お客さまに支持されたサロンを表彰する日本最大級のアワード、「HOT PEPPER Beauty AWARD」。「GOLD Prize」「SILVER Prize」受賞サロン、または「注目サロン」に選出されたサロンへのインタビュー。取り組みや受賞の秘訣をうかがいます。
「似合わせ」を追求し、導入した3つの診断で
『大人可愛い』を叶える
rue 【ルエ】
HOT PEPPER Beauty AWARD 2021 関西エリア GOLD Prize 受賞
2012年創業。2020年から2年連続GOLD Prize受賞。アシスタントを置かない環境での売上アップの秘訣やスタッフ満足を追求する理由について、オーナーの林さんに伺います。
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000231960/CONCEPT
かわいい女の子でありたい…でもスタイルを持った大人の女性にもなりたい。『大人可愛い』をコンセプトに大人に変わっていく段階の女性たちのHAPPYを叶えるヘアサロンrue。
グリーンあふれるボタニカルな店内でひときわ目を引くのは、フラワーショップmaestroさんによる週ごとに変化を楽しめるフラワーディスプレイ。木のぬくもりとあたたかな時間が流れるサロンです。
AWARD受賞・
売上アップに向けた
取り組み
「似合わせ」を追求するための3つの診断
同じ価値観をシェアできる空間演出
「同じ目線で共に学ぶ」マネジメント
「似合わせ」を追求するための3つの診断
ヘアサロンは自分に似合う髪型がどのようなものなのかわからない人が多いからこそ、プロとしてのアドバイスが求められるもの。
rueでは、スタッフが実施する「骨格・ヘア診断」に加え、イメージコンサルタントサロンと提携した「顔タイプ診断」・「パーソナルカラー診断」を導入。美容師としての経験・知識での提案はもちろんのこと、確立された理論を用いることでさまざまな方面から自分の魅力を発見するアプローチを可能としている。
同じ価値観をシェアできる空間演出
店内にはおしゃれなBook&Cafeスペースが広がる。
「電子書籍など、デジタルなものに変えるサロンも多いですが、ハイテクになんだか寂しさもあり。京都だからこそ『古き良き』ものによる安心感と、『最新トレンド』による刺激を融合させたかった」とオーナーの林さん。
「自分の好きな本をシェアしたい」というお客さまも多く、現在置かれている本のほとんどはお客さまからの寄贈。
rueに広がるなんともいえないあたたかな空間が、そこに通うお客さま同士の「精神的な結びつき」「共通の価値観」となり、サロンへの結びつきを深めている。
「同じ目線で共に学ぶ」マネジメント
rueでは、「スタッフが楽しく働ける環境」を最重視。そのための取り組みは、アシスタントを雇わない(後述)、好きなことを伸ばしていく(嫌なことは強制しない)、などさまざまあるが、とりわけ取材中によく話に上がったのは「得意なスタッフがシェアをして、みんなで学んでいく」という言葉。
美容師はどうしても「売上」で判断されがちだが、売上ばかりに目がいき「競争」関係になってしまうと、周りと協力する・共有するといった意識になりづらくなってしまう。
「売上が高い人がえらい」という雰囲気を排除し、「協力して全員が豊かに」という環境をつくることで、それぞれを尊重し、互いに学び合い、結果的にスタイリスト全体の平均値の底上げにつながっている。
オーナーインタビュー
~HOT PEPPER Beauty AWARD 2021 GOLDPrizeを受賞して~
林 友通さん
京都出身。高校卒業後、理系の大学に進学し卒業後に美容専門学校に入りなおす、という異例の経歴を持つ。
大学時代に「外見の変化により世界が変わる」ことを自身が体感し、美容師という職業に魅了されたことで進路を変更したのだとか。
新卒で入社したサロンでの経験や、その後の業務委託での経験などをふまえ、現在は業務委託(自由)と正社員(安定)の良さをミックスした「スタイリスト」だけのサロンを展開。
お客さま満足度を高める取り組み
ーまず、3種類のタイプ診断!他店にはなかなかないサービスですね。
基本的には「骨格・ヘア診断」ですが、もっと深く知りたい、という方に向けて導入しました。究極の似合わせを追求した結果ですね(笑)。
サロンオーナーなら誰しも、何かブランディングとなるものを探したくなるものですが、それをスタッフに押し付けたり求めたりするのではなく、サロンとしてしっかりブランディングを強化することで、集客できる基盤を作ってあげたい、という気持ちでしたね。
―究極の似合わせ…ですか!
はい。やっぱりなかなか自分の似合う髪型ってわからないものですからね。
ホームケアに力を入れているのも同じ理由です。
自分では、自分の髪に何が必要なのか、どんな商品が合ってるのかわからないですよね。サイトで調べて、人気があるものを買ったとしても、自分の髪質に合わない場合だってあります。
だからこそ、きちんと教えてあげたいなって思うんです。
ー店販売上比率はどのくらいなんでしょうか?
たぶん25%前後だと思います。
これも各商材ごとに売るのが得意なスタッフがいて、みんなに「どう紹介したらいいか」「どういうポイントが響きやすいか」など成功事例をシェアしてくれています。うちのお店に来る前は店販に苦手意識を持っていたスタッフも、みんな得意になっていきますね。
楽しく働ける環境第一
ースタッフが楽しく働ける環境をとにかく作りたい、とのことですが…
はい、まず大前提、強制は一切しません。
苦手な技術とか、仕事とか、やりたくないものはやらなくていい。
逆に好きなことを伸ばすことができるように、そこにだけ目を向けています。
ー例えば、どんなことをやらなくていいのでしょうか?
スタイル撮影も、嫌ならやらなくていいし、ホットペッパービューティーの更新も、ノルマみたいになってしまうと、窮屈に感じてしまう人も多いですよね。
他にも、予約のキャンセルがあって急遽予定が空いてしまった場合でも、普通は呼び込みさせたり、何か別の仕事をしてもらったりなどあるかと思いますが、うちのスタッフは予定をブロックして近くのカフェに息抜きをしに行ったりします。
それくらい、「楽しく働ける」環境を重視してますね。
苦手な部分を無理強いしなくても、みんな得意な部分でしっかりサロンに貢献してくれていますし、僕からしたら一緒に働いてくれるだけでありがたい!という感じです。
ーアシスタントを雇わないのも、スタッフさんのため、とのことですが
アシスタントを雇うと、(同時に複数人の施術が可能となるため)もちろんサロンの売上を上げることにはつながるとは思いますが、一方で、教育に時間を割かなければならなくなります。
そうすると、どうしても労働時間が長くなったり、夜遅くまで帰れなかったりすることも増えてしまったり…。
スタッフのプライベートは必ず守りたいので、アシスタントは雇わないことに決めました。
ーマンツーマン施術は、お客さまからするとうれしいですが、売上の上限が決まってしまうのでは…?
まさにそうです(笑)。
お店としては正直、売上は気にしていないのですが、スタッフの給料は増やしてあげたいので、店販の従業員へのバックは20%に設定していますし、一定のお客さまがついてきたら、指名料などを相談したりします。
指名料はお客さまにとっては値上げとなりますが、美容師として大事なのは「プロとしてのプライド」。お客さまも「価値ある人に切ってもらっている」ならば不満は出ませんし、むしろ喜んでもらえるケースも多いです。
美容師人生が豊かになるように
ー最後に一言お願いします!
今後の夢、などよく聞かれることがありますが、僕は今美容師ができていることで「夢」の真っ最中。 大好きな美容師ができる日々に感謝し楽しみながら、すべてのスタッフが今よりも幸せになれるように、今後も魅力あふれるサロンを作り上げていきたいです。
取材レポート
スタイル写真は、近年は真顔やかっこいい雰囲気を演出するサロンが多い中、rueさんのスタイル写真は笑顔が並ぶ。 その理由は「お客さまにも笑顔になってほしいから」とオーナーの林さんは言います。 終始、「幸せ」について語るその姿から、サロンに流れるあたたかな空気が感じ取れるほどでした。
rue 【ルエ】
- アクセス
- 阪急河原町駅10番出口から徒歩2分
- 創業年
- 2012年8月
- 店舗数
- 1店舗
- 設備
- セット面9席
- スタッフ数
- スタイリスト8名