｜第５章｜目標であるサロンであり続けたい　競争する仲間との関係性

野嶋　高知県の他のサロンさんとの関わりはどのようにされているのですか？

山本　以前は、全く交流がなかったんです。自分のサロンをどのように育てていくかに集中していまして。でも10年くらい前からですかね。HAIRISMというイベントを高知で行いまして、そのイベントをきっかけに、他のサロンのオーナーさんたちと仲良くなりました。

野嶋　いまは、何か一緒に活動されているんですか？

山本　例えばフォトグラファーの方を呼んで、クリエイティブな発信をしていこうというようなときは、ディーラーさんに間に入っていただき、みんなで勉強会をするようなことをしています。

野嶋　一社だけで取り組むのではなく？

山本　はい。自分たちのサロンだけが勝ち抜ければいいという時代ではないと思うんです。みんなで切磋琢磨しあい、この業界自体を盛り上げていかなければ、美容師になりたいという若者が減ってきていますから。

野嶋　全国的な課題ではありますが、高知は特に美容学生さんの減少がシビアだと聞きました。

山本　はい。先日の美容学校の会社説明会では、1・２年生、合わせて20数名しかいないのに、高知県から24社、県外から30社がきていましたから。僕たちサロンの人間からすると、お客さまがいなくなることよりも、美容師のなり手がいなくなることのほうがずっと怖いことなんですよね。美容師を育てるのには時間がかかりますから。

野嶋　そのためにも、一緒に勉強していかなくてはということなんですね。

山本　ですから、今回のヴィヴィアン・ロッソのことについても、RTの今後の展開についてもどんどん情報公開しています。僕たちは、他のサロンにとって、目標であるサロンでいたいと思っているんです。情報公開することで、僕たちも次のステップに進めますので、お互いにいい刺激になっていると感じています。

野嶋　今日は、新しいサロンのオープン直前ということで、とてもタイムリーなお話をたくさん聞くことができました。ありがとうございました。

（写真／長野自敬　文／増田ゆみ）