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第2章客単価ではなく、来店頻度

「美容師を長く続けるためには、
常に後悔のない仕事をすること」

写真右にある骨格模型は「骨格補正スパ」で説明する際に使用。黒木さんのパートナーでもある黒木 早苗さんが独自に編み出したスパで、客単価3万円超・リピート率75%を誇るモンスターメニュー

弊社アカデミーのセミナーでお話しされていた「平均客単価9万円」は、センセーショナルでした。黒木さんは、最初から高単価だったんですか?

いえいえ!一時は、カット+カラー+トリートメントを4,980円でやっていたこともあります。でも、店舗を都心に移転した際や、「地肌につけないカラー」を始めた時、トリートメント商材をアップグレードするタイミングなどで、徐々に単価が上がっていきました。

2023年にセミナーに登壇させてもらった時は、平均客単価9万円でしたが、そのあと10万円まで上がり、今は5~6万円くらい。実は少し前から、サロンとして「年間の来店頻度を上げよう」という方向にシフトしたんです。

お客さまにとっても、マメに来ていただいたほうが、きれいな状態を保てます。また接触頻度が増えると早期にロイヤルカスタマーになってもらいやすく、失客しにくい。月1回来店だとすると、1年に12回お会いできます。結果、年間で考えると、ひとりあたりのお客さまからいただく総額は上がります。

なるほど。ちなみに、ホットペッパービューティーアカデミーの調査(美容センサス2024年上期/美容室利用者)によると、年間利用回数は女性で平均4.31回。「年間12回」というのは約3倍。そう考えると、すごいですね。

CHARLES DESSINにいらっしゃる新規のお客さまのほとんどは、ほかのサロンで縮毛矯正を失敗してしまったり、強いクセ毛で悩んでいる方々。改善するために、できることをすべてやるので、1回目で効果を実感してもらえます。メンテナンスとしてトリートメントや骨格補正スパも大事なので、そういった比較的気軽にできるメニューも間に挟みながら、2週間に一度、来てくださる方も。

僕の予約は早くに埋まってしまうので、それらのメニューは、ほかのスタッフに担当してもらうことが多いです。

スタッフの平均客単価も、高いのですか?

いちばん高いスタッフで4万円、低いスタッフで2万円くらいです。美容室は、売上が高いスタッフがひとり辞めてしまうだけで、経営危機に陥ってしまうことがありますよね?仮に人気があるスタッフが辞めてしまったとしても、サロン全体で、大丈夫な状態にしておかないといけないと思います。

CHARLES DESSINはスタッフの方もセミナー講師で活躍するなど、心強いですね。
黒木さんもセミナーで引っ張りだこですが、「年間個人売上」はどのくらいになりますか?

サロンワークのほか、セミナー、メーカーさんへのコンサルなどを含めると、年間4億円超です。

すごすぎます!(笑) すべてにおいて極める印象があるので、その結果なのでしょうか。

気になることがあると、もやっとしたまま終われないんです。商材開発でも、メーカーさんに「なんで、この成分を入れたんですか?」と細かいことまで聞くので、「ややこしいヤツ」と思われているでしょうね(笑)。

専門知識が増えると、メーカーさん側の深い知識を持つコアな人たちとお付き合いができます。そこから、原料をつくっている責任者の方につながったり…。

そうやって成分に詳しくなると、美容師として「やってはいけない施術」「使ってはいけない薬剤」も、わかります。「カラー剤を地肌につけない」ということを15年くらい言い続けているのも、そこから。「お客さまを守ることは、自分を守ること」。長く美容師を続けるためにも、知識を持つことは大事だと思います。

「カラー剤を地肌につけない」というサロンは少ないように思いますが、難しい技術になりますか?

テクニックは必要ですが、1日講習を受ければ誰でもできると思います。ただ、施術時間がかかるんですね。地肌から塗ると、早ければ3分。でも、地肌につけないように塗ると、17~18分かかる。目の前のことだけを考えると、導入しづらいのかもしれません。

黒木さんのお客さまは、10年・20年と通い続けてくださる方が多いとのこと。その方々の髪の状態は、いかがですか?

これはね、同年代の人に比べて、圧倒的にきれい!僕も思いますし、お客さま自身もそう感じている。 まわりの方にも、褒められるそうです。

長く支持されるのは、「技術」はもちろん、弊社セミナーでも披露してくださったようにカウンセリング・提案といった「接客」部分も大きいと思います。

ありがとうございます。美容師をしていて、めっちゃしんどいのは、お客さまとの別れ。VIPだと思っていた方が、急に来なくなってしまうこともあります。僕は会いたいと思っているけれど、会いに来てくれない。昔はそういったことがあると、毎日のように思い出しては、すごく落ち込みました。でも、今は落ち込まない。もちろんゼロではないですが…。

それは、常に全力でお客さまに向き合っているからです。「もしかしたらあの時、一瞬手を抜いてしまったのか?」と考えてしまう余地をなくす。美容師を長く続けるためには、後悔のない仕事をしないといけません。

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