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美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

 データで見る「サロンのバリアフリー」の現状

では、こうした「対話」は、どのような場面で特に大切になるのでしょうか。実はその答えが、サロンの設備(ハード面)の現状から見えてきます。

ホットペッパービューティーアカデミーの調査では、「車椅子で移動できる通路幅」があるサロンは19.2%、「入口にスロープ等がある」は14.5%と、ハード面の対応はまだ十分とは言えません。

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「サロンボードアンケート」(2025年6月)2,228社が回答

 一方で、約半数のサロンが「障がいがある方への対応経験あり」と回答。これは、設備が十分でなくても、スタッフの心遣いやサポートでお客さまを迎え入れてきたサロンが多いということです。

すぐにハード面を整えるのが難しくても、こうしたソフト面の対応こそが、「行きたいけど行けない」と感じている未来のお客さまを迎え入れるための、今すぐできる大切な一歩でしょう。

はじめの一歩は「声かけ」から

「合理的配慮」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、基本はとてもシンプルです。困っている様子のお客さまへの「お手伝いできることはありますか?」という一声から始まります。

ここでは、今後の連載でも詳しく解説する具体例の一部ご紹介します。

<美容サロンでの合理的配慮の具体例(一部)

聴覚に障がいのある方:筆談やスマホのメモ機能でやりとりする。
視覚に障がいのある方:メニューや料金を口頭で説明する。
車椅子や杖などを利用されている方:杖やお荷物をお預かりし、ロッカーや指定の場所へお運びする。
知的障がいのある方や、コミュニケーションに不安のある方:分かりやすい短い言葉を選びゆっくりと説明する。
…等。

これらはあくまで、はじめの一歩です。障がいは、誰もが向き合う可能性がある身近なテーマ。この連載が、すべてのお客さまを温かく迎えるきっかけになれば幸いです。

次回は、「美容サロンが押さえておきたい障がいの基礎知識(Vol.2)」をお届けします。どうぞお楽しみに。

POINT

  • 法律のルールは2つ。 ①障がいを理由に拒否しない(不当な差別的取扱いの禁止)こと、②手助けを求められた際にできる範囲で対応する(合理的配慮の提供)ことです。
  • 「合理的配慮の提供」は2024年4月にすべての事業者に「義務化」されました。障がいのないお客さまと同じようにサービスを受けていただくための手助けが必要です。
  • 「合理的配慮」は対話が基本。 難しい要望でも「できません」で終わらせず、代わりの方法を一緒に考える姿勢が大切です。
  • はじめの一歩は「声かけ」から。まずは「何かお手伝いできることはありますか?」と関心を持つことから始まります。

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監修

株式会社ミライロ

「バリアバリュー」を企業理念とし、障がいのある当事者の視点から、社会におけるバリア(障害)をバリュー(価値)に転換するインフラやソリューションの提供を行っている。デジタル障害者手帳「ミライロID」によるインフラの提供、企業等への研修、リサーチ&コンサルティングの提供を軸として障がい者とその家族が今日を楽しみ、明日を期待できる社会を実現するための事業展開を行っている。

ミライロホームページ

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