イノベーターが
見ている未来
vol.99
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
ハリウッドブロウリフト/株式会社JULIA IVY
代表取締役社⻑ 福井 仁美さん (age.37)
眉癖改善ブランド「ハリウッドブロウリフト」を、世に送り出した福井さん。創業2期目には年商10億円を達成。かつては人気番組『王様のブランチ』のリポーターとして活躍…という紹介文句も不要なほど、美容業界に新風を巻き起こす存在に。眉毛美容、そして業界全体に抱く熱い想いとは?
・JULIA IVY 公式サイト
第1章眉毛に着目したきっかけ
「共にがんばる仲間をつくるには、
しっかりとした教育しかない」
最初に、福井さんが2020年に立ち上げた「ハリウッドブロウリフト」のビジネスモデルを教えてください。
「ハリウッドブロウリフト」は眉毛(まゆげ)の「生え癖」に着目し、眉毛の毛流れを改善する施術法。私たちはその技術を教育する機能と、使用する商材を開発・販売する機能があります。単に商材を売るのではなく、「ブロウアーティスト」という職業を日本に生み出し、カルチャーにすることが目的です。
たとえばネイリストって昔はかなりニッチな職業だったと思いますが、今は「なりたい職業」として挙げられることも珍しくはありません。そういうふうに新しい職業を作れる機会ってなかなかないですよね。だからこそ、ブロウアーティストを根付かせたい。そのために、教育機関としてブロウアーティストを輩出し、その方たちが活躍できる市場を用意することが目指すところです。
日本ではブロウアーティストというのは聞き慣れない職業ですが、海外では一般的なのですか?
憧れの職業に入るほど知られているんです。私たち日本人は「平たい顔族」なので、まつげを付け加えたり、メイクでメリハリを出すことに力を注ぎがち。でも海外の方は目鼻立ちがもともとクッキリしているので、眉毛で個性やアイデンティティを表現する文化があるのかもしれません。眉毛や歯が整っていると、「品がある」「きちんとした教育を受けている」と評価される傾向があり、ブロウアーティストも非常に需要がある職業。セレブリティーの方たちも、メイクと同じかそれ以上に重要視していて、お抱えのブロウアーティストがいるほどです。
福井さんはかつてテレビの情報番組『王様のブランチ』のリポーターをされていて、その後にエステティックやまつげの美容サロン経営に転身されています。そこから、アイブロウ市場に着目されたきっかけは?
もともと私はアメリカに行くたびに、アイブロウサロンで眉毛を整えることを楽しみにしていました。けれど、コロナ禍になって海外に行けなくなってしまった。いつもプロにお任せしていたので自分ではどうしたらよいのかわからないし、日本で同じような施術が受けられるサロンは見つからない。だったら自分のサロンに導入してみよう、というのが始まりでした。
そして2020年6月に「ハリウッドブロウリフト」をスタートさせて、今年で3年目。現在はどれくらい広まっているのでしょう。
輩出したブロウアーティストは約9,000人。講習は全国の主要都市6カ所で行っていて、東京・大阪は月に各10回、その他の会場はそれぞれ月3回開催しています。1日で終わるプログラムを用意し、すべてオンラインではなく対面形式で行ってきました。
とても教育を重視されているようですね。
教育による技術をともなった土台をしっかりと築かなければ、ブロウアーティストやアイブロウ市場という新しい価値を根付かせることはできません。商材ファーストのビジネスでは、流行ったとしても一過性のもので終わってしまう。そうならないように、きちんと技術があり、眉毛の施術に熱意を持った人たちと一緒に新たな市場を作っていきたい。なので、講習も「オンラインでやってください」という要望を何百回も言われましたが対面にこだわりました。一人ひとりの顔を見て、どういう気持ちで受講したのかをヒアリングして…。共にがんばる仲間をつくるには、しっかりとした教育しかないと思っています。
「眉毛ブームの仕掛け人が語る!
眉毛市場&職業としての可能性。」