美容の未来のために、学びと調査・研究を

美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

第2章目標を設定しなくても、高い売上を実現

「スタッフに数字は追わせない。
その代わり、施術時間は絶対に守る」

30代~40代女性をメインターゲットとし、頭皮髪質改善メニューなども提案している

先ほど月間売上1,000万円を超えたスタイリストさんがいるとのお話がありましたが、平均すると一人あたりの売上はどれくらいでしょう。

2024年12月は、美容サロン全店舗(ヘア・エステ・アイ)で、スタッフ一人あたりの月売上平均が231万円を超えました。うちは売上目標というものは置いていませんが、12月は一年間の総決算、通知表みたいなものだからがんばろう!ということで、前年を超えられるようにみんなで店販にも力を入れた結果です。

売上目標は決めていないんですか?

そうなんです。スタッフは「生産性」という言葉もあんまりピンときていないかもしれません。もちろん人によりますが、「売上」「生産性」とか数字ばかり言われると、うっとおしく感じる人も多いと思うんです。なので「数字を追わせない」ことを大事にしています。

それでも、売上=生産性が高くなるものですか?

結果を出してもらうために、ルールは決めています。それは「お客さまの時間を無駄にいただかない」というもの。たとえばお会計が2万円だとして、2時間で終えるか3時間かけるかで生産性は変わりますよね?だから「この施術なら何時間以内」と決めて、必ず守ってもらいます。

うちのターゲットは30代~40代の美意識が高い、バリバリ仕事をされている方や子育て世代の女性。お客さまは忙しい日々の合間に来店してくださるので、ずるずると美容サロンに時間をとられたくないと思います。ですから来店時にカウンセリングをして、「では本日はこのメニュー、お会計は合計2万円で、お時間は2時間いただきます」とお伝えすることをマニュアル化しています。何時に終わるのか、結局いくらかかるのかが明確にわからないと、癒やしの時間になりません。

最初にハッキリ伝えるのですね!ただ、カットひとつとっても、かかる時間はスタイリストによって違いますよね?

私は美容師ではないので、技術面での口出しはできません。共同代表の佐藤や各店舗の店長が見て、カットなら基本的に10分以内に終えるように指導します。

人それぞれにこだわりもありますが、「時間を無駄にいただかない」ことの大切さを伝え、そして実際の手技を見て「この部分は不要」というようなことを指導していくと、みんな速くなる。そのようにルールさえ決めたら、売上は自然と伸びます。

高単価なお客さまが多い点も生産性の高さにつながっていると思いますが、その秘訣は?

メニューをいかに複合させるか、ですね。忙しい世代の方をターゲットにしているので、約2時間でいかに“美”を追求してさしあげられるかがポイント。たとえばカット・カラー・トリートメントで2時間。それを軸にして、時間を長引かせずにできることを提案する。アクセントカラーを入れるなら追加時間はさほどかかりません。あとはカラーの放置時間にまつエク(まつげエクステ)を提案するなど。そうすると、お客さまも「2時間でまつエクまで!」と喜んでくださいます。

お話を聞くと、他店でもできそうに感じます。けれど、実際にできているサロンは少ないように思うのですが、その違いは何でしょう。

席数に余裕があるサロンさんだと「2時間で終わる予定だけど、お客さまが遅刻することを見越して2時間半の時間を取っておこう」とするかもしれません。それが生産性を低くします。うちは美容室の場合、全席が半個室で1店舗に4席しかないんです。2時間後に次のお客さまが来るから、何としても時間内に終えるしかない。

そうやってサロン側が時間を厳守すると、お客さまも来店などの時間を守ってくださるように思います。

時間を無駄にしないことが、稼働率の高さにつながっているわけですね。あと、リピート率を高めるために工夫していることはありますか。

忙しいお客さまをターゲットにしているので、「自分だけの自由時間はあまりないだろう」という仮説を立て、サロンにいる間はカフェ気分で寛げるように無料のドリンクを30種類くらい用意しています。そしてカラーなどの放置時間はお客さまが寛げるように、お声かけをしません。ドライヤーも丁寧に優しくする。クロスのつけ方とか、ちょっとした部分もマニュアル化して、お客さまが「このサロンはなんか違うな、いいな」と記憶に残るサービスを心がけています。

  • 三重県桑名市にある「Capullo.Beau(カプロ ボゥ)」は、医療提携のトータルビューティ―サロン。人気のアイブロウのほか、痩身、フェイシャル、ヘッドスパ、頭皮のスカルプケア、フェムケアと多彩なメニューが揃う

  • 自社開発ブランド「SIN」では、ヘアケアやコスメ商品を展開。スタッフ自身もほれこんだ商品をお客さまにオススメするので、店販の売れ行きも好調

123
業界TOPインタビューの記事一覧へ

おすすめの記事

注目の動画

連載記事ARTICLE

  • 新着
  • ランキング

動画ランキングMOVIE

ホットペッパービューティーアカデミーに
会員登録をして、
美容サロン経営に役立つ動画
を見よう!