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「バーバー」人気の理由

今「バーバー」が人気の理由

近頃増えている、従来の理容室とは違う新しいタイプの「バーバー」は、なぜ多くの男性ファンを生んでいるのでしょうか?
ターゲティングやコンセプト、強みなどについて探っていきます。

BARBERSHOP SUBARU(北海道札幌市)

バーカウンターがステータスに。
大胆な改装が評判を呼ぶバーバーとは?

札幌市内で1989年から営業を続ける「BARBERSHOP SUBARU」。3年前にオーナーが変わると、約2年の準備期間を経て、昨年8月に店舗を大幅にリニューアルしました。新しい内装のテーマは、「自分がかっこいいと思う空間」。以来、業績は前にも増して上り調子に。思い切った改装を決断した狙いと、好調を裏で支える経営哲学について、オーナーの長谷川潤さんにお聞きしました。

譲り受けた店舗を、満を持してリニューアル。

自分の“好き”が内装のコンセプト。

入り口のガラス窓から店内を覗くと、そこはバーのような空間。ハイスツールを備えたカウンター、その背後の棚にはウイスキーの酒瓶がずらりと並ぶ。看板にはバーバーショップと掲げられてはいるものの、初めてのお客さまの中には不思議な気分になる人もいるだろう。オーナーの長谷川潤さんが前オーナーから店舗を譲り受けたのは2017年。それから2年、昨年夏に満を持して改装するにあたり、長谷川さんが目指したのはスピークイージー、つまりアメリカの禁酒法時代にもぐり営業していた酒場のような世界観。バーバーの中に、なぜかバー。「自分の大好きな空間を作りました。どうせやるなら、お客さまには『いいね!』ではなく『何これ!』って言ってもらいたかったんですよ」と笑う。

  • 外観はバーバーとしての主張を最低限しつつ、シックな印象。窓から中を覗くと、目の前にバーカウンターがある

  • 棚に並ぶウイスキーはどれも本物。水性ポマードなどの販売も行うが、ドラッグストアで購入できない商品に限定する

大人の男性がステータスを感じる空間。

本物のバーかと見紛う空間は、店舗のおよそ半分ほど。カウンター裏の棚に並ぶ酒は本物だが、もちろん実際にアルコール類の提供はしない。それでも改装の際、このスペースにこだわったのは「まず空間を気に入ってほしい」との思いから。理想のターゲットは、30~50代の男性。店内にバーカウンターがある優雅なバーバーは、他と差別化できるだけでなく、その年代の人にとってステータスにもなりうる。また、お客さまの多くは車で来店する。「お越しいただいたからには、ただ髪を切って帰るのではなく、待つ時間も切ったあとも、くつろいだ時間を過ごしてほしいんです」。バーバーとしての格を上げ、しかもお客さまが居心地良く感じるスペース。それがバーを模した空間だったというわけだ。

  • セット面の鏡に映るのは、背後にあるバーの風景。お客さまはバーの中でカットされているような不思議な気分に

  • 店舗の奥には個室を用意。ヘッドスパやプレミアムシェービングのほか、顔そりの女性客が来店したときに利用する

長い付き合いができるお客さまを増やすために。

大切にするのは顔そりとシャンプー。

東京での修業時代は積極的に理容コンテストへチャレンジし、札幌に戻ってからもバーバーバトルに参戦するなど技の研鑽を怠らない長谷川さん。近年人気のフェードスタイルも得意なカットのひとつ。SNSに自分が手掛けたお客さまの写真をアップすると、フェード目当てで訪れる新規客が増えたという。だが、「自分はカットの腕を売りにしているわけじゃない」ときっぱり。なぜなら「スタイリストに切る技術があるのは当たり前」だから。「大事にしているのは、顔そりとシャンプーです」。シェービングもシャンプーも、お客さまが毎日のように自分でやっていること。「自分よりうまいな、気持ちいいな、と感じてもらうことが、次の来店につながると思うんです」。フェードのような若者に人気のスタイルを取り入れつつ、より上の年代にコアターゲットを絞るのも、「バーバーの魅力はカットだけではない」という自分の信念が伝わりやすいと考えるからだ。

  • 細部まで作り込んだバーとは一転、セット面はシンプルで落ち着いたデザイン。床や天井も替えて別世界の装いに

  • 顔そりに使うのは一枚刃のカミソリだけ。T字など家庭でも利用される道具は敢えて使わないのがこだわりのひとつ

お客さまの趣味を知るための仕掛けも用意。

来店していただいたお客さまにはとことんくつろいでほしいと、店内にはコーヒーをセルフサービスで設置している。あわせて、長谷川さんはお客さまとのコミュニケーションも大切にしている。だから会話の糸口を見つけるため、店内にさりげなく仕掛けを用意する。例えば、棚に並べるウイスキーに希少価値の高いものを交ぜておく。ウェイティング用の雑誌は、ファッションや革製品の専門書など自分が好きな分野に限定する。「お客さまが食いついてきたら、しめたもの。確実に話が弾みますから」。今回の大胆なリニューアルで、お客さまの好みが分かれてしまうのは想定済みだった。離れてしまう常連客もいた。「でも、好きになってくれた人とは、きっと長い付き合いができると思うんです」。半年以上が経った今、平日でも予約なしでは入りにくい状況。息の長い繁盛店に向け、出足は好調だ。

  • バリカンを使い、0mmから刈り上げていくスキンフェードにも対応。「美容室とは別のよさがバーバーにはある」と長谷川さん

  • 待合コーナーにはアンティーク調の重厚なソファが。コーヒーはセルフで自由に飲むことができる

オーナーインタビュー

長谷川潤さん。北海道出身。札幌の理美容専門学校を卒業後、東京の理容室に就職。5年間の修業とスタイリスト生活を経て、2012年に札幌の理容室「SUBARU」の店長に就任。2017年からオーナーとなり、2019年8月にリニューアルして店舗を一新

Q.店舗の宣伝ツールとして、何を利用していますか?

A.ホームページとSNS、ホットペッパービューティーです。

利用者の動向データは取っていないのですが、ホットペッパービューティーの営業さんからは「リニューアル後の再来店率がとても高い」と言われています。自分の感覚では、お客さまの口コミで新規客が増えている気がします。

Q.お客さまを取り込むための工夫はありますか?

A.通常は9時~19時の営業ですが、水曜日だけ13時~22時にずらしています。

仕事帰りに切りたい人や、土日は家を空けづらい人に好評です。また、女性スタイリストを積極的に登用していきたいですね。バーバー=男性スタッフというのは固定概念。お客さまの立場で考えると、スタイリストが女性であることのデメリットはない。むしろ、女性の感性はメリットになると考えています。

Salon Data

BARBERSHOP SUBARU 【バーバーショップ スバル】

アクセス
札幌市電西線14条駅より徒歩12分
創業年
1989年
店舗数
1店舗
設備
セット面4席
スタッフ数
2名
URL
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000376980/

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