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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.16正社員・準社員・パート…働き方を選べる!
ママスタッフの活躍を後押しする4つの取り組み。

Daisy/ヘアサロン

福岡県福岡市

2009年に福岡天神でオープン以来、ファッション誌でも数多く紹介されるなど、圧倒的な人気を誇る「Daisy」。長く働き続けられるサロンを目指すオーナー松田さんのもと、2名のママスタイリストを含め、11名のスタッフ全員が輝ける環境が整えられています。そんな「辞めたくないサロン」を叶える仕組みとは?オーナーの松田さんにお話を伺いました。

1取り組み

正社員・準社員・パートの中から
個々の事情に合わせて選べる雇用体系を用意。

どんな仕組み?

 正社員・準社員・パートの中から、ママスタッフの希望と事情に合った雇用体系を選ぶことができる。例えば、時短勤務で社会保障もしっかりと考えるママは、1日6時間勤務の準社員を選択。育児中心で働きたいママは、自由に勤務時間を設定できる時給のパートで勤務。希望の働き方ができるよう、休みたい曜日を含め、柔軟に対応している。この仕組みは、ママ同様、結婚後の女性スタイリストも活用できる。

メリットは?

 現在、既婚の女性スタッフ1名、ママスタッフ2名がこの仕組みを活用。希望の働き方ができることで、優秀な人材の離職を防げている。また、子育て中のお客さまも多く、子どもの話ができるスタイリストがいることで顧客満足度を高めることもできている。
 さらに、現場で輝くママスタッフは、若手の女性スタッフたちが将来を描く際の良きお手本に。結婚・出産後も同サロンで働き続けられることをイメージしてもらえるようになった。

女性スタッフ7名のうち、ママスタッフは2名。1名は産休中、10月に復帰したばかりのスタイリスト 木下さくらさん(写真)は準社員を選択し、子育てと仕事を楽しく両立中

女性スタッフ7名のうち、ママスタッフは2名。1名は産休中、10月に復帰したばかりのスタイリスト 木下さくらさん(写真)は準社員を選択し、子育てと仕事を楽しく両立中

2取り組み

育休期間も、引継ぎ担当者も、
「希望第一」で休職中も安心。

どんな取り組み?

 復職のタイミングは、保育園探しや出産後の体調などにも左右されるため、産休前に決めることは難しいもの。産休・育休中のママとこまめに連絡を取り、希望をヒアリング。育休期間は、個々の事情に沿ってフレキシブルに対応している。
 また、引継ぎ時は、お客さまごとにぴったりの担当者を、ママスタッフ自身が指名。カルテを活用しながら、細かな点もしっかりと引継ぎを行っている。お客さまへの案内は、本人によるご説明のほか、サロンからも全顧客に産休お知らせハガキを送付。お客さまの不安解消とママが復帰しやすい環境作りに努めている。

メリットは?

 産休・育休中に想定外のことが起こっても、復帰時期を臨機応変に対応してもらえるので、不安なく復職の道を選ぶことができる。
 また、お客さまそれぞれの好み・性格に合ったスタイリストに引き継げるので、指名客へのご迷惑・産休中の顧客減少ともに、最小限に抑えることが可能。安心して産休に入ることができ、復職時の不安解消にもつながっている。

産休中のスタイリスト 今村あずささん。オーナーと相談しながら、来年中の復帰を目指している

産休中のスタイリスト 今村あずささん。オーナーと相談しながら、来年中の復帰を目指している

普段からカルテには細かな情報を記載。休職中のお客さま情報もカルテを通して詳細に知ることができるので、復職後もスムーズな接客が可能

普段からカルテには細かな情報を記載。休職中のお客さま情報もカルテを通して詳細に知ることができるので、復職後もスムーズな接客が可能

3取り組み

ママが参加しやすく、早く帰りやすいよう、
練習会・ミーティングは朝に実施。

どんな取り組み?

 結婚する女性スタッフが増え始めた3年ほど前から、就業後に実施していた練習会やミーティングを午前にシフト。基本的に、開店前の9時~11時の中で行うようにしている。始めた当初は、若手の男性スタッフから「朝早いと夜遊びできなくて辛い」との不満の声も聞かれたが、次の取り組み4で紹介しているママへの理解促進を同時に行うことで解消。意義を理解し、前向きな気持ちで参加してくれている。

メリットは?

 既婚女性やママが早く帰りやすいように、また、女性スタッフが暗い夜道を帰らなくてすむようにとの思いで始めた同取り組み。朝に行うことでママも参加しやすくなり、スタッフ間の結びつき・協力体制がより強固なものになるという、うれしい効果も生まれている。また、夜の時間を自由に使えるので、営業終了後にさらに自主練習するアシスタントもいて、成長スピードが上がっている様子。

朝の練習会は、技術向上のほか、ママと他のスタッフとの交流を深める場にもなっている

朝の練習会は、技術向上のほか、ママと他のスタッフとの交流を深める場にもなっている

4取り組み

ママスタイリストへの理解促進をしっかり。
そのほかのスタッフもきちんとフォロー。

どんな取り組み?

 「全スタッフが不安なく長く働き続けられるサロン」を目指しているオーナーの松田さん。日頃からスタッフ一人ひとりとコミュニケーションを取り、ママが働き続けるうえでみんなの協力が不可欠であることを語りかけ、理解してもらうよう努めている。同時に、希望などを丁寧にヒアリング。ママ以外のスタッフにとっても働きやすいサロンとなるよう、柔軟に対応している。

スタッフの反応は?

 ママスタッフのいないオープン当時から、「結婚・出産支援の大切さ」を常々語りかけていたため、産休実施時もみんな自然なこととして受け止めてくれた様子。また、常に各スタッフの希望を吸い上げ、対応している同サロン。ママだけが特別扱いされているわけではないとの認識が浸透しているため、復帰後も雰囲気がぎくしゃくすることなく、積極的にママをフォローしてくれている。

スタッフとの交流の場も定期的に設け、思いを共有。常に話を聞くことを心がけている。写真は、今年の春に開いた新人歓迎会の時のもの

スタッフとの交流の場も定期的に設け、思いを共有。常に話を聞くことを心がけている。写真は、今年の春に開いた新人歓迎会の時のもの

オーナーインタビュー

オーナーの松田秀則さん
福岡有数の人気サロンにて10年間勤務後、2009年に独立&福岡天神に「Daisy」をオープン。ヘアケアからアレンジの仕方まで的確なアドバイスがもらえると、多くの女性客から支持を集めている。

Q. 取り組みを進めるうえで困難だったことは?

A. 苦労はなし。今後も働きやすさを追求し続けたい。

 独立当初から「お客さまにもスタッフにも居心地のいいサロンを作りたい」という強い思いがあったので、働きやすさにつながる取り組みを進めるうえで苦労と感じたことはないですね。ただ、今のサロンは3階に位置していて階段を利用しないと来られないので、お腹の大きなお客さまやスタッフは通いづらいんです。なので、いずれはバリアフリーのサロンを用意したいと考えています。また、ママ支援だけでなく、他のスタッフのために、独立支援の仕組みも整えたい。スタッフ全員が将来を描けるサロンとなるために、今後もさまざまな取り組みを積極的に進めたいですね。

Q. 取り組みを始めたいオーナーの皆さまへメッセージを。

A. 明日からでもできることはあるはず。即、実行を!

 長く働き続けてもらいたいと考えているなら、スタッフの環境の変化に対して、サロンも変化しなくてはいけないと思います。そのためにはまず、スタッフの話をしっかり聞いて希望や状況を把握する。そして、小さなことからでもいいので、できることをすぐに実践することが大切だと思います。例えば、ミーティングを朝に行うとか、ママは少しでも早く帰れるように閉店後の掃除を免除するとか。スタッフと話し合いながら行動すれば、協力が得られ、自然と形になっていきます。女性活躍支援の取り組みを始めて、スタッフが辞めなくなり、顧客満足度も上がりました。ぜひ明日にでも、できることから始めてほしいです。

Salon Data

Daisy【デイジー】

アクセス
西鉄福岡天神駅から徒歩5分
創業年
2009年
店舗数
1店舗
設備
9席
スタッフ数
11名(うちスタイリスト6名、アシスタント5名)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000131632/
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