美容の未来のために、学びと調査・研究を

美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

第3章圧倒的に離職が少ないワケ

「私たちはチーム。
“強み”で配属するから、楽しく働ける」

待遇面での特徴はありますか?

月70万円以上の売上があるスタッフには、社員から業務委託になることが多いです。収入は、月23万円を最低保障として、プラス売上に対しての歩合です。

以前は、技術と接客が身に着くと、独立してしまうという課題もありました。独立したい、っていうのは「自由が欲しい」「稼ぎたい」という気持ちからだと思いますが、それを独立せずとも、両方体感してもらうんです。

業務委託に移行したスタッフには、会社が何にどれだけお金や時間をかけているかを公開します。稼いでいるスタッフだと、月70万円以上の収入があるので、独立するよりも今の業務委託のほうがリスクがない、となります。もし、自分の売上が不調だとしても最低限の保障があり、会社から常に新しい情報も入ってくる。

とても恵まれた環境ですね。
スタッフの方とのコミュニケーションで、気をつけていることは?

「何をするか?」よりも、「なぜするか?」という“理由”を伝えることを意識しています。それが、本人の価値観からずれていると、反発精神が出てしまうと思うので。

以前、仕事関連のイベントで私が忙しくしている時、「社長は外ばっかり見て、自分たちに興味がない」と誤解されてしまったことが…。私からすると、そのイベントも、サロンやスタッフのためにがんばってやっていたこと。夫婦関係と似ていますよね。旦那さんが家族のために仕事をがんばったとしても、奥さんは「もっと家にいて欲しい」って思うのと…。

なぜ、私がイベントをするか?それが、あなたたちにどう関係してくるかを、きちんと説明しないと「社長、がんばってください!」とは、なりません。事前に協力を得られるよう、説得ではなく、“納得”してもらうようにしています。

確かに、それは大事ですね。

私たちは“チーム”なので、一人ひとりが大事。スタッフはみんな「私がいないと、この会社は困る」と思ってくれているのでは?「人の会社」ではなく、「自分の会社」という自覚が強い。それは、「責任」を持たせているからだと思います。

決定権を持たせることで、「誰かのお手伝い」ではなく、「自分ごと」になります。「人の仕事」「人の責任」と思っていると、都合が悪くなったら去ってしまう。

先ほどの夫婦の話でも「この人、私がいなくても生きていける」と思ったら離婚になってしまいますよね?お互いが感謝していれば、継続できます。

なるほど。実際に、離職は少ないですか?

離職は、本当にないです。全然辞めないですね。そもそも合わない子だと3カ月以内とかですぐ辞めてしまったこともありましたが、3カ月を超えた子は10年続く、という感じで…。旦那さんの転勤とかでない限りは、ほぼ残ってくれていますね。

「責任」や「決定権」は、どのように持ってもらうのですか?

「FFS理論(※)」に基づき、スタッフを5つのタイプに分けて、所属する部署・責任を配置していきます。バレーやバスケットのように、「チーム」として会社が強くなる方法を考えるんです。

※「FFS(Five Factors and Stress)理論」:人の特性を「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」の5つに分けて、チーム編成にあたり、個々が持つ強みや弱みを客観的に把握する手法

「FFS理論」は、最近注目されていますね!

昔は、みんながスーパーマンにならないといけない、という考えがありましたよね?でも今の時代は、スパイカーはスパイクだけ打っていればいい。リベロもフォワードも同様。その子の“強み”で配属すると、ストレスがなく、楽しく仕事ができるんです。

その配置をするのが、私の仕事。それさえ間違わなければ、会社は存続します。ここだけは「すごいですね」と褒めてもらえますが、逆に言うと、私はここ以外が本当にダメ(笑)。アナログ人間だし、ルーチン化して継続するのが苦手だから、そこは得意なスタッフにやってもらっています。

上下ではなく、横のつながりなんですね。
また、泉さんはオンラインサロンもやっているとか?

技術・接客・スタッフ育成・経営などが学べる「稼ぐ女性の勝ち組オンラインサロン~1年で10年分の変化を~」というサロンを主宰しています(月額:スタートアップ1万5,000円・ステージアップ4万円)。

おもにアイラッシュサロンの女性経営者向けですが、いつも思うのは、「みんな胸が苦しそう」ということ。空気を読んで、飛びぬけない人生、嫌われない生き方を目指しているように感じます。

私は、空気を読まない(笑)。私みたいなのが、一人くらいいてもいいのかなって。まつげと眉毛というものを通して、みんなに勇気を配りたい。

海外に目を向けることもいいけれど、日本は素晴らしい国だし、各々の能力がすごいのに、自分の資産をおざなりにして、人が持っているものに憧れる。

そうではなくて、自分が持っているものを磨いて、宝石にしていく生き方を推奨したい。それを、これからの女性経営者、若い世代に配っていきたいと、僭越ながら思うんです。

中学時代は、バレーボール部に所属していたという泉さん。
この圧倒的なリーダーシップ。「部長でしたか?」と尋ねると、
「いいえ。当時の私は“自分が” “自分が”という感じで、
まったく部長タイプではなかった」とのこと。

人知れず心理学やマーケティング、コミュニケーションを学び、
今は社長=監督として、「ほかの誰かを応援したい」といいます。

泉さんのいう「チーム」とは、自社のスタッフだけではない。
ともに美容業界で闘う経営者、そして女性たち、みなさんを指しているのだと思います。

123
業界TOPインタビューの記事一覧へ

おすすめの記事

注目の動画

連載記事ARTICLE

  • 新着
  • ランキング

受付中のセミナーSEMINAR

動画ランキングMOVIE

ホットペッパービューティーアカデミーに
会員登録をして、
美容サロン経営に役立つ動画
を見よう!