第3章自社システムの広がり
「美容業界に関わる誰かの、
課題解決につなげたい」
現在、美容サロンが40店舗。今後の出店予定は?
直近では、2023年3月オープンで銀座に2店舗、4月オープンで札幌5号店・町田3号店を予定しています。
今年は昨年と同じく10店舗前後の出店になると思っています。出店数目標は具体的に設定しないといけないのですが…毎年何店舗という計画をstorageは持っていません。求人がたまってとか、信頼できるメンバーがいるとか、そういうところで出していきたいと考えています。
また、自社システムやアプリは驚きでした。今年のDX分野への取り組みは、いかがですか?
先ほどお話した「DCS」は、現在の仕様だとオフラインで各店のパソコンでしか使えないんですが、今後はクラウドで動かす基幹システムの中に装備して、各店の売上管理や報酬計算システムとの連動を予定しています。今年(2023年)の秋までには完成させたいですね。
次に、2021年11月から運用している「STOA(ストア)」という発注を一元化したシステムがあるのですが、そのアップグレードです。これは、買い手・発注元・売り手側のすべてがつながり、商材やその情報を手軽に取得できるものです。開発から運用スタートするまで、4年半かかりました。すでに、一部美容ディーラーさんのシステムと連携していますが、さらに各社と連携を進めていきます。
また、スタイリストが自由に商材の仕入れや備品購入を行える形になるように、今年中か来年(2024年)頭の完成を目指しています。
使い勝手がよく、効率的ですね。そのほかに予定されているものは?
「美容室の基幹システム」を開発中です。美容室は、店舗・本部と、たくさんの人が関わっているのに、大切な情報がまとまっていなかったりしますよね。採用管理・社内メンバーリスト・経理・労務など、美容室経営に必要なものを、ひとつにまとめたいなと。
これが実現したら、たとえば求職者がどの媒体からどんな希望を持って入社してくれて、現在のコンディションや各数字が時系列でどんな推移になっているか、得意・不得意なものは何か、などの情報も一目でわかるように。
それが把握できたら、運営サイドは一人ひとりに合った効果的なケアや教育ができます。メンバーも成長できて、より働きやすくなり、離職率も下がる。お互いにムダが減り、オペレーションコストも削減できます。
現場で働く方と本部とが、うまくまわっていますね。
自社でシステム開発までしてしまうのは驚きですが、既存のものではダメですか?
「STORAGE CHANNEL」にも「DCS」にも「STOA」にも「基幹システム」にも、既存のシステムはあります。それなのに僕たちは自分たちでつくる選択をしてきた。それは、僕らがDXに取り組む美容室企業だからです。
大きな失敗と小さな成功を積み重ねながら生まれたものが、美容業界に関わる誰かの、課題解決につながったらうれしいです。
システムやアプリ、広告運用に必要な制作物まで自社で完結できるのは、すごいですね。
すべてにおいて、「自分たちで攻めることができる」というのが、僕らの最大の強みです。結果が出ないときがあっても、スピード感を持って、どんどん変えていくことができるので。
「閑散期だから」「景気が悪いから」「人が採用できないから」と言い訳をしていたら、そこで終わり…それって、ビジネスとは言えないですよね。
ただ待っていてはダメだと思うんです。僕らは、自分たちでできることを、もっともっと増やしたい。DXもSDGsもマーケティングも、いわば武器を増やすこと。これからもみんなで、新しいことにチャレンジし続けて、美容業界のspecialになりたいです。
「僕」ではなく、「僕ら」と言います。
インタビューのところどころでも、
「僕がすごいのではなく、チームやメンバーのみんながすごい」と。
『代表という肩書きではありますが、僕はなんのスキルもないんです。
うちの会社はチームごとに、それぞれに特化したメンバーがたくさんいる。僕は情報を伝達して、整理しているだけで、めっちゃ肩身がせまい(笑)。』
そう謙遜しますが、いやいや!
倉崎さんが実現したい夢に、みなさんが共鳴し、「ついていきたい」と思わせる“人柄”も才能です。
目指すは、「働くひと全員が、新しい時代のプロフェッショナルに」。
各自の武器を持ったプロフェッショナルが集ったとき、それは何倍にもなって、さらなる強い組織になるのでしょう。