第2章SDGsもマーケティングがあってこそ
「美容室企業だからできる
SDGsにチャレンジしたい」
「SDGs」にも、力を入れているとか?ここ数年、世の中的にも盛り上がっていますよね。
そうですね。ただ、世の中に出てきたから取り組んでいるというよりも、創業当初から大切にしてきたことが、自然と「SDGs」という言葉に当てはまったという感じです。
僕たちは、美容室企業だからこそできるSDGsに、チャレンジしたいと思っています。たとえば、店舗内装には、壁画アートやドライフラワーアート、廃材アートなどを取り入れています。依頼することで、そのアーティストさんたちが行う支援活動に、間接的に参加できます。
あと、うちではスタイリストが自主的にヘアドネーションを行い、各自で発信したり、カラー剤を使ったあとの容器を集めて車椅子を寄付する取り組みに参加していたり、老人ホームや障がい者施設にボランティアカットに行っていたり…。SDGsに対して、自主的に動いてくれることが多いんです。美容師さんって、そういったことへの意識が強いですよね。それらの活動が、仕事のやりがいにつながっているのかな、と感じます。
会社から言われたからやるのではなく、「自主的に」というのが素晴らしいですね。
自社商品も開発・販売されていますが、こちらもSDGsに関連しているのですか?
はい。2022年10月に、全国のコスメショップで販売を開始した自社オリジナル商品のヴィーガンオイル「haCo(ハコ)」も、スタイリストからの発信でスタートしました。
当初、ほかのチームのメンバーから「その事業、今やること?」と強く言われたこともありましたが、いざ発売してみたらコスメ比較サイトのランキングに入り、ときに売り切れてしまうことも。発売開始から4カ月経った現在は、全国250店舗以上で販売され、取扱い店舗はどんどん増えています。ホッとしたのと同時に、がんばってくれた開発メンバーたちに感謝しています。
DX・SDGsと、先進的なことに取り組むことができているのは、どういったところからでしょう?
それは、storageの根幹となる美容室事業が、売上実績という数字で、きちんと結果を出せているから、ということに尽きます。DXやSDGsって、本来の“サロン経営”からは少し離れるものですが、それらに取り組める状態をつくるために、最も力を入れているのが「マーケティング」です。
「マーケティングを担当するチーム」が、HOT PEPPER Beautyを含む各集客サイト、各求人サイト、自社広告などを、地域・店舗・個人ごとに細かく分析し、施策出しと実行を繰り返しています。 たとえばHOT PEPPER Beautyであれば月二回の会議を設定しています。SALON BOARD(サロンボード)をフル活用し集客目標を費用対効果2.5倍(予約時単価をベースに40%を会社利益として算出)に設計し、クリアすべきCPAに対して各店のデータや特性に合わせたPV、CV、客単価施策を決める、などをしています。
その結果や情報をもとに、マーケティングチーム側で行う施策を、美容室事業の教育チームに共有し、そこでもまた施策を決めて、それぞれが実行していく形です。
美容室と他事業、すべてがうまくつながっているんですね!
採用応募も多いそうですが、自由な雇用形態と手厚い待遇面に、魅力に感じているようですか?
今の時代は、「業務委託」や「ハイブリッド(業務委託と正社員)」、「恵まれた待遇」が採用に有利ではあると思いますし、storageもハイブリッド型で待遇も手厚いです。ただ僕らは「求人の入り口」のためだけに、それらを用意しているのではありません。
どんな雇用形態・勤務形態のメンバーでも、仕事が楽しめて、成長意欲を持って、結果が出せるようにしたいと思っています。そのために会社はDXを活用しマーケティングや教育の精度を上げてフォローし、現場と本部、全員で数字をつくりにいっている。僕らがつくっている数字は、意外と正社員サロンや教育サロンにも負けていない、と思っていたりもします。