店舗展開は続けていきたいですね。目標としては「直営100店舗、グループで1,000店舗」。この数字は、みんなに伝わりやすいから、という理由もあります。「年商何億」だとピンとこないとしても、「100店舗」って聞くと、すごさがわかりやすいですよね。

他社と同じようなサロンを出店しても、パイの取り合いになります。なので、他との違いを打ち出せるような、「新しいモデルの美容室」を見せていきたい。いまはそのためのベースを、しっかり作り込む段階だと思っています。1～2年くらいかけて力をためて、そこから一気にジャンプしたいですね。

詳細は、まだ言えないのですが…。これまでのサロンは新規開店から半年後くらいが損益分岐点で、そこから利益が出始めるというパターンが多かったと思います。でも、初月から利益が出せるならそのほうがいいし、出店もしやすい。それが実現できるモデルを作る計画です。コロナ禍も落ち着いてはきましたが、だからといって元通りになるわけではなく、前とは違う新しい時代に変わっていく。美容室も、新しく変化する必要があると考えています。

そして構想しているモデルの実現には、経営者である自分自身が、発信力と影響力を持つことが重要。SNSのフォロワー100万人を目標に、TikTok（ティックトック）も始めました。いまフォロワーは3万人くらい。約200万人ものフォロワーを持つ若いインフルエンサーに「師匠、教えてください！」とお願いして、試行錯誤しながら発信しているところです。

これも新しい形にしていきたいですね。フランチャイズの仕組みとして出店や経営がしやすいようにいろいろなサポートを用意していますが、お店が軌道にのると「ロイヤリティを払わずに、独立してやっていこうか…」と考えて離れる人も出てくると思うんです。

だから経営はもちろんのこと、人脈が広げられたり、趣味にも活かすことができるようなオンラインコミュニティを作って盛り上げていきたい。参加することでいろんなメリットが得られる場があれば、フランチャイズに興味を持ってくれる人も増えると考えています。

コミュニティを立ち上げるなら、先ほども言ったように、まずは僕自身の影響力が必要。「有名無力、無名有力」という言葉がありますが、以前はあまり自分が表に出ないほうがいいと思っていました。でもいまは、「有名有力」を目指しています。

若くして成功しているって、すごいこと！時代に対応するためには、若い子たちにあやかって、どんどん教えを乞うほうがいいと思っています。そうすれば年齢を重ねても、どんどん成長できるはず。

新しく始めることは楽しい一方、難しい面もあります。だけどそのぶん成功した達成感もあるし、先行者利益もある。1回、2回、失敗したら手を引く経営者もいますが、100回失敗しても101回目に成功するかもしれない。「質より量」。僕は、量からしか、“質”は生まれないと思っています。だからこれからも、チャレンジすることをやめません。