イノベーターが
見ている未来
vol.107
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
「Agu.」グループ、株式会社AB&Company
取締役CFO
駒田 道洋さん (age.35)
業務委託サロン最大手である「Agu.(アグ)」グループが、2024年8月1日、ついに1,000店舗を達成。「Agu.」は、「株式会社AB&Company」代表取締役である市瀬 一浩さんが2009年に創業。2021年11月に、マザーズ(現:東証グロース)上場というビッグニュースも記憶に新しい。1,000店舗を成し遂げた根底には何があったのか。そして次なる目標とは?同社 取締役CFO(最高財務責任者)である、駒田さんの視点からうかがった。
・「Agu.」HP
https://agu-hair.com/salon/
第1章現場の声を大切に
「現場への信頼が
成功のカギかもしれません」
この度は1,000店舗出店、おめでとうございます!偉業を成し遂げましたね。
ありがとうございます。でも私ではなくて、まわりの人がすごいんです(笑)。1,000店舗が実現できたのは、代表である市瀬やFCオーナーさんが、現場で働くスタイリストさんのことを一番に考えて店舗運営していること。そして、スタイリストのみなさんが日々がんばってくれているから。そこに尽きます。
常に、現場をとても大切にしていますね。現在は直営・FCが約半々とのことですが、FCの場合、店舗側における裁量権は、どの程度あるのですか?
裁量権は、結構現場にありますね。会社として一定の舵取りはするものの、メニューの価格や、採用する・しないなども、基本的にはそれぞれの店舗側で決めています。この現場への信頼が、成功のカギと言えるかもしれません。
私は、前職が飲食業界でした。飲食の店舗展開はシステマチックにやるべきで、現場に裁量を持たせることは、ほとんどない。でも、そのセオリーを美容業界に持ってくると、うまくいかないと思います。
それは、なぜですか?
店の屋号より、“スタイリスト”にお客さまがつくのが、美容室の大きな特徴だからです。また、各スタイリストによって打ち出したいヘアスタイルや、内装デザインなど、美容業ならではのこだわりがあることも理解できます。
美容室は、「全国どこの店舗も同じであること=安心・安全」が、お客さまに支持されるポイントではないと思います。そこが、飲食店における多店舗展開との違いでしょうか。
駒田さんは飲食業界の前は、商社、コンサル会社にお勤めだったとのこと。美容業界に、どのようなイメージを持っていましたか?
知り合いの美容師さんからは、「夜遅くまで働いて大変」という苦労話を聞いたことがありました。世間一般的にも、「長時間労働・低賃金」というイメージがあったように思います。
入社前、いろいろなメディアで市瀬のインタビュー記事を読み、“スタイリストファースト”を大事にしていることを知りました。でもどこかで「きれいなことを言っているけれど、本当かな?」と、勘ぐっていたところも…(笑)。
そうでしたか(笑)。そこから、なぜ入社を?
会社の真の姿を知るには、“現場”です。そこで、普通の客として、ある「Agu.」の店舗に行ったんです。担当してくれたスタイリストさんに「正直なところ、どうですか?大変ではないですか?」って聞いたら、「すごくいい会社ですよ!」と。現場の方がそう言うのであれば、きっといい会社なんだろうと思いました。
実際に入ってみて、いかがですか?
「働きやすい会社である」という認識は、今も変わりません。「Agu.」で働いてくださっている方の満足度も高いのではないかと感じています。入社前は、何か“ウルトラC”みたいなものがあって急成長したのかと思っていましたが、実は “想いの積み上げ”で伸びていた。市瀬を含め、FCオーナーさんたちが非常に優秀で、現場の声を大切にしている。泥くさいとも言えるほどの“積み上げ”によって、成長したのだと認識しました。
業務委託サロンAgu.ついに1,000店舗!
スタイリストファーストで、次に目指すは?