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先輩女性インタビュー100人

サロンで働く女子 
100の生き方

長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのか、100人にインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!

vol.68

後輩に「ごめん」を言わない覚悟。
有名サロンで撮影もこなす、時短ママの働き方とは?

若者の流行発信地、表参道・原宿エリアにあるサロン「Grow by GARDEN」。ビル6Fの開放的なフロアで活躍する吉野慶子さんは、若いスタッフの多い「GARDEN」でふたりめのママスタイリストです。ステップアップのために2度のアシスタント修業を積んだ頑張り屋。「前は仕事一筋で、今の展開は想像できなかった」といいながらも、育児と仕事の両立という新たなやりがいを得て毎日が充実しています。自然体でいて、常に全力な彼女の歩みを取材しました。

Staff Data

吉野慶子さん 31歳

スタイリスト。
「Grow by GARDEN」(東京都渋谷区)勤務。
1歳の男の子のママ。
月・火、不定期で日曜休み。OPEN〜17:00の時短勤務。

吉野さんのLife History

★…ターニングポイント

  • 18

    美容師が子どものころからの夢。高校卒業後、福岡の美容専門学校に入学。

  • 20

    美容専門学校を卒業し、上京して吉祥寺にあるサロンに就職。アシスタントとして技術を磨き、入社後2年でスタイリストに昇格する。

  • 24

    「撮影現場の仕事がしたい」という夢をかなえるために、最初のサロンを退職して「GARDEN 原宿」(当時)に入社。ステップアップのためだったが、再びアシスタントとしてシャンプーからのスタートだった。

  • 26

    「GARDEN」では最速のアシスタント期間で、見事スタイリストに昇格。念願がかなってサロンワークのかたわら、スタジオやロケなどの撮影の仕事に励む、充実した日々を送る。

  • 28

    ★同じ美容師の夫と結婚。それまでは休日でも予約があればサロンに出勤したり、撮影を入れる「仕事大好き人間」だったが、結婚を契機に自然に心境が変化。プライベートを充実させたいと考え、休みを取って家庭での時間も大切にするようになった。

  • 29

    妊娠。お腹が大きくなるまでサロンワークや撮影をこなし、妊娠8カ月から産休へ。

  • 30

    8月に長男が誕生。48時間もかかる難産で大変な思いをしたため、今まで以上に怖いものがなくなった。

  • 31歳~

    合計1年弱の産休・育休を経て、長男を保育園に入園させ、今年5月から「Grow by GARDEN」に時短勤務で復帰。また多くの馴染みのお客さまが訪れてくれるようになった。

  • 結婚式の2次会では原宿店のスタッフや友人など、100名近くがお祝いしてくれた

  • 「Grow」のエントランスで、お客さまの赤ちゃんと一緒に

  • 大きなお腹で、1日20名のお客さまの髪をカットしたことも

  • 「息子が本当にかわいくて、お店でもよく自慢話をしています」と吉野さん

吉野さんへのインタビュー

「GARDEN」の面接では志望動機として「撮影の仕事がしたい」とアピールしたという

Q. せっかくスタイリストになったのに、会社を移ってイチから出直し。辛くなかったですか?

A. 気持ちよりも体力的にすごく大変。撮影の仕事がしたい一心で乗り越えました。

 最初のサロンの環境は良かったのですが、以前から憧れていた撮影に関わる機会がなくて、「どうしても撮影がやりたい」と気持ちが抑えられなくなりました。結局3年勤めて退職し、アシスタントからまたやり直しになることを覚悟のうえで、メディアに露出の多かった「GARDEN」に再就職したんです。
 1日も早くスタイリストに昇格するには、朝晩に練習をして腕を磨くしかありません。当時は掃除がアシスタントの仕事だったので、原宿店の200坪ものフロアをキレイにするのも重労働。毎日朝早くから夜遅くまでサロンに詰め、帰れば寝るだけの生活です。自分の意志だったとはいえ、新人時代より年齢も上がっているので体力的に辛く、「地獄に来てしまった」とさえ思いました。
 ですから再びスタイリストになり、サロンワークと並行して撮影の仕事を与えられるようになったときは、夢が叶って心底うれしかったです。雑誌や映像の仕事はクリエイティブで、作品が形になって残るところが好き。普段のサロンワークとはまた違う面白さと達成感があり、自分を成長させてくれますね。

「若い頃は自分がそんな風に変わるとは思っていませんでした」と吉野さん

Q. 結婚を機に、仕事を少しペースダウンしようと思ったのはなぜですか?

A. 仕事のスタイルができてきたので、それ以外のことに目が向けられるようになったからです。

「GARDEN」でスタイリストになって少し経った頃、順調だったサロンでの売り上げが伸びなくなった時期がありました。先輩達にアドバイスを仰ぐと、一人ひとりにじっくり向き合うよりも、大勢の人を巻き込む仕事が向いていると言われ「それなら私のファンを増やせばいいんだ」と気付いたんです。そこで常連のお客さまにお友達やご家族の紹介をしてもらうことで、売り上げを伸ばして安定させることができました。
 自分なりのサロンワークのやり方ができ、撮影の現場でバリバリ仕事をする夢も叶いました。「頑張ってやれることはやり切ってきた」と自分の仕事を振り返ることができたのが、ちょうど結婚の時期と重なったんだと思います。それまで「仕事が入れば休みも返上」だったのが、休んで家庭を大切にしたいと自然に思うようになりました。

「GARDEN」10周年を記念した、同期のスタッフとのコラージュ。互いに助け合える仲間だ

Q. ママとして職場復帰。以前と変わったことや心がけていることはありますか?

A. ママの働き方に憧れを持って欲しいので、「ごめんね」は言いません。

 実は長男の出産に48時間もかかってしまい、死ぬほど辛い体験をしたんです。ですから今の私は「無敵」です。もともとポジティブですが、あれを思えば怖いものはなくなってしまいました。
 とはいえ子育ては起床から就寝まで終わりがないので、仕事との両立は大変です。でも、お客さまと育児話で共感しあえるようになったり、日曜休みの私のために、わざわざ有休を取って来てくださる方もいたり。ママになってより深まったお客さまとのつながりには、本当に感謝しています。
 他のスタッフに対しては、早上がりするときも「ごめん」と言わないようにしています。ママとして限られた時間で働く以上は当然のことだから。私が気まずい姿を見せたら後に続く人が働きにくくなってしまいます。「私もあんな風に働きたい」と後輩の子たちが思ってくれるといいなと思っていす。
 

Q. これからどんなスタイリストとしてキャリアを積みたいですか?

A. 今はお客さまとの関係を大切にして、しっかり子育てをしたい。

 美容師の魅力は、たくさんのお客さまと長い年月、ときには一生かけて関われること。今回も育休中に結婚されたり出産された方もいて、報告を受けると自分のことのように嬉しい。家族以外の多くの人生と繋がりを持てるのは、美容師という職業ならではだと思います。
 若い頃の夢を夢中で叶えた後は、家庭を持って子どもを産んで、良いお客さまにも恵まれました。今はその中で子育てをしながら、できる限り美容師を続けていこうと思っています。そのうち、スタイリストの夫と一緒にお店を持つことが次の夢になるかもしれませんね。

若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!

 まず「何があっても美容の仕事は楽しいよ!」と言いたい。もし壁にぶつかったときは、美容師を夢見ていた頃の気持ちを思い出せば、必ず励みになると思います。もうひとつは「出産しても絶対続けられるよ!」と言いたい。ママでありスタイリストであるのは本当に素敵なことで、後輩の女の子にとっても間違いなく憧れの存在ですから、胸を張って仕事を続けて欲しいんです。そして、職場復帰するにあたっては、勤務時間や賃金などの希望は上にきちんと伝えることが大切。私も納得できるまで交渉した結果、会社が柔軟に対応してくれてとても感謝しています。みなさんもがんばってくださいね!

Salon Data

Grow by GARDEN【グロウ バイ ガーデン】

アクセス
地下鉄千代田線・副都心線 明治神宮前駅から徒歩1分
創業年
2006年
店舗数
10店舗
設備
セット面20 ※Grow by GARDEN
スタッフ数
16名(スタイリスト9名、アシスタント7名)※Grow by GARDEN
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000311774/
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