経営編⑧「3年目になる前に法人化」の落とし穴?
サロン運営もようやく安定してきたサロスケくん。独立仲間とも「そろそろ法人化かな?」といった会話も増えるように。法人化はいつ、どのような理由でするべきなのか?解説します!
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サロン運営もようやく安定してきたサロスケくん。独立仲間とも「そろそろ法人化かな?」といった会話も増えるように。法人化はいつ、どのような理由でするべきなのか?解説します!
中嶋先生、3年目になる前に法人化したほうがいい、みたいな話をよく聞くんですけど、本当でしょうか?だったらそろそろ準備しないと、と思って。
この情報だけを見ると、やはり3年目になる前に法人化したほうがいい気が…。
サロスケくん、消費税の免税や売却などの税金のことだけを目的に法人化すると、案外見落としがちな「社会保険の負担」が上がってしまい、手元資金を大きく減らしてしまうということもあるんです。
法人化をすると、社会保険の加入が必須に!
社会保険とは「健康保険」と「厚生年金保険」の総称です。
個人事業主・法人の場合の加入義務一覧はこちら。
詳しくは動画セミナー「人を雇うときに知っておきたい保険加入義務」で解説しています!
先生、ちなみに利益の額によっても、法人化したほうがいい金額目安があるって聞いたことがあるんですけど…。
え?それなら法人化したほうが…?
ただし、納税額は減っても先ほども言ったとおり、法人化することで社会保険の負担は上がります。
そしてそれだけでなく、利益は水物。その年がたまたま良かったから翌年同じような利益が出るとは限らないので、利益の額だけをもとに法人化はおすすめしていません。
そんな?だったらいつ法人化すればいいんですか?
着実に数字が伸びているのであれば法人化もおすすめできるけど、3年目になる前にとにかく法人化した方がいい!というのは間違い。しっかりとお金を貯めて、法人化した時に増える負担を払えるくらいまで準備して、きちんと目的をもって法人化すべきです。
以下の目的がある場合には法人化はおすすめ
など
別の記事でも説明しますが、3年目になる前に法人化してしまったことにより手元資金が少なくなってしまい、結果銀行から2店舗目開業の融資を受けられなかった、という方もいます。
そうなんですね…。「3年目」という言葉にだけ振り回されず、しっかり考えて決断します!
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解説!
一般的に3年目になる前に法人化したほうがいいとされる根拠とは?
①消費税を納めなくていい期間が長くなる
開業後、売上1,000万円を超えた年の2年後から消費税の納税義務者となるので、最初の2年間は消費税免税。法人化すると、条件により1~2年、再び免税となる。
②免税期間中にお店の内装や機材を法人に引き継ぐ場合、消費税が発生しなくなる
お店で使っていた内装や美容機材を法人に引き継ぐ=個人から法人に売却した形になる。
もし、上記の消費税免税期間中であれば売却の際の消費税も免除(消費税の納税が必要な年に法人に引き継ぐ場合には発生)となる。