ヘアサロン領域
2012.08.31
関東を中心に26店舗を展開、387人のスタッフを抱えるUNIX。一昨年、異業種から森社長を迎え、経営方針を一新しました。TOYOTAの生産方式を取り入れ、生産性の向上を強化するなど、様々な新しい手法も取り入れながら、3年後の上場を目標にサロン改革を進めているUNIX。森社長に、その刷新の核心をお伺いしました。
|第6章|海外の成熟したマーケットで挑戦したい
野嶋 最後に今後の美容業界の兆しについて伺いたいと思います。 私は、日本の美容業界の未来は決して暗いとは思っていません。例えば医療と美容を橋渡しする分野には、どんどん新規参入が始まっています。
森 小売りはそうでしょうね。しかし、サロン経営となるとどうでしょうか?
野嶋 サロンに関しましても、例えばスパの分野などは、今後日本の産業を支えうる、インバウンドを稼げる成長産業になりうると考えています。
森 ああ、確かにそうですね。海外との関わりにおいて、まだまだ可能性があると思います。
野嶋 海外展開は考えていらっしゃるんですか?
森 はい。出会いもあると思うのですが、基本的にはマーケットが日本の技術を欲しているところに行くのではなく、既に成熟したマーケットで見る目が厳しいマーケットに行こうと考えています。例えば、エステが健康保険で受けられるようなフランスが候補です。
野嶋 そうですか。フランスですか。フランスはよく、出店が厳しいと聞きますが、どこに勝算を感じていらっしゃるのでしょうか。
森 フランスのサービス業で、我々のように顧客満足を考えて経営をしているところは極端に限られたトップだけです。例えばのラグジュアリーホテルの中のサロンのようなところですね。一般の中流階級向けに、日本のように顧客満足を追求したサロンは1軒もないのではありませんか?そこに需要があると考えています。ただ、そこに行くスタッフたちが、成功するまで帰ってこないという覚悟をもって乗り込むとなると、オーガニゼーショナル・ケイパビリティがなくては勝負できません。ですから今は基礎を固めているという時期ですね。
野嶋 今日はたくさんの刺激的なお話を聞かせていただきました。我々も、美容業界が成長産業としてマーケットから注目が集まるように、活動していきたいと思います。今日はありがとうございました。
森 こちらこそ、ありがとうございました。
(写真/中野愛子 文/増田ゆみ)