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イノベーターが
見ている未来

vol.129

確固たる世界観を持ち、新しい取り組みをしている「次世代リーダー」へのインタビュー。
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。

株式会社ファンネクストグループ(アンジェリカミッシェル)

代表取締役社長 岸本雄太さん (age.41)

価格競争に飲まれず、期待を超え続ける。
“価値”で選ばれるブランドのつくり方。

価格競争が進む美容業界。その中で岸本さんが追求してきたのは、価格を下げることではなく、「どうすれば価格以上の価値を提供し続けられるか」ということだった。大学在学中に起業し、現在はアイビューティー&ネイルサロンを21店舗まで展開。多くのリピーターに支持され、高価格帯サロンとして成長を続けている。その背景には、細部まで設計されたサービス、そして技術者への深い敬意がある。価格ではなく価値で選ばれ続けるブランドは、どのように築かれてきたのか。その核心に迫る。

1985年東京都生まれ。早稲田大学在学中、2年次に学生ベンチャーを創業。2007年にアイラッシュサロン「アンジェリカミッシェル渋谷店」をオープン。東京・神奈川を中心とした関東エリアで店舗展開を加速し、多角的な事業を展開。2024年には株式会社ファンネクストグループを設立し、ホールディングス体制への移行を推進。傘下にはクリエイティブ事業会社も抱えている。
https://angelica-michelle.com/

第1章学生起業から、お客さまに向き合う店舗ビジネスへ

「どうすればお客さまの期待を超えられるか、
その努力をしてきた。」

ミドルアッパー層をターゲットにした「アンジェリカミッシェル」は16店舗展開(画像は本厚木店)

岸本さんは美容事業を始める前、大学在学中にすでに起業なさったとか。

学生時代に、同級生3人で起業しました。当時手掛けていたのは、現在でいう人材ビジネスです。大学生を中心とした人材を活用し、飲食店や各種現場での人材支援、イベントの企画・運営、セールスプロモーションなどを行っていました。

美容業を始めたのは、起業から3年後の2007年です。新たな事業として、渋谷のワンルームマンションの一室でアイビューティーサロン「アンジェリカミッシェル」を立ち上げました。

きっかけは、友人の実家がホームサロンを営んでおり、そこで「まつげエクステ」という新しい美容サービスを知ったことです。当時はまだ世間での認知度も低く、全国でも取り扱うサロンはごくわずかでした。それでも、「これからは目元を美しくすることのニーズが広がっていく」と大きな可能性を信じて、新規事業として立ち上げました。だから、もともと美容が好きで美容サロンを始めようというのが、きっかけではありませんでした。

それは意外でした。学生ベンチャーで苦労したことはありますか?

私はまだ学生で若かったこともあり、企業や個人としての信頼も低く、当時は社会的信用が重視される時代で、大手との取引は難しく、下請けの仕事が中心でした。その中で、先が見えないなという実感がありました。

そんな状況の中で魅力を感じたのが、お客さまと直接向き合える店舗ビジネスでした。そこでは、大手であっても個人店であっても関係なく、“フェアな戦い”ができる。店舗ビジネスで大切なことは、「また来たい」とお客さまに感じていただけることだと思っていて、その一点に向き合って一生懸命努力したり、仕事をすれば、どんな立場でもフェアにチャンスがある。そこに魅力を感じました。

現在は高単価モデルを実現されています。客単価はどのくらいですか?

ありがたいことに、リピートで通ってくださるお客さまの平均単価は1万円を超えています。新規のお客さまも含めた全体平均では、客単価は約9,000円前後で推移しています。

※参考
ホットペッパービューティーアカデミーの調査「美容センサス2026年上期」では、1回あたりの利用金額(女性)の平均は、ネイルサロン6,115円、アイラッシュサロン5,079円

平均と比較して、高単価ですね。

私たちがアイラッシュサロンを始めた2007年当時は、まだ業界として店舗数も少なく、数万円単位の高単価で提供されている市場でした。その後、さまざまな事業者の参入が進み、3,000円台で展開するリーズナブルなサロンも増え、いわゆる価格破壊が起きていきました。その影響もあり、撤退していったサロンも少なくありません。

そうした中でも、私たちがブランドとして成長し続けてこられた理由は、単に価格を下げるのではなく、「どうすればお支払いいただいている金額以上の価値を提供できるか」ということに向き合い、“価値を上げる”努力をし続けてきたからです。

スタッフから「周りの店舗はどんどん値段を下げているのに、うちは値下げしないんですか」と言われたこともありました。私は、価格を下げることよりも「美容業界の価値をもっと高めていきたい」と考えていたため、それはしませんでした。

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