お客さまに支持されたサロンを表彰する日本最大級のアワード、「HOT PEPPER Beauty AWARD」。「GOLD Prize」「SILVER Prize」受賞サロン、または「注目サロン」に選出されたサロンへのインタビュー。取り組みや受賞の秘訣をうかがいます。
【兵庫】神戸からメンズサロン界に新風を吹き込む!メンズブライダル・アカデミー・プロダクト開発と、多角的に手がける理由。
床屋にもう【トコヤニモウ】
HOT PEPPER Beauty AWARD 2024 SILVER Prize
サロンには靴を脱いで入る、席の正面に鏡がない…まず、その独特なコンセプトにド肝を抜かれる。手がけるのは、メンズカットの第一人者、あのウッティー ヨースケさんだ。2021年9月オープンでありながら、すでに2年連続SILVER Prize!卓越した技術&口コミ高評価の根源にあるもの。そして、サロン運営だけではなく“収益の柱”を複数持つ理由とは?
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000544595/CONCEPT
「理美容業界の新しいベースをつくる」という想いのもと、熱い探求心を持ったメンバーが集結!高度な技術にも定評があり、カット・パーマはもちろん、シェービング・眉毛・ヘッドスパ・頭浸浴・フェイスケアと多彩なメニューが揃う。地元・神戸のビジネスパーソンをはじめ、有名スポーツ選手やアーティストからも圧倒的支持を集める。
AWARD受賞・
売上アップに向けた
取り組み
どこにもない、唯一無二の空間
口コミ、驚異の高評価!
スタッフは3年後、ネクストステージを目指す
どこにもない、唯一無二の空間
まず、日本家屋の玄関をイメージしたという入口で靴を脱ぐ。サロンの床を含め、常に掃除を徹底しているからこそ、できることだろう。内装のコンセプトは、「パークと茶室」。大きな窓は開放感にあふれ、和の趣を随所に感じる。
席の正面に鏡を置かないのは「施術中に、お客さまが自分自身を見つめ、心から休まる空間にしたい」という想いから(仕上がり確認では鏡を使用)。「鏡がないと、スタイリストは施術しにくいのでは?」と疑問をぶつけると、「セミナー講師やヘアショーなど、鏡のない場所で培った高い経験値と技術レベルによって可能になる」とのこと。
4つある席の間には、それぞれ贅沢なスペースが。サロンオープンは2021年。コロナ禍で、「お客さまが安心して来られるように」との配慮からだ。ただ、あまり離れすぎると孤立感を持ってしまうため、計算し尽くされた心地良い距離感になっている。
HOT PEPPER Beautyの「こだわり」ページより。ドリンクひとつとっても、氷にいたるまで(!)妥協しない。いかに、細部まで手を抜かないかが伝わってくる
口コミ、驚異の高評価!
HOT PEPPER Beautyの「口コミ」評点は、4.91/173件(2024年5月15日時点)。満足度が高い秘訣は、どこにあるのだろうか?
代表・ウッティ―さん『理容師として、いかに自己研鑽していくか、毎日同じ積み重ねをできるか、ということに尽きます。コロナ禍では、働きたくても、働けなかった。そのジレンマを忘れず、毎日働けること、お客さまが来てくれることに感謝しなくてはいけないと思います。
きれいに掃除をすることは、“やらされる”ことではない。自分の家に大切な人が来るとなったら、きれいにしますよね?それと一緒で、お客さまに気持ちのいい時間を過ごしいほしい。スタッフみんなが、心からそう思っています。』
圧倒的な技術&きめ細やかなおもてなしが、一流を求めるお客さまから支持を集めた。結果、お客さまの平均単価(HOT PEPPER Beauty経由)が、1万1,000円~1万1,999円と高単価に!
HOT PEPPER Beautyの「口コミ」より。「想像を超える仕上がり」「高いホスピタリティ」「ドリンクのおいしさに感動」といったコメントが多い
スタッフは3年後、ネクストステージを目指す
高い技術レベルを可能にしていることのひとつに、自社アカデミーがある。大切にしているのは、“技術と心を鍛え、人として成長する”こと。
スタッフの“やりたい”は、全て実現させたいという。会社として収益の柱がいくつかあることで、継続してお金が入る仕組みを構築し、多様な選択肢のなかから成長ビジョンを提示できる。
現在はサロン・アカデミー・ブライダル・プロダクトの4軸。サロンは“教育の場”と捉え、3年後どうなりたいかに応じて、スタッフ一人ひとりのキャリアプランを一緒に考える。たとえば木村 成世さんは独立を目指しながら、そのあともセミナーや勉強会は、ともにやっていく予定。石岡 のりこさんは今後、関西に出店したいサロンへのコーディネーターとしての活躍も視野に入れている。
また木村さん、石岡さんともにプロダクト開発にも携わっており、2024年8月~9月頃に新たな商品が発売予定。自身が開発した商品が発売された場合、その売上に応じたパーセンテージを、開発者本人に還元し続ける仕組みを構築中だ。
プロダクト事業での売上も非常に好調。写真は、2024年8月~9月頃にリリース予定のシャンプー・コンディショナーの商品イメージ。原材料、香り、ネーミング、パッケージデザインに至るまでこだわり抜き、そのすべてにストーリーがある
代表インタビュー
ウッティー ヨースケさん
株式会社NIMOW/代表取締役社長。大阪のサロンに勤めたのち、神戸の「MERICAN BARBERSHOP(メリケンバーバーショップ)」に8年。その後、2021年に独立。理容師歴は20年以上で、男性のヘアカットを革新的なロジックで作り上げた第一人者でもある。
ースタッフの方の「やりたいこと」を実現するだけではなく、それぞれにマネタイズの仕組みがあります。「将来、“継続的”にお金が入るように」というところまで、考えてくれるとは驚きです。
一人ひとりの夢を叶えることが、経営者である僕の仕事。もちろん応援やアドバイスはするけれど、美容人生を切り開いていく力を、自分自身でもつけていってほしいと願っています。
ーウッティ―さんだけではなく、スタッフの方もパラレルキャリアで活躍できていることが、すごいです。
サロンでの生産性は、がんばっても月にMAX300万円ほど。サロンの売上も大事ですが、それだけにとらわれず、いろんな可能性を提示したい。そうしないと、理美容業界の未来は明るくならないと思うんです。
ースタッフの方がキャリアを考えるうえで、「独立」も視野に入れていいのですね。
僕は「場所・人・想いにこだわる」というのを大事にしています。“人”というところでは、いま一緒に働いている人たちと、将来どうやったら長く付き合っていけるか?を考えます。
会社の中にいるか、外にいるかは関係ないんですね。うちを辞めたとしても、ビジネスまたは人として関係性が続いていくこともある。また、お客さまからつながった、外部の方々と協働している案件もたくさんあります。
目指しているところが高いので、一人では上がれない。みんなで一緒にやっていけたらうれしいですね。
自社プロダクトのワックス(左から「1-1 AO」「1-1 SHIRO」「1-1 AKA」各2,200円)。先に商品のファンになり、その後サロンに来店という流れもある
ーブライダルもされているとのことですが?
ブライダル事業を立ち上げ、有名ホテルとも提携し、「新郎の方に3カ月間、計3回の“タキシードに似合うヘアコンサル”」を行っています。初回のカウンセリングで結婚式での希望のヘアスタイルを聞いて、3カ月かけて、理想のヘアになるように持っていくんです。もちろん、式当日も担当します。
ーそれは、とてもいいですね!式の直前だと、髪の長さや状態によっては、理想のヘアスタイルが実現できない場合がありますよね?
そうなんです。ここで重要なのが、新婦の存在。結婚式って女性が主導になることが多いですよね?初回は必ず一緒に来店してもらい、新婦の方の雰囲気や、当日着るドレスを確認します。
シンプルめなのか、クラシック寄りがいいのか、バランスを考えて提案します。
彼がどんどんかっこよくなっていくので、新婦から「惚れなおした」と言ってもらうことも(笑)。
僕は男性だけではなく女性のカットもできるので、結婚式が終わったあとも、ご夫婦で通ってくださる方が多いですね。
ー今後の野望は?
「株式会社NIMOW」としては、いろんな方向から美容業界でのシェアを広げていきたいですね。
僕はさまざまなボランティア活動もしていますが、根底に「人や町のお役に立ちたい」というのがあります。
神戸はメンズサロンのイメージが浸透しつつありますが、「メンズカットを学ぶなら神戸に行こう!」という文化をつくりたい。
あ、これはまだ僕の勝手な妄想ですが、言うなれば「株式会社 神戸」みたいな。部長は「MERICAN BARBERSHOP」の代表・結野さんで、僕が課長とか!?(笑)
神戸のサロンのみなさんと一緒に、そして様々な職種(部署)の方たちと笑顔あふれる町にしていけたら最高です。
自社だけではなくて、神戸のメンズサロン全体、そして神戸という町を盛り上げるお手伝いができたらと思っています。
取材レポート
サロンのコンセプトにもなっている「茶室」。実はウッティ―さんは、茶道にも精通している。きっかけは、理容師としてニューヨークに滞在していた時のこと。評価の証であるチップがもらえなかった。向こうで絶大な人気を誇るスタイリストから『ヨースケはカットの技術は、世界ナンバーワンクラス。でも、足りないものがある。僕がカットしているところを、カメラで撮ってみろ。』と言われたそう。
そして気づく。彼は、どの角度から観ても所作がかっこよく、クロスをかける時も取る時も、まるでショーのようだった。
そこから、日本の“道”から所作を学ぼうと茶道を始め、どハマり。外国人のサッカー選手を招いて行った茶道体験も、好評を博した。
『床屋も茶道も、“社交場”と呼ばれています。そこからコミュニティやカルチャーが生まれる。この循環のお手伝いが醍醐味です。』
店名の「にもう」は二毛作(にもうさく)から。お客さまに『サロンだけじゃなくて、いろいろおもしろいことをやっていて二毛作みたいだね!』と言われたことに由来。今や、三毛作、四毛作にも広がっている「にもう」から目が離せない。
床屋にもう【トコヤニモウ】
- アクセス
- 市営地下鉄「三宮駅」向かい
JR「三ノ宮駅」・阪急神戸「三宮駅」より各徒歩5分
- 創業年
- 2021年
- 店舗数
- 1店舗
- 設備
- セット面4席
- スタッフ数
- スタイリスト5名/アシスタント1名