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女性が活躍するサロン100

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを、100サロン紹介していきます。

vol.63店長、副店長ともに時短ママ。
新潟カリスマサロンの工夫と強みとは?

SNIPS CAOS

新潟市中央区

新潟から常に最新のトレンドを発信し続ける「SNIPS」。全スタッフ60名中ママが8名。グループの中でも「SNIPS CAOS」は、店長・副店長ともママスタイリストです。オーナーの由藤さんは「ママスタイリストである前に、コンテストで優勝するとんがったデザイナー集団でありたい」と語ります。優秀でありながら、しなやかに自分の人生を生きる女性たちを、どう育てているのかお話をうかがいました。

1取り組み

女性のための制度は、女性スタッフ自身に考えさせる。

どんな取り組み?

 「SNIPS」で初めてのママスタイリストは「CAOS」の店長・杉浦志穂さん。妊娠の報告を受けたとき、由藤さんは「男のオレにはわからないから、杉浦の希望で産休とか自分で決めていいよ」と伝えたそうだ。杉浦さんを信頼し、期待しているからこそ言えた言葉だ。前例がなかったため、杉浦さんは自分自身で一般的な制度などを調べて、自身の産休の取り方を決めて報告。
 杉浦さんの出産以降は、ママスタイリストが続々と増えたため、5年ほど前に幹部合宿で有給や育休の在り方を検討し、制度化した。「日・祝の出勤は自己判断で決められる」「未就学の子どもの病気休暇は、法定の有給休暇とは別に、上限なしで有休として取得できる」など、幹部合宿で多くの女性のための制度が決められ、発信された。

なぜそうした?メリットは?

 由藤さんは、一緒にサロンを盛り立ててきた仲間には、ずっと仕事を続けてほしいと考えている。けれど男性の立場では妊娠・出産に臨む女性の体調のことなどはわからないため、「本人が無理なく続けられる方法を選んでくれればいい」と考えたそうだ。杉浦さん以降に制度化したのは、「経営者は社員の人生に貢献しなければならない」という想いがあったからだ。従業員満足(ES)を高めた結果、「子どもを産んでも辞めないことが当たり前」の風土になった。

ママスタイリスト1号の杉浦さん。「CAOS」には他にも2名のママスタイリストがいる

ママスタイリスト1号の杉浦さん。「CAOS」には他にも2名のママスタイリストがいる

2取り組み

女性店長の産休・育休中には代理の店長はたてず、若手が成長するチャンスととらえる。

どんな取り組み?

 杉浦さんが産休に入るときに、由藤さんは杉浦さんを店長からおろさず、代理の店長もたてなかった。杉浦さんはその後2人目の子どもを産んだが、そのときも全く同様だったそうだ。

背景とメリットは?

 「店長の役割は時間をサロンに預けることではない。いずれ復帰することがわかっているし、スタッフのメンターである杉浦を店長からはずす選択肢はありませんでした」と由藤さん。あえて店長不在としたことで、スタッフたちが杉浦さんの復帰を心待ちにするムードが生まれたそうだ。杉浦さん自身にも、店長としての責任と自覚が今まで以上に増すきっかけとなった。
 また、「人が育つチャンスだと思いました。組織では重要人物がひとり抜けると4人育つのです」(由藤さん)。店長の復帰が前提のため、完全な権限委譲ではないが、「仮委譲」という形で「責任を負うとはこういうことだ」という景色を見せることができ、若手の経験値が上がった。

「CAOS」のメンバーたち。店長と副店長が時短勤務のママスタイリストのため、夜は若手が責任を持って店長の代わりを勤めている

「CAOS」のメンバーたち。店長と副店長が時短勤務のママスタイリストのため、夜は若手が責任を持って店長の代わりを勤めている

3取り組み

産休前に引き継ぎノートをつくり、お客さまの情報を細かく伝える。

どんな取り組み?

 女性スタッフが産休に入る際、ノートを使って丁寧に引き継ぎをしている。ノートにはカルテ情報だけでなく、施術の仕方の好みや、会話に役立つことなど、お客さま一人ひとりの細かな状況まで書かれている。

きっかけとメリットは?

 ママスタイリスト1号の杉浦さんが1人目の子どもの産休に入る際は、引き継ぎノウハウがなかった。そのため、きちんとした引き継ぎができず、月に200人いた指名が復帰後に半減してしまったそうだ。その反省から、2人目の産休の際には、引き継ぐスタッフはお客さまの希望を優先。チーム体制にしてノートで細かくお客さま情報を共有した。それにより、復帰後は多くのお客さまが戻り、引き継いだ後輩の指名を続けることはあっても、店からお客さまが離れることはほとんどなかったそうだ。それ以来、サロン全体で引き継ぎノートを共有している。

ノートに書かれている通りに施術・接客をすれば、スムーズにお客さまに対応できるようになっている

ノートに書かれている通りに施術・接客をすれば、スムーズにお客さまに対応できるようになっている

4取り組み

スタッフ全員の働き方の多様性を認め合い、助け合える組織をつくる。

どんな取り組み?

 杉浦さんを始め、店長などの役職がつくスタッフでも、ママスタッフの場合は時短勤務をしている。ママ以外でも、休みをきちんと取りたいスタッフもいれば、仕事が好きで長時間勤務もいとわないスタッフもいる。「私個人はずっと働いていたいタイプ。経営よりずっと現場で接客していたい。でもそれが正しい働き方ではなく、自分が『好き』なだけ。いまはスタッフの働き方の多様性を許容する組織でなければ生き残れないと思います」と由藤さん。働き方は報酬に反映されるが、ママスタッフのように家庭の都合で急な早帰りをするスタッフを助け合う風土ができているという。

すぐにスタッフの理解を得られた?

 ママスタッフが誕生した当初は、早帰りすることに不満を持ったスタッフもいた。けれど由藤さんは「スーパーポジティブビームで跳ね返しました(笑)。『大変な人を支えることって人として素敵だよね。そういうサロンって洗練しているよね』と伝えれば、みんな素敵になりたいという想いから浸透していきました」と語る。

「ママスタッフの存在が会社を活性化させる」と語る由藤さん

「ママスタッフの存在が会社を活性化させる」と語る由藤さん

オーナーインタビュー

オーナー・由藤秀樹さん。神奈川のサロン勤務を経て1998年に故郷の新潟で開業。国内にとどまらず、アジアの理美容の発展に向けて精力的に活躍中

Q. 女性店長が、産休中や復帰後の時短勤務でも店長のままというのは、異例なことだと思います。 なぜそうされたのですか?

A. 産休だからといって店長でなくなることの方がおかしいと思います。

 そもそも杉浦を店長にしたのは、彼女が店長としてふさわしいポテンシャルを持っていたからです。この先若手が育ってくれば変わることもあるかもしれませんが、現時点で「CAOS」の店長であるべき人材は杉浦であり、その役目を果たしています。もちろん、産休中は副店長が店長の役割を担っていた部分もあります。しかし、産休前の現状で、スタッフをフォローし育てるという役割を全うしていた人材に対して、産休中や時短が店長の肩書きをはずす理由には全くならないと思います。

Q. 働き方の多様性を受け入れたり、女性のための制度を柔軟にすることは、理想的です。でも、経営として難しい部分もありませんか?

A. 変化の激しい時代に対応できなければ、経営は続けられません。

 バブルが崩壊して以降、経済環境はもちろん、働く人もお客さまも変わっています。働いた時間の長さで仕事の価値をはかる時代ではなくなってきている中、個々のスタッフが持つ才能のどこをどう伸ばすのかが、経営者に突きつけられた課題だと思います。多様性を受け入れたり、制度を柔軟にするには、強い組織で常に売上げを上げていなければできません。そのためにも、スタッフには、「働き方は多様でもいいけれど、基本のスタイリストとしては強みを持っていなければならない。普通ではダメだ」と言っています。他のサロンではできないデザイン力、技術力を持った集団だからこそ、多様性も受け入れられるのです。

Salon Data

SNIPS CAOS【スニップス カオス】

アクセス
JR新潟駅から徒歩3分
創業年
1998年
店舗数
4店舗
設備
16席(SNIPS CAOS)
スタッフ数
11人(SNIPS CAOS)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000079573/
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