第2章スピード施術で生産性100万円
「10分/1,500円のサロンが隣にできた時
なぜうちは、時間をかけているのだろう?と」
早期デビューだけではなく、サロンワークにおいてもスピードを重視されているとか?
「ハイスピード・ハイクオリティ」を掲げて、月間生産性100万円、平均客単価1万2,000円超を実現しています。スタッフ3名/3席で、月600万円を達成した店舗も。
たとえば、カットにプラス、カラー・パーマ・スパのいずれかを足して、1時間で2メニューが可能です。
生産性を意識した、きっかけは?
1店舗目を出してすぐの頃、隣にカット「10分/1,500円」のサロンができたんです。うちは当時、シェービング込で「1時間/4,000円」。隣は10分でやっている、コンテストのカットも10分でできるのに、なんでうちは時間をかけているんだろう…と。そこで、「時間単価」という考えに気づかせてもらえました。
ある日、お客さまに「遅れてしまったので、パーマはできないですよね?」と聞かれて、「できる方法を考えさせてください」と言いました。その方は、東京からわざわざ京都まで来てくれて、このあと家族でお宮参りがある。写真もずっと残るし、なんとかやってあげたい。
シャンプーが終わった瞬間にパーマ剤を塗って、カットして、パーマ液が還元される間にドットを巻いて、流せば30分で終わる。それで、無事に間に合いました。でも、この方法はパーマ液でハサミが傷んでしまうので、ハサミを捨てる覚悟です。
すごいですね。それは特別な場合かとは思いますが、日頃から効率的なオペレーションを徹底しているとか?
僕を含め、スタッフのほとんどが美容師・理容師のダブルライセンスを持っています。セット面のイスはすべて理容室用なので、後ろに大きく倒せる。体を寝かせた状態でパーマを放置している間にシェービングをする「同時施術」ができます。
お客さまにはイスで寝てもらったまま、パーマをつけ巻きにしてワインディングすることも。放置後、その姿勢のまま2液をかければ、ターバンを巻く時間が省けます。それらの積み重ねで、時間単価が1万円を超えました。
いろいろな工夫で、「時短」が可能になるのですね。
お客さまも、「カット+パーマ」が1時間、最速で30分でできるとは思っていないんです。はやくできることをお伝えすると、「やりたい」という方が増えましたね。
施術中に「次回予約」のアプローチも。施術内容がある程度決まっていれば、予約の調整もしやすい。なにより、その日だけではなく次回のスタイル、そして未来の姿をイメージできれば、お客さまがワクワクしてくれます。
「本部」があるとのことですが、こちらも生産性向上につながっているのでしょうか?
現場負担が少なくなるように、現在7名いる本部スタッフが、教育・求人・広報・売上管理・分析などを担っています。あと、たまに僕のグチも聞いてくれる(笑)。
本部が強くならない限り、現場は強くなりません。
本部の存在は、スタイリストのキャリアパスにもつながります。スタイリストとして売上を伸ばすことが難しくなったとしても、本部で「育てる側」にまわることができるからです。