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第3章お客さまの人生に寄り添う、ヘアサロンの新しい形

「お客さまの人生にずっとつながることができる。
美容師は、そうなれる存在だと思っています。」

ニューヨーク2店舗目のサロンを4月にオープンされたばかりですね。今後の店舗展開は?

日本、海外ともに出店は考えています。お店を出すのは「スタッフの居場所をつくるため」なので、時期はみんなの成長を見ながら決めていきます。海外はアジア、アメリカに限らず、ヨーロッパとか世界各地に出店するのが理想。ただ、海外にお店を出そうとすると、ビザをクリアにするのがとても大変なんです。手続きが難しいので、なかには学生ビザのスタッフを働かせているイリーガル(違法)な外国人経営サロンもあります。うちは現地の弁護士に依頼して、ビザや納税など、すべてクリーンにしています。

直営店ではなく海外のサロンと提携して、「スタッフの交換留学」といったこともしたい。ただ、美容師免許の問題があって、今は実現が難しいですね。

他に新しく計画していることはありますか?

新店舗を始動させた時点では次の一手を考えているので、常に新しいことは考えています。この夏くらいから動き始める計画もありますけど、まだ内緒です(笑)。

話せる範囲でいうと、「ブライダル」も始めたいことのひとつです。これからの「美容室」や「美容師のあるべき姿」を考えた時、それは「生まれてから死ぬまでお客さまと共にあること」だと思うんです。たとえば「七五三」や「成人式」のヘアメイクを担当させていただいた方が大人になって、結婚する時は「ブライダル」のヘアメイクも担当する。お客さまにとっても、よく知っている美容室・美容師の方が、安心だしうれしいと思うんです。

そして出産をしたらお子さんのカットもしたり、サロン内にカット中のお母さんが利用できる託児所を用意したり。海外転勤になったらうちの海外店舗がある、お葬式では最期のヘアメイクをしてさしあげたい。「髪を切る」って生きていくうえで必要なことだから、美容師は「一生涯をお客さまと過ごす存在になれる」と思うんです。

そのような取り組みを始めようと思った、きっかけは?

スタッフのためでもあります。うちには出産した女性スタイリストがいて、もちろん育児休暇などでサポートをしています。でもスタッフ側の心理として「現場に戻る」ことに、どうしてもハードルがある。「子どもの調子が悪くて急に休むと、お客さまの迷惑になるし同僚にも悪い」「空き時間に単発で出勤するだけじゃなく、お客さまをリターンさせなきゃいけない」というプレッシャーがストレスになって、気軽に復職ができないんですね。

でも「ブライダル部門」があれば、結婚式なら単発で働けるし、女性スタイリスト自身が結婚を経験しているから親身なアドバイスもできる。ある程度、子どもが育ったらサロンワークに戻ってもいいですし。そうして常に「美容に接すること」ができたら、安心して復職できますよね。

「美容師」として、ご自身のこれからは?

僕は27歳でASSORTを立ち上げたんですが、その時は「30歳くらいでハサミを置こうかな」って思っていました。「美容師と経営者は本来両立すべきものではない」と考えていて、現場に出るよりもスタッフやお客さまの環境を整える役割にシフトしたいと。だけど「アシスタントのこの子がデビューするまで・・・」「次はあれを始めよう・・・」とやっているうちに、ずるずると続けてきた感じです。

でも今回カット料金をアップしたことで、今、美容師として新たにスタートした気持ちなんです。これだけの料金をいただくからにはお客さまに対して責任があるし、気軽にスタイリストを辞めるとは言えない。本当は今もサロンワークがめちゃくちゃ好きなんです。「自分でハードルを上げちゃったな」とは思うけど、これを機会に、自分自身もすごく成長できると思っています。

  • 4月、ニューヨークに誕生した「VACANCY PROJECT NY」。「ヘア+カフェ+アート+ミュージック」をコンセプトとしたスペースで、ミュージシャンや画家など「アーティストの交流の場」を目指している

  • 開業から5年が経ち、女性スタイリストは結婚ラッシュ!「結婚や出産、育児。スタッフのライフスタイルが変化しても働き続けられるように」と、新たな構想を練っている(写真は「ASSORT TOKYO」の人気スタイリスト・磯西さんの結婚式にて。向かって一番左、カメラを肩にかけているのが小林さん)

 「“今までにない”が、すべて」。
常に新しいことに挑戦してきたKenさんの信条です。「右と言われたら、左に行きたいアマノジャク」とも。

 なので余計に「生活をルーティン化するのが好き」というのが、ちょっと意外でした。手にしていたコーヒーから、話が派生した時です。
毎日、同じ時間に起きて、運動をして、味噌汁のある和食を食べる。同じ道を通って、途中いつもの店でコーヒーを買って、サロンに行く。出張の時は同じ航空会社、飛行機の出発時間も同じ、機内で食べるものも同じ・・・。

 「人って、いつもと違うことをした時に体調を崩しやすいと思うんです。体調を崩したら、お客さまにもスタッフにも迷惑がかかるから」。そう、どこまでも自分を律することが、ルーティンにつながっていたのです。

 「カット料金2万円」への想い。それは、野球選手でいうところの「予告ホームラン」のような。そのプレッシャーを乗り越えて、結果を出さなければならない。・・・そのボールの行方と、きっともう頭の中にある次なる挑戦を、ワクワクしながら応援しています。

日本・ニューヨーク・香港を行き来する生活は、分刻みのスケジュール。その合間をぬっての取材は「CORRER」にて。いつものコーヒーとPCを手に、取材に応じてくれたKenさん

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