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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.8頑張るママを応援したい!
    不安なく働き続けられるサロンを目指して。

Ange Lug/ヘアサロン

東京都豊島区

オーガニック系商材を用いた施術やヘッドスパで大人気。現在6店舗を展開するAngeブランドの一店舗「Ange Lug」。オープン当初から育児支援制度を積極的に進めている、女性スタッフにやさしいヘアサロンでもあります。
取り組みに力を入れる理由は?導入後のメリットは?ブランドの生みの親である副社長の登坂さん(左写真、右から2番目)にお話を伺いました。

1取り組み

希望に沿った勤務シフトで、育児中も働きやすく。

どんな勤務体制?

 ママスタイリストの希望通りに働ける、完全フレックス制。月末までに翌月の勤務シフトを提出してもらうが、出勤日数や出勤曜日、出勤時間ともすべて、個人で調整できる。
 また、取り組み2で紹介する通り、フォロー体制の強化にも努めている。子どもの熱などによる急な欠勤時も、お客さまにご連絡を入れるのが困難な場合は他のスタッフが丁寧に対応。復職後も不安なく働ける環境を整えている。

メリットは?

 「育児と仕事を両立させたい」と考えるママスタイリストの復職へのハードルを下げることができ、戦力であるベテランスタイリストの確保につながっている。また、「長く働ける環境を提供したい」との想いを強く持っている同サロン。出産後も無理なく働き続けられることを体現してくれているママスタイリストは、若い女性スタイリストのよきお手本となってくれている。

昨年8月に長男を出産したスタイリストの中口さん(写真右)も、時短勤務で育児と仕事を両立中

昨年8月に長男を出産したスタイリストの中口さん(写真右)も、時短勤務で育児と仕事を両立中

2取り組み

スタッフ間の連携をより強固にする、交流の場を用意。

どんな取り組み?

 食事会や忘年会を開催したり、スタッフで旅行に行くなど、コミュニケーションの機会を増やすことで、スタッフ間の理解が深まるようにしている。また、休職中のスタイリストと連絡をこまめに取り合い、サロンへ遊びに来てもらうことも。ママスタイリストを大切に考えるサロンの方針を、みんなに示すことにも努めている。

メリットは?

 コミュニケーションの場は、ママスタイリストへの理解が深まる場にもなっており、復職しやすい環境づくりに効果を発揮。ママスタイリストが急遽欠勤などの際も、お詫びのご連絡を入れる、勤務シフトを調整するなど、しっかりフォロー。他のスタッフたちがお客さまへのご迷惑を最小限に抑えるべく積極的に動くことで、サロン全体でママスタイリストをサポートする体制が自然とできあがっている。

スタッフ全員が毎年楽しみにしている忘年会。互いの絆を深められる場となっている

スタッフ全員が毎年楽しみにしている忘年会。互いの絆を深められる場となっている

3取り組み

お金の悩みを保育料一部負担でサポート。

どんな制度?

 スタッフの多くは、売り上げに応じて報酬が決まる業務委託を選択。そのため、これまでのような働き方が難しい復帰後は報酬が下がることが多く、出産後の働き方に不安を抱いている女性スタッフも多かった。そこで、安心して働いてもらえるよう、保育料の一部を負担することでサポート。保育費用の20~50%(上限3万円)をサロンが負担することとした。基本、負担費用のパーセントは出勤日数に伴うが、復職前に売り上げ実績があるなどの場合は負担費用を上乗せ。短時間勤務のスタッフもよりフォローできるような仕組みを整えた。

スタッフの反応は?

 現在、北海道の店舗で働く女性スタッフが、都内で働いている際に第1号として利用。このとき、同スタッフから、「できるだけ長時間働きたい」との相談も受けていたため、自ら同サロン周辺の保育所を探し、預けられるようお願いした登坂さん。無事、入園できて、「制度を目いっぱい活用しながら、効率よく働けてうれしい」と、とても感謝されたそう。

登坂さん自ら考え、オーナーを1年半かけて説得。今年4月、念願の導入となった

登坂さん自ら考え、オーナーを1年半かけて説得。今年4月、念願の導入となった

4取り組み

技術力アップが狙える講習会を実施。

どんな取り組み?

 お客さまの満足度と客単価アップのために、整頭術を取り入れたヘッドスパをメニューに追加。お客さまの間ですぐに人気となり、スパ技術を持つスタイリストは、短時間でより高い報酬を得られるようになった。整頭術の技術は、長時間働くことが難しいママスタイリストにとってはもちろん、他のスタッフにとっても、自身の価値を高める「強み」となっている。

この取り組みが生まれた背景は?

 「時間のやりくりが難しい中ではありますが、ママスタイリストこそ努力して、短い時間の中でよりお給料を増やせる方法を身に付けてもらいたい」と登坂さん。価値の高い仕事をしてもらい、長く活躍できる強みを身に付けてほしいとの想いから、メニューを考案。登坂さん自身、整頭術インストラクターの資格を取り、スタッフに向けて講習会を開いている。現在、インストラクターの資格を持つスタッフは7名、取得を希望するスタッフは3名と、サロン内の反応も上々。前向きにチャレンジするママスタイリストの輪を広げている。

登坂さん自身で専用シャンプー台を購入し、サロンに設置。強みを身に付けてもらうべく、力を注いでいる

登坂さん自身で専用シャンプー台を購入し、サロンに設置。強みを身に付けてもらうべく、力を注いでいる

副社長インタビュー

副社長の登坂さおりさん
月に約120名の指名顧客を施術しながら、自身の信念を形にしたヘアサロン「Ange」ブランドを運営。今年4月、6店舗目となる沖縄店をオープン。 「ママスタイリストのフォローに対するスタッフの協力に、とても感謝しています」

Q. 女性スタッフの育児支援制度に力を注ぐ理由は?

A. 「女性スタッフを応援したい」との想いが原動力です。

 周りの友達が楽しく遊んでいる20代の頃、毎日くたくたになりながら仕事を覚えてきた女性スタッフたち。その努力を生かし続けられる職場を作りたい、女性スタッフを応援し、その先のたくさんのお客さまを喜ばせたい、そんな思いでAngeブランドを立ち上げました。
 業務委託サロンという形態を選んだのも、自分の時間を大切に考える彼女たちに応えたいから。でも、売り上げに応じて報酬が決まるスタイルは、出産後も働き続けたい女性スタッフにとって不安を抱かせる部分もありますよね。長く働き続けられる場所となるためには、ママスタイリストのための環境を整えて、その不安をできる限り取り除かなくてはいけない。すべては大切な仲間である女性スタッフを応援したいとの想いから生まれた形のひとつなんです。

Q. 実現までに苦労した取り組みはありますか?

A. 保育面のサポートは、形になるまで時間がかかりました。

 実は、保育所を作ろうと思ったことがあるんです。でも、設置の条件が厳しく、会社にマンションまで借りてもらったのですがあきらめることになって。保育料の一部負担という仕組みで保育面をサポートする形に行き着くまでに、約1年半かかりました。
 スタイリストとしてベテランとなる時期と結婚や出産の時期が重なる女性スタッフ。長く働ける環境を整えることは、力強い戦力を得られることにつながり、会社にとっても大きなメリットとなります。ママスタイリストが気持ちよく働けるよう、これからもオーナーと相談しながら、想いを継続して行動し続けたいと考えています。

Q. 出産支援を考えるオーナーの方々へアドバイスをぜひ!

A. 現場の理解を得る努力が何より大事!

 スタッフに理解されないままでは、どんな制度を用意しても、上手く機能しません。私自身、8割が女性の職場ということもあり、スタッフには「明日あなたたちも妊娠するかもしれない。だから、同じ女性としてママスタイリストを理解してほしい」と常々語りかけ、積極的にフォローするよう心がけています。私たち上の者が信念を持って語り、行動する。そうすると、スタッフみんなの考え方や対応も、自然と変わっていくんですよね。理解してくれる同僚が増えていけば、ママスタイリストも働きやすくなり、現場の雰囲気、お客さまへの対応もアップする。さまざまな相乗効果が生まれる結果につながっていると実感しています。

Salon Data

Ange Lug【アンジュ ラグ】

アクセス
JR山手線池袋駅・西武池袋駅東口から徒歩3分
創業年
2010年
店舗数
6店舗
設備
8席
スタッフ数
11名(うちスタイリスト11名)※Ange Lug店
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000229248/
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