サロンで始める
訪問美容~実施マニュアル編~
vol.12
【経営・マネジメント編/スタッフ教育その1】
人材をマネジメントしよう②
訪問美容の現場では、美容師としての技量に加え、高齢などのお客さまの安心・安全を守るための知識や技術が必要となります。では、具体的にどのような知識や技術を身に付ければよいのでしょうか?また、身に付ける方法は?訪問美容を行うスタッフの教育について、2回に分けてご紹介します。
アドバイザー:
ふくりび 岩岡さん
訪問美容に必要な知識・技術を理解し、
現場で活躍するスタッフを育てましょう。
「訪問美容」スタートまでの6ステップ
アシスタントでも対応可能?ブランクがあったら?
訪問美容師に必要な技術レベルを把握しましょう。
認知症などへの理解や車いすの扱い方など、
訪問美容特有の知識と技術を身につけましょう。
【よくある質問】
訪問美容の知識や技術が学べるセミナーって?
【外部セミナー 実例紹介】
学校法人山野学苑 公開講座「美容福祉®技術講習」をレポート!
学校法人山野学苑による、訪問美容に必要な知識や技術が学べる公開講座「美容福祉®技術講習」は、4日間(計28時間)の養成コースと1日体験コースから選択可能。4日間コースでは、山野美容芸術短期大学・山野美容専門学校の学生たちが1年間かけて学ぶ選択必修課(科)目「美容福祉基礎」の授業内容とほぼ同内容を、凝縮して学習することができます。4日間のおおまかな講習内容は下記の通り。公開講座は毎月開講。1日コースは、4日程の中から自身に合った日程を選べます。
〈美容福祉®技術講習のカリキュラム〉
A日程/福祉理美容技術(ベッド上での洗髪、車いすでの洗髪・散髪技術など)
B日程/訪問理美容で行う介助技術(体位変換やベッドからの起き上がりなど)
C日程/サロンで行う介助技術(車いす実習・杖歩行実習・視覚障がい者実習など)
D日程/訪問理美容の知識と福祉理美容技術(関係法規や制度など、車いすでの着付けなど)
「公開講座を通して、福祉の場で活躍できる美容師の輪を広げたい。また、全国に訪問美容の輪を広げ、地域創生にも貢献したいと考えています」と法人事務局長の北村さん。美容福祉士の資格制度について美容師法改正を国に働きかけるなど、訪問美容の発展に力を注ぐ山野学苑の公開講座は、2005年の開講以来、全国1800名以上の理美容師が受講。また、北海道や長野、愛知などでも出張講座を実施して好評を得るなど、その実践的な内容で人気を集めています。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
A日程では、山野学苑が考案した訪問理美容のための美容福祉器具「ハッピーシャンプー®」などを用いた寝たままの状態での洗髪や、車いすでのカットなどの技術を学ぶことができる
短期大学や専門学校の現役講師、介護福祉や社会福祉の資格を持つプロなど、講師陣の豪華な顔ぶれも魅力。当日は、全国から集まった18名の美容師が受講
ベッド上での移動や体位変換、車いすの操作など、施設や個人宅で訪問美容を行う際に必要となる介助技術も、実習を通して身につけることができる
●学校法人山野学苑 公開講座「美容福祉®技術講習」
問合わせ:代表 http://www.yamano-bc.jp/ 技術講習案内 http://www.npobl.or.jp/courseguide/
4日間コース:受講料3万8,000円(税込)・教材費9,500円(税込)
1日体験コース:各日程1万円(税込)※A日程のみ教材費9,500円が別途必要
【受講者のみなさんの感想】
●東北出身で震災を経験し、自分にできることをしたい・増やしたいとの想いで受講しました。実践向きの内容に大満足。また、視覚障がい者の疑似体験などを通して、障がい者の方の大変さや気持ちに触れることができて良かったです/芳賀絢香さん(埼玉県 スタイリスト歴5年)
●勤めているサロンには介助が必要なお客さまも多いのですが、講座を通して、お客さま本位の対応ができていなかったなど、たくさんの気づきに出合えました。一緒に受講した娘も、訪問美容の必要性を強く感じたようです/橋本百合子さん(東京都 スタイリスト歴26年)
●病床の母の髪をカットしたことをきっかけに、訪問美容に興味を持ち、1年前に会社を設立。理容師の専門学校に通いつつ、より訪問美容の腕も磨きたいと考え、受講しました。大阪から通うことを決めたのは、飛びぬけて内容が充実していたから。全国から生徒が集まっているので、全国に仲間を作ることもでき、受講して本当によかったです。ぜひ今後、福祉・美容・理容を融合させた訪問美容を提供したいと考えています/福留砂織さん(大阪府 スタイリスト歴26年)
人材をマネジメントしよう②/やることチェックリスト
- 基本的な技術がひと通り行えるよう、訪問美容のスタッフを教育する。
- 訪問美容のスタッフが、訪問美容に必要な知識や技術が学べる場を設ける。 (車いすの操作方法やベッドカットの技術、高齢の方の身体的特徴や認知症の理解など)
知識や技術の習得は、お客さまの喜びにつながります!
次号は、「スタッフの教育」第二弾。お客さまとのコミュニケーション方法や、安全管理についてレクチャーします。
監修NPO法人 全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)
理事長 赤木勝幸さん
事務局長 岩岡ひとみさん
参考文献