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第2章誰でも売上が伸びる!?接客ノウハウ

「Z世代はムダなことをしたくない。
まずは先に、“成功体験”を」

独自の接客ノウハウは、どんなきっかけで生まれたのですか?

ある牛丼チェーンのお店で、一人でごはんを食べていた時のこと。店員さんは全員、日本語が話せない外国の方でしたが、「なんでこんなにおいしい牛丼をつくるれるの!?」と。その時、マニュアルがあるから、全国どこでもこの味がつくれるんだな…ってひらめきました。

いくつかのサロンでコンサルティングをしていましたが、再来率は店舗によって全然違う。どの店舗も安定して叩き出すためには、「再来率が高い子たちがサロンでやっていることをマネすればいいのではないか?」と。

そこに長けているスタッフを5名ほど集めて、来店から退店までの様子を動画に撮り、すべて言語化して、何にどのくらいの時間がかかっているかを計って、マニュアル化しました。それが「129項目のノウハウ」です。「新規顧客向け」「既存顧客向け」に分かれているのですが、これを始めたら、すべての店舗で平均化して実績を出せるようになったんです。

マニュアルには、どんな項目が?

みんながやっていた“共通点”を、ピックアップしていきました。「絶対に、お客さまの名前を呼んでいるな」とか、「このタイミングで笑顔になっている」とか、そういったことを言語化して落とし込む。

あとは、スタッフの身なりや、細かいまつげの装着方法、カウンセリング時の言葉遣い、ワゴンはそっと閉めるなど音に気をつけているか…といった、小さいことの積み重ねです。来店から退店まで75分、というのも決めました。

お客さまが「また来たくなる」ポイントは、どこにあるのでしょう?

サロンワークのうち80%のパワーを、「お客さまを理解すること」に使いましょう、と教えています。お客さまって、「かわいくなりたい」という以上に、「コンプレックスをなくしたい」という方が多いと思うんです。ご自身でも気づいていない、潜在的な不安、問題点をいかに抽出するか?それをカウンセリングで導き出して施術すると、「ずっとこういうのをしたかった!」「悩んでいたので、本当にありがとう」という、感動レベルの接客になります。

美容師さんは、前のサロンのカットのクオリティで、今回のモチが決まるとよく言いますよね?前、カリスマ美容師の方に切ってもらった時、「まだ僕が切ったと言わないで」と言われたんです。それは初回だと、まだ前のカットのまとまりにくさが残っているから…と。

それと同じですね。今のまつげの状態で、できることには限界があります。それを事前に知らされていないと、「このサロンは上手じゃない」と思われて、再来にはつながりません。

すごく難しそうですね。

「129項目のノウハウ」をすべて実行すれば、誰にでもできます。人って、「どうしたらかわいく、きれいになれるか?」というのを、尊敬していない人から言われるは、ストレスですよね?ましてや、お顔のことはセンシティブな部分でもあるので、言いにくい。不快感なく伝えるには、自分の意見としてではなく、「原理原則」として伝えると、納得してくださいます。

お顔の黄金比に対して、ギャップがある部分。たとえば「こことここの幅が本来3センチあると美しいといわれていますが、今2.5センチなので、そこを近づけましょう」とか、「お客さまの場合、目はタテではなくヨコにみせたほうがいいですよ」といった具合です。

また、まつげの強度・本数をみて「今後おそらくこういうことが起きます」と、占い師のように伝える。そのために、お客さまのライフスタイルも、しっかり聞きます。

専門知識を持って話すことで、初めて会ったお客さまからも信頼してもらえて、カウンセリングがしやすくなるんです。

そのマニュアルに従えば、誰でも売上が伸びますか?

入社したばかりのスタッフでも、半年で売上100万円が可能です。他のサロンは、スタッフのモチベーションや気合いに頼っている気がします。このノウハウがあれば、それらは必要ありません。

アイ業態自体が、そこまでモチベーションが高い子が集まるわけではない、というのもありました。美容師は比較的、「美容師になるぞ!」という強い想いがある子が多いのに対して、こちらは消去法というか…。「美容師はしんどくて大変だから、アイデザイナーになった」と、面接するごとに言われました。

もちろん、モチベーションは、ないよりあったほうがいい。でも、そこを上げるのは難しいという前提で、モチベーションに頼らない方法を考えたんです。

化粧品ならいつ買っても中身は同じですが、人のサービスは、気分によっても上下する。そこが安定することで、いつも同じサービスを提供できます。昨日、彼に振られようが、プロポーズされていようが、同じ。いつも変わらないクオリティが確約されているからリピートしてくれて、ほかの方にもオススメしてくれます。

129項目を染み込ませるのは、1カ月もあればできます。それも仕組みになっているので、すごくラクなんです。

あとは、どう「定着」させてやり続けてもらうか?これは、「それをやる意味」をセットで伝えることが大切です。その先にあるお客さまの再来率が、自分の収入や休みと、どう連動していくか?それをすることによって、アイデザイナーとして、女性として、いかに人生が充実するか?を伝えます。

現在、スタッフは何名ですか?

21名です。下は20代前半から、上は40代の方まで。大事にしているのは、「対等に話す」こと。「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」と、自分で選択してもらう。「こうしなければならない」とは、言いません。

昭和の時代は、学科として技術を理解したあとに、体で覚える、という感じだったと思います。今は「まず、あなたを成功に導きます。そのかわり、成功したらこれをやってね」と約束する。先に成功体験を体感させたあと、「ほら、こうなるでしょ?」と頭で理解してもらうんです。

特にZ世代は、ムダなこと、損をしたくない世代なので、動機づけを「あと」にしたほうが効果的。「社長の話を聞いておくと得だな。成長するな」という体感を、最初の1~2年でしてもらうと、その後の成長スピードが速いですね。

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