ランウェイレポートのつもりで訪れたはずが、その先に予想もしなかった壮大な構想に出会った。緻密に描かれた未来を、ぜひ最後まで感じてほしい。
美容室が、ランウェイに!?
ヘアサロンを中心に、国内外でグループ合計14店舗を展開する「NORA(ノラ)」代表・広江一也氏が、アパレルを始動!2026年4月13日(月)、ユニセックスウェアブランド「STRAIGHT EDGE(ストレートエッジ)」初となるコレクション、『26-27 Autumn&Winter Collection “ORIGIN”』ランウェイショーを開催。3部入れ替え制+パーティーで、約700名の招待客が集った。

コレクションの会場は南青山のNORA。鏡やコンセントといった“ヘアサロンらしさ”を装飾で覆い、照明を変えたら、空間の雰囲気が一変!天井の高さを生かすため、広江氏も自らハシゴを使って、上部まで装飾を施した
『ファッションのワクワクを、忘れてしまった大人たちへ』

(左)ヘアサロンを運営するNORA、アパレルのSXE、両代表を務める広江氏。(右)ブランドの象徴である“存在しないデザイナー!?=XENØ(ゼノ)”。人間社会の価値観が生まれる以前にいた「恐竜」は、既存の枠組みにとらわれないスタンスを表す
なぜ今、アパレルを立ち上げたのか。広江氏にその背景を聞いた。
ーーSTRAIGHT EDGEは、どんな人に向けたブランドですか?
大人になると、仕事や家族の優先順位が高くなり、ファッションが置き去りになってしまいがちです。ファストファッションもいいけれど、ワンランク上の服を体験することで、洋服にワクワクドキドキしていた頃の気持ちを取り戻してほしい。STRAIGHT EDGEは、そんな大人のためのブランドです。

コンセプトは『時代と戦う服』。ポケットやベルト、ループなど、ミリタリーウェアの機能性から着想を得て、現代の都市生活の中で“戦う”ためのストリートウェアとして再構築
ーーブランドのライン構成を教えてください。
定番アイテムを展開する「コアライン」と、「コレクションライン」の2軸で構成しています。コアラインは4月3日からオンラインで展開を開始。ファッションから少し遠ざかっている大人の方でも、ベーシックで買いやすいものを。今回発表のコレクションラインは、クリエイティブを追求する人に向けています。
ーー価格帯は、どのくらいですか?
コアラインは、キャップが7,000円台、Tシャツやパーカーは1万円前後~2万円台。いずれも素材面にもこだわり、日常使いの中でもクオリティを感じられる仕上がりです。
コレクションラインは、デザイン面においてブランドの最上位に位置づけられ、Dリング(金具)やリベット(金属の留め具)といった細部のディテールに至るまで徹底的にこだわりながら、素材においても高い品質基準で選定。トップス・ボトムスは5万円前後~、アウター類は10万円~くらいで、小物類はもう少し手に取りやすい価格帯に設定しています。

ウェアを中心に、キャップやバッグ、シューズ、ソックスと幅広いラインナップ。大切にしているのは、機能美と着心地の良さ。何度もサンプルを作り直し、納得のいくクオリティに仕上げた
価格帯の第一印象は、正直、「高くて手が出ない」——しかし、間近でアイテムを見ると、上質な生地ならではの風合いと、裏地やポケットなど細部にまで妥協のないつくりに圧倒される。商品というより“作品”と呼びたくなる完成度に、「ちょっと無理しても欲しい!」という気持ちに変わった。
エコーチェンバーの壁を、ブチ壊そう!
ーー今日の来場者は、アパレル関係の方が多いのでしょうか。
アパレルの方もいますが、多種多様な業界の方々が来てくださいました。
我々が掲げているのは、『エコーチェンバーの壁をブチ壊そう!』。エコーチェンバーとは、SNSなどで自分と似た価値観の人の情報ばかりが届く、いわば“閉じた環境”のこと。そういう今の時代だからこそ、コミュニティや業界を越えて、みんなで一緒に何かをやれば、もっと面白いエネルギーが生まれるんじゃないか。そのカルチャーをつくりたいと思ったんです。

ショーの後に行われたパーティー。壁に飾られているのは西野亮廣さんのイラスト。NORAでは『えんとつ町のプペル』に登場する、煙突掃除屋の少年・ルビッチにフォーカスした個展『ルビッチ展』を、2026年5月2日(土)まで開催中
業界を越えた、表現者たちの“アベンジャーズ”

ーー西野亮廣さんを、STRAIGHT EDGEのチーフ・ナラティブ・オフィサー(ブランドの思想やストーリー設計を担う)に迎えた理由を教えてください。
STRAIGHT EDGEのコンセプトは、『時代と戦う服』。今、いちばん時代と戦っている人にお願いしたいとなった時、どう考えても西野さんしかいない。芸人の世界から始まり、絵本、ミュージカル、映画…業界や既成概念と戦い続けてきた存在です。
さまざまな領域の表現者たちが結集し、分野を越えて力を持ち寄る“アベンジャーズのようなチーム”をつくろうと、動き出しました。
西野さんは、元々ファッション業界の人ではないからこそ、「なぜ、こんなことをするんですか?」「それをやる必要はありますか?」という疑問を率直にぶつけてくれる。時に、デザイナーのXENØとバチバチ戦いながらも(笑)、すごくいい相乗効果が生まれましたね。

製作総指揮・原作・脚本を務めた『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜」のプロモーションなどで多忙を極める中、コレクションに駆けつけた西野さん。“自分と関わった人、全員を勝たせたい”という彼の信条が垣間見える

コアラインから「STRAIGHT EDGE×アーティストコラボ」第一弾である、西野亮廣さんのイラストを配したTシャツとパーカーを2026年5月初旬に発売予定(現在は先行予約中)。今後、著名なグラフィックデザイナーやフォトグラファーなど、世界が驚くクリエイターたちとのコラボも控えている
ファッションは、未来を変えられるのか?
ーー現在、販売はオンラインストアのみですが、今後は?
リアル店舗での展開も視野に入れています。日本や韓国、あとは西野さんがブロードウェイで活動されていることもあり、ニューヨークでの展開も見据えています。NORAはフィリピンやタイに店舗があるので、東南アジアにも広げていきたいですね。

ーー新たに、挑戦したいことはありますか?
構想段階ではありますが、事業としてクラウドファンディングを活用し、ファッションと資本主義の関係を、もっとカジュアルにしていきたいです。
あと、もうひとつ。NORAはフィリピンのスラム街の子どもたちに、ヘアカットやヘアメイクを行う活動を、長年続けてきました。西野さんも絵本をプレゼントする支援を行っています。スラム街の子どもたちは、そこに生まれたがゆえに、一生貧困から抜け出せない現実がある。
STRAIGHT EDGEの誕生によって、ファッションという新たなギフトも届けられるようになりました。ファッション、ヘア、エンタメ…そうした体験をスラム街の子どもたちに伝えていくことで、新しい未来をつくることができるかもしれない。そんな世界を実現できたらいいな、と思っています。

コレクションでのヘアメイクは、NORAが全体ディレクションを担当。ヘアは、アーミーの正装を想起させる端正なスタイルをベースに、戦いの中で乱れたようなラフさを。メイクは、XENØの世界観である「恐竜」の目を連想させるディテールを忍ばせた
この4月、美容室ブランド「Sraw(スロウ)」「broocH(ブローチ)」の事業を承継したことでも話題となったNORA。本コレクションでは、同サロンの美容師もヘアメイクとして活躍するなど、早くもシナジーが生まれている。そして、新たに加わったアパレル。業界の垣根を越えたNORAの戦いは、まだ始まったばかりだ。
▶「STRAIGHT EDGE」オンラインストア
★実際に商品を見ることができる「展示受注会」開催中★
(当初、4月13日~4月20日までの予定だったが、好評につき延長!)
■期間:~2026年5月6日(水)まで ※期間中13時~20時
■場所:東京都渋谷区宇田川町23-4 薬 マツモトキヨシ SHIBUYA DOGENZAKA FLAG 4F
(渋谷駅/A3出口より徒歩1分)





















