イノベーターが
見ている未来
vol.131
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
SALOWIN(サロウィン株式会社)
代表取締役社長 阿部友哉さん (age.37)
フリーランス美容師向けシェアサロンとして、2019年に誕生した「SALOWIN(サロウィン)」。現在は全国に約300店舗、利用する美容師・ネイリスト・アイリストなどのビューティシャンは3,000名を超える(2026年7月時点)。2028〜2030年の上場に向けて歩みを進めていると思われた矢先…阿部さんが選んだのは、不動産大手・ヒューリックグループへの参画だった。その背景にある経営思想と、ビューティシャンのために描く次の10年を聞いた。
1988年、宮城県生まれ。大手コンビニチェーンの店舗運営、ヘアメイク専門サロンでのエリアマネージャー・店舗開発、ITベンチャー「サムライト」執行役員を経て、2019年7月にサロウィン株式会社を創業。
・サロウィン公式サイト
第1章ビジョンを実現するための、M&Aという選択
「会社のフェーズごとに、
ベストオーナーは変わる」
創業から7年。当初はシェアサロンが中心でしたが、いまや一つの業態では語れない会社になりました。
いろいろやっていますが、創業時からのビジョンである「ビューティシャンの所得向上」「労働環境の改善」「一生涯働ける環境の提供」を実現するための手段が、めちゃくちゃ増えたという感じですね。
現在はシェアサロンに加え、小規模開業や多店舗展開まで幅広く支援しています。2025年にはfifth group(フィフスグループ)さんと、美容室のM&Aや経営支援を行う「Kakeru Fund(カケルファンド)株式会社」もスタート。どんなニーズにも応えられるパーツが揃いました。
そんななか、2026年6月、ヒューリックによる100%子会社化が発表されました。正直、「上場を諦めたのか」と受け取る人もいそうです。
もともとIPO路線で進めていました。僕の中にあるのは、株主のリターンを最大化することと、会社を成長させることの二軸。それが実現できるなら、IPOもM&Aも柔軟に検討する。今回は、それがたまたまM&Aだったという形ですね。
「会社は株主のものであって、僕のものではない」という前提で、ずっと経営してきました。会社のフェーズごとにベストオーナーは変わると思っています。創業当初は、僕を中心に応援してくださったVC(ベンチャーキャピタル=創業期の企業に出資する投資会社)の皆さんがベストオーナーでした。でも、事業をもう一段大きくするには、創業期とは異なる力が必要でした。多額の資金、人脈、ノウハウを持つヒューリックという巨大なグループの力を借りて、一気に次のフェーズへ引き上げる。実行するのは僕たちですが、いまのサロウィンにとってのベストオーナーは、究極的にはヒューリックだったんです。
完全個室型の「SALOWIN Suite(サロウィン スイート)」。セット面やシャンプー台を備えた個室を占有し、内装からサロン名まで自分の世界観でつくり込める(画像は表参道arist店)
2〜3席の独立空間で開業できる「me by,,(ミーバイ)」。美容所登録に対応し、公式シミュレーションでは、開業コストを一般的な自己出店の約1/20に抑えられる(画像は銀座店)













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急成長のさなか、急展開。
なぜ上場ではなく、M&Aだったのか。