お客さまに支持されたサロンを表彰する日本最大級のアワード、「HOT PEPPER Beauty AWARD」。「GOLD Prize」「SILVER Prize」受賞サロン、または「注目サロン」に選出されたサロンへのインタビュー。取り組みや受賞の秘訣をうかがいます。

【香川】目指すは、東京以上のクオリティ!
自由すぎるのに、チームが育つ仕組みとは?
KOKOMO【ココモ】
HOT PEPPER Beauty AWARD 2025 GOLD Prize

“高松にいながらにして最先端”、そんな声が集まるKOKOMOは、「HOT PEPPER Beauty AWARD 2025」にて四国・10席以上の部でGOLD Prize!ほかに東京・渋谷の有名サロン「Beleza」など6店舗を展開する株式会社KOKOMOは、教育もルールも型にはめず、自由に決めてもらう文化。なぜ若手が育ち、定着するのか?その仕組みに迫った。

CONCEPT
高松中央公園近くに位置するデザイナーズサロン。ミリ単位でこだわる似合わせドライカット&ダメージが少ない最旬デザインカラーなど、トレンド感度が高いZ世代のお客さまを中心に支持を集める。
AWARD受賞・
売上アップに向けた
取り組み
卓越した技術のドライカット
やる気がある人に、照準を合わせる
香川で、東京以上のクオリティ!?
卓越した技術のドライカット
KOKOMOのウリのひとつである「ドライカット」は顔周りや前髪の再現性が高く、自宅でのスタイリングがしやすい。習得が難しい技術だが、KOKOMOでは入社時から、ウェットではなくドライカットのみで練習。代表の多田さんが独学で築いた技術を、現在は店長の中下さんをはじめ、先輩スタッフが新人に教えている。
多田さん『僕や先輩のカットのやり方は無視していい、とも伝えています。自分なりのカットをちゃんと作っていってほしい』
最先端&高い技術を提供することは、集客だけではなく、求人面でも強みに。東京や大阪で美容師として働いていた人が、地元・香川に戻ってくる際に応募してくれるケースも多いとか。

骨格・髪質・毛流れまで見極めたドライカットは、360度どこから見ても美しいフォルムになる
やる気がある人に、照準を合わせる
スタッフ平均年齢は23〜24歳。KOKOMOは、スタッフが早期に成長することでも知られる。その秘訣は?
多田さん『やる気がある人に照準を合わせて、育成しています。ルールは自分たちで決めてもらい、やりたい人がやれば良いという考え。そうすると自然に、全員の士気が上がる』
“自由”が、KOKOMOのキーワード。技術ひとつとっても、基本は教えるものの、それぞれの個性を大切に。レイヤーカット、ハイトーンカラー、韓国ヘア、メンズと、スタッフによって得意が異なり、店としてはオールマイティに対応できる。
またサロンの集客力が高く、早い段階からお客さまを担当できることも、成長につながっている。
香川で、東京以上のクオリティ!?
高松市きってのオフィス街・中央通りに面したビル1棟がKOKOMO。
多田さん『東京にも店舗を構えているので、高松でも最先端のトレンドスタイルが打ち出せます。東京でここまで広いスペースを確保するのは難しいけれど、高松であれば可能。目指しているのは、東京に負けないではなく、“東京以上”のクオリティ。四国で圧倒的な認知を取りにいくためには、個人ではなく、“サロン”として勝つ必要がある』
美容師としての知名度が高い多田さんの名前でお客さまを呼んでいた時代もあったが、現在は地域一番店を掲げ、「KOKOMO」というサロン名で集客できるように。
チームでさらなる集客アップを目指し、HOT PEPPER Beautyの「スタイル」「ブログ」ページも、スタッフ同士でルールを決めて更新。

ニューヨークを思わせるレンガ調の外観。1階~3階すべて美容室
インタビュー
■(左)多田哲也さん「株式会社KOKOMO」代表取締役
16歳で美容室に入社し、通信教育で美容免許を取得。23歳の時に独立し、香川県高松市に1店舗目をオープン。
■(右)中下寧々さん「KOKOMO」店長/ディレクター
2017年、新卒でKOKOMOに入社。スタイリスト歴は9年で、似合わせトレンドヘアを得意とする。
ー店長の中下さんは、「自由にやらせてもらっている」とのことでしたが?
中下●ところどころでアドバイスはもらいますが、任せてもらっているので、やりがいがあります。商材も、自分たちで講習を受けて、若いお客さま向けのものを選んだり。
ー多田さんが、スタッフに任せるようにしている理由はありますか?
多田●自分自身が16歳から美容室で働いていたこともあって、「とりあえずやってみよう!」というスタンス。特に若い人はチャンスを与えたほうが、伸び代が大きいと考えます。
レールを敷かれたいタイプの人には、KOKOMOは向いていない。香川のこの立地・コンセプトだから、ストイックな人が集まって来やすいというのはあります。
ースタッフは、正社員と業務委託が約半々とのこと。マネジメントするうえで、やりにくさを感じることは?
中下●KOKOMOは雇用形態や年齢に左右されず、人間関係がいいので、やりづらさはないですね。
お店のルールや役割分担も、自分たちで話し合って決めています。やらされ感がないので、みんな自主的に動いてくれる。サロンワーク中も、お互い積極的にヘルプに入ります。
ミーティングでは気づいたことを教え合ったり、仕事終わりにごはんに行くなど、コミュニケーションが活発です。
ーいい雰囲気ですね。
中下●はい。HOT PEPPER Beauty AWARDも、GOLDを目指して毎月みんなで数字をチェックしていたので、受賞した時は盛り上がりました! 個人の数字だけではなく、店全体の数字を、全員が意識しています。

ー今後、店舗展開の予定は?
多田●特に店舗を増やそうというのはないのですが、定着率が高いのでスタッフが増員するのに合わせて出店していく感じですね。
現在、渋谷に「BARBER BINGO HAIR WORKS」というメンズサロンを出店していますが、その高松店を2025年8月1日にオープン予定。敷地面積は約70坪と、かなり大きなバーバーです。
刈り上げのバーバースタイルから、パーマ、カラーとメンズ向けメニューに幅広く対応。このパッケージは、地方でも勝てるビジネスモデルだと思っています。

「BINGO HAIR WORKS」は理容と美容、クラシックとポピュラーを融合させたハイブリッドメンズサロン
ー最後にあらためて、KOKOMOの強みを教えてください。
多田●スタイリストは正社員か業務委託、好きなほうを選べるのもそうですが、すべてにおいて“自由”であること。
早い段階で成功体験を積むことで、自分の限界値を引き上げることができます。自由だからこそ成長できる環境を、これからも大事にしたいです。
取材レポート
代表の多田さんは、技術・接客教育だけではなく、採用面接に至るまで、基本的には口を出さない。
サロンにおける「ルール」までスタッフ任せにすると、甘い環境になってしまうことは?…
『逆に僕のほうが、“そこまで厳しくしなくてもよくない?”と言うことがあるくらい(笑)』と、多田さん。
自由=自己責任が大きいということ。KOKOMOとしてさらなる高みを目指すべく、一人ひとりが主体性を持ち、協力し合う。そんないい循環がまわっていた。
KOKOMO【ココモ】
- アクセス
- 「瓦町駅」より徒歩7分、「高松駅」より徒歩10分
- 創業年
- 2004年
- 店舗数
- 6店舗
- 設備
- セット面16席(KOKOMO)
- スタッフ数
- スタイリスト8名、アシスタント3名(KOKOMO)