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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.2417名のママ全員が、社員のまま希望の働き方を実現!
「母業が第一」企業の時短勤務プラン&協力体制とは?

MASHU ADOBE/ヘアサロン

大阪府東大阪市

大阪市内を中心に、10店舗を展開する「MASHU」グループ。全17名のママスタッフたちは、役員やスタイリスト、レセプショニストなど、さまざまな職種で力を発揮。楽しく子育てしながら、大阪府以外のお客さまも多数訪れる人気サロンを盛り立てています。そんな彼女たちが笑顔で働ける理由とは?二児のママでもある取締役 企画広報部長の前田さんにお話を伺いました。

1取り組み

ママスタッフの事情に対応できるよう、
育休期間の制限は設けず、いつでも復職OKに。

どんな制度?

 育休期間の規定は会社として特に設けておらず、育児休業給付金の支給期限である1歳~1歳半以降も、希望があれば在籍可能。出産後の体調や入園のタイミングなど、育休期間中こまめに状況をヒアリングし、ママの希望を第一に復職時期を決定、受け入れている。
 なお、これまで同制度を利用したママスタッフは、結果的には、最長でも1年~1年半くらいまでには全員復職しているそう。

メリットは?この制度ができた背景は?

 育休期間の期限を設けず、いつまでもママスタッフの戻れる場所を用意している同サロン。ママは、自身で復職時期を決められるので、不安なく復職の道を選び、育休期間を過ごすことが可能。サロンとしても、出産がきっかけの離職を防げるメリットは大きい。復職後、キャリアのある優秀なママスタッフたちは、後輩の教育等、サロン全体の技術力アップに貢献。お客さまの満足度も高めており、利益以上の価値を会社にもたらしてくれている。
 約10年前から実施されている同制度。役員であり、店長でもあった女性スタッフたちが、自身の妊娠を機に制度の道筋を作ったのだそう。「この制度ができてから、妊娠・出産を理由に退職するスタッフが本当に減りました」と取締役企画広報部長の前田さん。サロン側は、定期的にママ同士の交流の場を設けて要望を吸い上げるなど、ママが働きやすい環境づくりにも注力している。

育休制度を活用、現在時短勤務で子育てと仕事を両立しているスタイリストの鈴木さん(左)。レセプショニストの和田さん(右)は、もうすぐ産休・育休制度を利用予定

育休制度を活用、現在時短勤務で子育てと仕事を両立しているスタイリストの鈴木さん(左)。レセプショニストの和田さん(右)は、もうすぐ産休・育休制度を利用予定

2取り組み

勤務日数さえクリアすれば、
正社員のまま、希望の勤務プランが組める。

どんな仕組み?

 月18日以上働く条件をクリアすれば、社員のまま勤務日や勤務時間を調整可能。勤務日数以外には、1日の勤務時間数や出勤すべき時間帯などは設けておらず、「指名のお客さまの有無にかかわらず、週に何日間か勤務」など、サロン側が用意した勤務プランから選ぶことができる。本部勤務のママスタッフには、勤務時間や勤務日を自身で設計できるフリープランも用意。それぞれの給与体系や自分の希望などを考えながら、ママは社員という枠組みの中でベストな働き方を追求できる。

スタッフの協力姿勢と、そのメリットは?

 「女性は母になったら、母の仕事が第一」とのオーナーの考えが現場に浸透しているため、独身のスタッフも積極的にママスタッフをフォロー。ママもそんな環境に感謝しており、サロンのことも考えながら店長と相談し、勤務時間などを決定。スムーズに運用できている。
 「私自身、妊娠したときは役員だったのですが、その後も役職を降りることなく、楽しく子育てしながら仕事をしています。働くママを応援してくれるオーナー、スタッフに心から感謝しています」と取締役企画広報部長の前田さん。前田さん自身も「将来、自分がママになって働くときのためにも、今はママを手助けしてほしい」と若手スタッフたちに常に語りかけ、ママへの理解促進に努めているそう。
 この仕組みは、取り組み1と同様、高い技術・知識を持つ女性スタッフの離職防止に効果を発揮。また、勤務プランと同時に評価システムや給与体制も整えることで、ママの自由度を高めるだけでなく、ママのやる気につながる仕組みとなっている。

育児と仕事を両立させている取締役企画広報部長の前田さん

育児と仕事を両立させている取締役企画広報部長の前田さん

3取り組み

「保育所が見つからず復職できない」
そんな悩みを解決すべく、託児所をオープン。

どんな取り組み?

 サロンの規模が大きくなるにつれ、地方出身のスタッフが増加。「親が近くにいないので子育てのサポートを受けられず、思うように働けない」というママスタッフが増えてきた。また、早期の復職を希望するも、保育所が見つからず困っているケースも。これらの悩みを解消すべく、今年8月に託児所「まっしゅるーむ」をオープンさせた。

メリットは?

 託児所ができたことで、ママスタッフがグンと働きやすい環境に。保育時間は9時からなので、11時のサロンオープン前に子どもを預けて出勤できる。グループ全体では7名が、「毎日」「週2日」「困ったときだけ」など、個々に合った方法を選んで利用中。一時保育はもちろん、月単位の場合は子どもの年齢や預ける時間によるが、どちらも低価格で利用できる仕組みとなっている。ママスタッフたちの「子どもの預け先がない」という悩みを解消し、早期の復職に力を貸している。

「MASHU ADOBE」と同じ東大阪市内にあり、ママスタッフの送り迎えもスムーズ

「MASHU ADOBE」と同じ東大阪市内にあり、ママスタッフの送り迎えもスムーズ

取締役インタビュー

取締役 企画広報部長の前田晴代さん。
10店舗を展開するMASHUグループの経営に携わりながら、ブランディングや商品開発など、企画広報部長としても活躍。5歳&8歳の二児のママ

Q. ママ支援の取り組みを積極的に進める理由は?

A. 女性スタッフたちに一生輝き続けてもらいたいから。

 「MASHU」はもともと、「life with MASHU」という企業理念のもと、お客さま・社員と一生のお付き合いができる企業を目指しています。だから、女性スタッフが妊娠・出産で離職することがないよう、ママ支援の取り組みを進めることは必然なんですよね。
 それに、「これまでかんばってきてくれたスタッフたちに報いたい」という強い想いもあります。出産・子育ての時期にキャリアが絶たれてしまうと、子どもが巣立って再び活躍しようとしたときに「お客さまがいない」「自分に強みがない」ということになってしまう。大切なスタッフたちにそんなつらい思いをさせないためにも、子育て中も活躍できる仕組みを提供したいと考えています。

Q. 今後、女性の活躍に関して取り組みたいことは?

A. ママと一緒に店販商品やメニューを作り出したい。

 現在、20代向けや30代向けなど、お客さまの年代別にサロンを展開し、さまざまな方にご満足いただけるよう取り組んでいます。年代ごとに異なるお客さまの声に応えるには、若手からベテランまで、多様なスタッフが必要不可欠。働き方の希望や環境は人それぞれですが、ママになっても全員が一生働き続けられるよう、常に仕組みを改善していきたいと考えています。
 また、企画広報の立場からいうと、ママスタッフだからこそ生み出せる「商品」や「美」を一緒に作り出していきたいと思っています。ママであるお客さまに向けた店販商品やヘアケアメニューの開発、ヘアスタイルの提案など。働きながら子育てすることは楽しいと知る彼女たちとともに、お客さまに新しい価値をお届けできたらうれしいですね。

Salon Data

MASHU ADOBE【マッシュ アドベ】

アクセス
近鉄奈良線八戸ノ里駅から徒歩1分
創業年
1989年
店舗数
10店舗
設備
15席 ※MASHU ADOBE
スタッフ数
16名(うちスタイリスト7名、アシスタント8名、レセプショニスト1名)※MASHU ADOBE
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000182113/
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