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第3章すべては技術者のために

「努力を搾取する業界にはしたくない。
だから、うちは価格競争には飲まれない。」

個性が際立つデザインを提案する「ビーナスベルト」は5店舗展開(画像は原宿店)

現場の意見を大切にされていると聞きましたが、どのような取り組みを行っていますか?

毎月実施している、社員アンケートに「社長直行便」という項目を設けて、直接は言いづらいことも声を上げてもらうようにしています。この「社長直行便」、忙しさのあまり返信ができていなかった時期があったんです。その時、あるスタッフから「お忙しいのはわかっていますが、一言でもコメントいただけると嬉しいです」と。速攻で全社員に「返信できておらず、すみませんでした、これからは必ず返信します」と謝りました。

そうやって意見を出してくれるスタッフがいるって素敵なことですよね。会社の風通しがよくなるきっかけになった出来事です。

スタッフの声を受けて、すぐに動かれたのですね。

現場で働くスタッフは、ホットペッパービューティーの口コミチェックをはじめ、お客さまと真摯に向き合い、改善を重ねてくれています。お客さまの声に真摯に向き合っているスタッフに対して、本社やマネージャーが耳を傾けないのは、おかしいこと。だからこそ、私を含め本社メンバーは、現場の声にしっかりと耳を傾けることを大切にしています。

スタッフの声に耳を傾ける姿勢の根底には、技術者の努力や価値を大切にしたいという想いがあるのでしょうか。

当社で働くスタッフは、高い学費を払って美容学校に通い、朝から晩まで練習して、就職後は日々お客さまに尽くしています。私はネイリストやアイリストじゃないからこそ、そのすごさを感じています。彼女たちの技術に対する努力を、お客さまに高く評価をしていただきたい、という想いが根幹にあります。

先ほど、最初から美容業に興味があったわけではなかったと言いましたが、「美容業界が衰退してしまうのは嫌だ」という想いはずっとあります。低価格や効率重視もひとつのやり方なので否定はしませんが、スタッフが一生懸命努力して身につけた技術を安売りするばかりでは、業界が先細ってしまう。

技術者の努力を、搾取するような業界にはしたくない。だから、うちは価格競争には飲まれない。価値を上げる努力をし続け、お客さまに高い体験価値を提供することを突き詰めています。

取材中、「社員旅行で運動会…Z世代スタッフは嫌がりませんか?」と質問をした時のこと。

『Z世代って一括りにすると、そういう見方をしてしまう。
マネージャーも、「みんなこうなんです」と言うことがあるけど、「みんなって誰だよ!」って(笑)。
“森”で見ず、”木”で見る。人ってそれぞれ違うし、
その一人ひとりと向き合わないと、課題は深掘りできない。』

トップの姿勢が、スタッフの主体性を引き出し、お客さまの感動体験を生んでいる。
それが、揺るぎないブランド価値をつくっているのだ。

会社のパーパスや経営方針を共有する「コーポレートブック」。スタッフ全員の心に、ブランドの根を張っている
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