第3章1,000店舗出店の先にあるもの
「より多くのスタイリストに選ばれる
グループを目指したい」
駒田さんはCFOとして、今後どのように関わっていきたいですか?
どうやったら、「Agu.」が成長し続けられるか。そのために、何をすべきかを考えていきます。もうひとつの役割は、会社の成長を、解像度を高めて投資家のみなさんに伝えていくこと。
このように、私はあくまで裏方なので…。今回のインタビューに出るのは、非常におこがましいと思っています。
いえいえ!駒田さんのコメントの随所から、市瀬さんへのリスペクトが垣間見えます。ご自身が経営者になるより、経営者を支えたい、という志向が強いのでしょうか?
はい、そのほうが好きですね。経営者というのは、気持ちが強すぎるくらいでないと、いけないと思っているんです。風当たりが強くても、「業界をこうしたい!」という想いを突き通せるような。私も想いはありますが…、市瀬やFCオーナーさんを見ているとあらためて、並外れた想いを持つ人がトップに立つべきだと感じます。
市瀬さんと駒田さんは、お互いを補完し合える、とてもいい相性なのでしょうね。日頃、近くで接している市瀬さんはどうですか?
強い想いを持ちながらも、あまり感情的になることがないという側面がありますね。自分としては仕事がやりやすく、スムーズにものごとを進めることができます。
外部の方から、よく聞かれるんです。「市瀬さんって、本当はどんな人なんですか?」と。“スタイリストファースト”が、きれいごとに聞こえてしまうのか…。入社前の私と同様、勘ぐってしまうのかもしれませんね(笑)。
でも、その“スタイリストファースト”が、現場にも浸透していますね。
現在、業務委託の方が9割以上、スタイリストさんによっては最高年収が1,300万円とか。手厚いですが、待遇面であらたに考えていることはありますか?
PB(プライベートブランド)商品を拡充し、店販をさらに強化していきたいですね。インセンティブを用意することで、スタイリストさんがより稼げる仕組みを構築できれば、さらなる高還元の実現につながります。
美容師さんが持つ素晴らしい“価値”に応じた、報酬を受けられる世界にしたい。…では、そのお金は、どこから出てくるのか?突き詰めて考えると、「Agu.」の場合、やはり多店舗展開になります。
目標の1,000店舗を到達しました。出店の勢いは、今後も変わらず?
年間130店舗ペースで出店してきましたが、このスピードを継続していきたいと考えています。
これは個人的な想いですが、「成長している会社が、社会貢献につながっている会社」だと私は考えます。「Agu.」の出店によって、幸せになるスタイリストさんや、お客さまが増える。あらたに店舗を出すということは、そのぶん、幸せの数も増えていると思うんです。
率直に聞いてみると、駒田さんからはこんな答えが返ってきた。
『確かに、ネガティブに捉えられていた面もあったかと…。
でも、最近は見られ方が変化しているような気もします。
私たちは、常に“スタイリストファースト”を実践してきた自負がある。
また、Agu.で働くFCオーナーやマネージャーのみなさんからは、自分たちの力で変えてきたという自信を感じます。
今回の1,000店舗達成によって、さらに胸を張れる気持ちになってもらえたら、うれしいですね。』