2022年9月20日、経験者の方向けに、WEBセミナー「訪問美容のお客さまの増やしかた」を開催。その様子をレポート形式でご紹介します。

湯浅 一也 さん

株式会社un.代表取締役
2012年より訪問美容専門の移動美容室「trip salon un.」をスタート。
現在社員13名、登録パートナー45名。関東エリアで介護施設220件、個人宅500名の契約。
講師活動も多数。

橋本 結希 さん

訪問美容室 結 Hair Nail代表
2012年から訪問美容で独立し、2014年に千葉県船橋市に「訪問美容室 結 Hair Nail」をOPEN。サロンワークと訪問美容活動を並行。千葉県を中心に介護施設28件、個人宅360名の契約。
日本カットアカデミー訪問美容師育成コース 講師

営業について

そもそも、訪問美容の営業はどんな方法で、どんな相手にすべきなのか?まずは基本からチェック。アカデミーの動画を視聴し、ポイントについて確認しました。

営業先のリストを作成したら、飛び込みor電話でアポ取り。アポが取れたら商談へ。個人宅の場合は「居宅介護支援事業所」「地域包括支援センター」でケアマネさんに相談を
営業先の優先順位は?「最初は東京都内を中心にしていました。スタッフが増えたらその自宅近辺も対象にして、少しずつ広げていきました。(湯浅さん)」

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お客さまを増やそう!介護施設編

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お客さまを増やそう!個人宅編

営業する時、どんな情報が必要?

橋本さん

介護度が高い方がいらっしゃる施設(特別養護老人ホームなど)に営業して契約が取れたとしても、実際に訪問する時に「できません」となると、相手に迷惑がかかってしまいます。どのくらいの介護度の方がいる施設なのかという情報収集が必要です。

湯浅さん

「100床の大きな施設を一人で訪問できるか」というと難しいので、サロンの規模に合わせた介護施設に営業に行くべきだと思います。自治体のホームページや、地域のフリーペーパーに介護施設の情報が載っているので、そういったところで情報収集しています。

営業する時、大切にしていることは?

湯浅さん

独立したときに「名刺の渡し方がわからない」「営業時のコミュニケーションがうまくいかない」と戸惑ったことがありました。相手の時間をいただくことになるので、ある程度の礼儀は大切だと感じています。一方で、私たちは「オシャレをすること」をアピールしていく仕事なので、スーツで身なりを整えるよりも、比較的カジュアルなオシャレな格好で行く方がイメージをもってもらいやすいのかな、と思います。

橋本さん

個人宅の場合はケアマネさんに営業するのですが、ケアマネさんって本当に忙しいんです。だからダラダラ話すのではなく、必要なことだけを短い時間で伝えて、質問されたときに「自分が今できること」をしっかりお伝えするようにしています。

感染症対策について

訪問時の施術現場はもちろん、営業の際にも「感染症対策」についてアピールすることは有効です。介護の現場ではどんな感染症対策が求められているのか、インタビュー映像を紹介しました。

感染症対策のポイント

・入室時の手洗い、マスク着用の徹底(フェイスシールドを併用することも)

・体温の記録

・施設の設備や道具の、定期的な消毒

・施術場所の換気

・どんな感染症対策をしているのか、介護職の方への説明

 質問タイム

たくさん寄せられた質問の中から、一部をご紹介!

初任者研修などの介護資格は必要?

湯浅さん

僕自身は3~4年目に初任者研修の資格を取得しました。最初から資格を持っていなくても良いとは思いますが、介護スタッフさんとのコミュニケーションや自分たちのサービス向上につながるので、今は取得して良かったなと感じています。

一人あたりのカット時間はどのくらい?

橋本さん

長時間だとご利用者さまが疲れてきてしまうので、カットから仕上げまで、20分程度で施術するのが理想です。時には10分で施術することもあります。高齢の方にも髪の量が多い方もいるので、たくさん梳けるハサミを持っていくなど道具も工夫しています。

寝たきりの方のカットで、ご利用者さまに髪の毛をつけない工夫は?

橋本さん

1回切ったらその都度、髪の毛を取っています。首の周りにラップをするなどガードをしたり、もしくっついてしまったらベビーパウダーをつけて払ったり、粘着テープで取り除くなどの工夫をすれば、ほとんど髪の毛は残らないと思います。

湯浅さん

切った髪の毛を完全に取り除くのは不可能です。だからこそ、カットが終わった時点で介護スタッフさんやご家族に「少し髪の毛が残ってしまっています」と伝えることが大切です。そうすれば早めにお風呂に入れていただくなどの対応をしていただけたり、クレームを防げたりします。

次回の開催をお楽しみに!

 

企画・編集・文 服部美奈子