気店ですね。併設姉妹店の「ブレスボー ガール」に続く3ブランド目のサロンが「メリケンバーバーショップ」。男性向けバーバーを立ち上げたきっかけは?
メリケンバーバーショップの想定ターゲットは、35歳でビジネスをバリバリやっていて、ファッション感度も高く、カジュアルな格好を好む男性。自分の周りにいるやつもそうなんだけど、そういうオトコたち共通の悩みとして「行きたいサロンがない」っていうのがあった。『女の子に混ざって美容室でカットするのも照れくさいけど、古臭い床屋さんに行くのも違うな…』って。それで調べてみると、ニューヨークではカフェと融合したようなバーバーショップが注目されていて、世界的なバーバーショップブームが来ている。これは日本でも穴場の市場だし、「イケる!」って思ったところが始まり。
カットもおしゃれにしてくれて、シェービングもしてもらえる。確かに、それを求めている男性は多いでしょうね。僕もそうです。
ですよね!オトコだったらバーバーに行こうぜ、って感じでしょ。目指したのはゆる~い雰囲気のネオクラシックなスタイル、トラディショナルで気後れする感じじゃなくて。仕事帰りにくつろいでもらえるように、こだわったコーヒーを出したり、クラフトビール付きのメニューも用意したりね。
店名の「メリケン」って、「アメリカン」がなまった和製英語らしいんだけど、そんなふうに海外の流行をしっかり知ったうえで日本らしさも取り入れて。理容・美容の枠にとらわれない「ハイブリッドなバーバー」にしようって考えから名付けました。例えばバーバーならではのサービスとしてシェービングがあるけど、うちではフルフラットのシャンプーチェアでくつろいでもらいながらシェービングするんです。これは海外とも日本の昔ながらのバーバーとも違うスタイル。もう、超~気持ちいいっス!
もうひとつ従来の理容室と違う点として。ウェブを利用して、店のコンセプトに賛同した一般の人から開店資金を募る「クラウドファンディング」を活用されたこともおもしろい試みですね。
メリケンバーバーショップは「新規性」を軸にしてます。サービスでも店の内装でも、とにかく新しさを表現したい。なのに、資金調達を普通に銀行から借り入れするんじゃ、おもしろくないでしょ。それで、クラウドファンディング。そういうことに注目するような「クリエイティブなビジネスマン」がターゲット層でもあるんで、プロモーションとして行った面も大きいですね。結果、いろんな人に知ってもらって大・成・功。イェイ!
僕は自分たちの競争相手は「アパレル」だって思っている。ニューヨーク発で日本にも上陸した、アパレルとバーバーを展開する「フリーマンズ」みたいな店もある。そういう相手に負けずに、カッコいいやつらをお客さんとして呼びたい。それには店づくりからスタッフの立ち居振る舞い、情報発信の手段まで、店のコンセプトに合ったものをしっかり考えないとね。
新しいタイプのバーバーを立ち上げるにあたって、苦労した点は?
なんといっても、バーバー(理容師)の確保。うちで働いているのはみんな理容師免許を持ってるんですけど、「店に合う理容師」を探すのが簡単じゃなかった。でもどうにか、いい意味で理容師っぽくない、イケてるやつらに出会えたのはラッキーでしたね。