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先輩女性インタビュー

サロンで働く先輩女性たち

長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!

vol.77

8時間の営業時間で平均客単価が1万2,500円!
生産性の高いサロンを率いるママ店長の強みとは?

雑貨店やアンティークショップが立ち並ぶ高円寺で、若い女性から大人女子までゆったりくつろげるサロンとして人気の「himawari」。ママスタイリストの岡村さんが店長を務め、短い営業時間ながら、平均客単価1万2,500円を上げています。「tuta project」グループの中でも高い生産性を上げているサロンを率いる、岡村さんのスタイリスト人生についてうかがいました。

Staff Data

岡村智代さん 30歳

スタイリスト。
himawari(東京都杉並区)店長。
スタイリスト歴6年。
2歳の男の子のママ。
9:00〜18:00で勤務。

岡村さんのLife History

★…ターニングポイント

  • 19

    専門学校卒業後、サロン見学でスタッフ・雰囲気にピンときた吉祥寺のサロンに入社。
    現在の「tuta project」のオーナー内山さんと、ご主人となる黒須さんに出会う。

  • 24

    スタイリストデビュー。「これで自分の好きなようにヘアスタイルがつくれる!」といううれしい気持ちと、ひとりですべて責任を負う重大さを感じた。

  • 24

    ★自分の視野や美容師観を広げたくなり、小規模サロンに転職。
    10人規模のサロンで働いたことで、自分の技術スピードや周囲への気遣いの見直しをするきっかけとなった。

  • 25

    内山さん・黒須さんとともに独立し、1店舗目の「蔦(tuta)」オープン(その後、内山さんをオーナーとする「tuta project」として法人化)。

  • 26

    岡村さんが店長として「himawari」をオープン。不安と「蔦」を離れる寂しい気持ちが入り交じる。しかし、「いつかは自分のお店を持ちたい」と思っていたので、「がんばってみよう」と決意。

  • 27

    「蔦」で店長を務めている黒須さんと結婚。
    その後、長男を妊娠。「himawari」オープンから1年弱だったため、自分もまわりも戸惑いつつも、みんなが応援してくれた。

  • 28歳~

    長男を出産。
    店長としての責任を感じ、産後8週間の産休後に復帰。
    岡村さんが無理なく働けるよう、サロンの営業時間を10:00〜18:00としている。

  • 最初に入社したサロン時代。アシスタントでも売上に貢献できるよう、提案をがんばっていた

  • 「himawari」がオープンした頃。モデル撮影もサロンのイメージを決める大事な仕事

  • 黒須さんと結婚。公私ともに同志的な存在のご主人

  • 「子どもができて、人に感謝する気持ちを持つようになった」と岡村さん

岡村さんへのインタビュー

小柄で笑顔がキュートな岡村さん。人一倍努力する情熱を秘めている

Q. 独立する前に1度転職されていますが、その理由は?

A. 規模の違うサロンで自分を試して、美容師としての幅を広げたかったからです。

 最初は多店舗展開している大型店に入社しました。早くスタイリストになりたかったので、自分の得意分野を活かそうと、前髪や顔周りの似合わせ、かわいく見えるスタイリングなどを考えながら必死に練習に励んでいました。それだけでなく、アシスタントでも売上に貢献できるように、スタイリストのお客さまにプラスメニューの提案をしたりしていました。
 最初のお店でいまの主人(黒須さん)と、オーナーの内山と出会って、「いつか一緒に独立してお店をつくろう」と語り合っていたのです。その夢があったので、がんばれたと思います。
 スタイリストデビューした後も、自分の視野や美容師観を広げるために、それまでいたサロンよりも規模が小さいところで勝負してみようと思いました。独立するとしたら小さいサロンからスタートすることになるので、そのための勉強にもなると。
 大型店から10人規模のサロンに転職してみて、仕事のスピードや質など、お客さまに対して自分が勉強不足だったことを痛感しました。以前のサロンとは全然ちがって、お客さまに対して、自分ひとりでやらなければならないことが当然多い。それで店長からもいろいろな指摘を受けて、「自分を変えなければ」と。先輩に言われたことを一つひとつクリアし、その積み重ねで結果が出せるようになっていきました。場所や環境は変わっても、努力し続けること、進み続けることが大切と気づき、それが自信につながりました。

仲間の念願だった「蔦」がオープン。オーナーが26歳という早い時期の独立だった

Q. 独立して「himawari」の店長を任されたときは、どんなお気持ちでしたか?

A. 不安もありましたが、自分の強みを活かして「美容師が魅力的」と思ってもらえる店づくりをしてきました。

 当社の最初の店舗が「蔦」で、オーナーたちと一緒に独立してつくった愛着のあるサロンでした。いつかは自分のお店を持ちたいと思っていたので「himawari」出店はうれしくもあり、「蔦」を離れる淋しさと不安もありました。
 内山の考えは、「スタイリストの個性と強みを活かしたサロンづくり」なので、店長の個性によって一店一店異なります。私自身の強みは、お客さまの予算に合わせつつも、客単価、予約メニューにとらわれないカウンセリングで「なりたい要望に必要なことを提案する」ことです。お客さまとじっくりお話をすると、いろいろな要望が出てきます。それをかなえるために予定とは違う提案もしてみます。もちろんそれには、技術の裏付けや、お客さまとの信頼関係づくりが必要です。
 そのために、お客さまもスタッフもみんなが笑顔でいられるお店づくりを目指しました。お客さまに笑顔をもらうには、まずスタッフから。美容師って「時間がない、余裕がない」というイメージが強いので、みんながプライベートも充実させて、内面からの魅力も出していけたら、お客さまからも「美容師の女性って魅力的!」と感じてもらえると思っています。みんなで意見を出し合ってお店をつくっていけるといいなと。私は「みんなのお母さん的なポジションでいたいな」と、母になって思う今日この頃です。

オーナーの内山彬さん。「人はそれぞれ違うから、サロンの運営も、産休の取り方も個別に考えるべき」と語る

Q. 店長になって1年弱での妊娠・出産。まわりの方々とどう折り合いをつけましたか?

A. スタッフとのコミュニケーションは常に意識しています。

 妊娠の報告をしたとき、内山は「おめでとう!」と言ってくれたものの、「himawari」ができて1年未満だったので内心戸惑っていたと思います。でも、私も早めに復帰するつもりでしたし、基本は信頼して応援してくれました。復帰のタイミングや、復帰後の労働時間なども話し合って決めました。小規模のサロンなので、「himawari」内だけで引き継ぐことは難しいと思いましたが、グループ店が近くにあるので、お客さまのご希望で引き継ぎ先を決めました。私は産休だけで育休は取らずに復帰したので、失客はほとんどなく済みました。
 私も主人も実家が遠いため、保育園に入園するまでは内山のお母さまが子どもを預かってくださり、とても助かりました。主人は「蔦」の店長で普段は帰宅が遅いですが、家にいるときは育児にも協力的です。
 「himawari」は私の生活に合わせて営業時間が10:00〜18:00。基本は予約がつまっているため、営業日にスタッフと密にコミュニケーションを取ることはなかなか難しいです。けれど、彼女たちの協力なしでは子育てしながらの両立は無理。意識的に一緒にご飯を食べたり、休みの日などに自宅に招いたりしてコミュニケーションを取る努力をしています。

「himawari」のスタッフたちと。女性だけのサロンで、グループで最も生産性の高い店舗を築いている

Q. 営業時間が短い店舗で、平均客単価1万2,500円を上げる秘訣は?

A. スタッフ間の意思統一と、丁寧なカウンセリングです。

 営業時間が短いからこそ、総売上で他店と同等になるには生産性を上げるしかありません。そうでなければママスタイリストを雇用し続けるメリットを会社にわかってもらえませんよね。だから、500円でも多く単価が上がるようにアシスタントにも協力してもらいます。例えば、お客さまがシャンプー購入を考えているのであれば、その情報を共有するなど。私がお客さまから離れているときでも、アシスタントが同じ意識で接客してくれていることが結果につながっているのだと思います。もちろん私自身も、カウンセリング時に今日の要望に対して必要なメニューと料金で、単価アップできるようにしています。
 お店全体をどのように盛り上げて結果を出していくか、常にオンオフ関係なく臨機応変に仕事やスタッフのことに対応しなければならないときは、管理職の大変さを感じることもあります。その一方で、お店をまとめて問題を乗り越えたり、個人やお店の目標を達成できたときの喜びや達成感にやりがいを感じますね。

「いろんな人のおかげで今の自分がいる」と気づかせてくれた長男の存在

Q. 子どもができて、ご自身が変わったと思うことはありますか?

A. 「自分が絶対」から、まわりに感謝できるようになりました。

 出産前は自分がいいと思わないことは、すべて否定していました。気が強い性格なので「自分が絶対!」と(笑)。けれど、育児をしながらの今は、みんながいなければ子どもとの時間もつくれませんので、まわりのみんなに感謝しながら仕事するようになりました。
 みんなの意見を聞いたり、話し合ったり。女性スタッフだけのお店なので、みんなが笑顔でいられるように、みんなの意見にも耳を傾けるようになったのが、子どもができた自分の成長だと思っています。

若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!

 短時間でも一定の売上を上げられるママスタイリストの存在は、会社にもメリットがあるはずです。そうなるためにはママになる前に業績を出し続けることが大事。だからこそ「〇〇さんはがんばってくれたから」と、オーナーはスタッフを大切にしてくれるのではないでしょうか。
 また、旦那さまの協力や理解も必要です。ママが育児や家事を10割負担したら、もちろん仕事は成り立たないし、休む暇もありません。パパになるお相手にも美容師としてのママを支えてもらえるように、産後どのくらい育児・家事分担するのかなど、ルールを決めたらいいと思います。がんばってください!

Salon Data

himawari【ヒマワリ】

アクセス
JR高円寺駅から徒歩5分
創業年
2011年
店舗数
6店舗
設備
6席(himawari)
スタッフ数
6名(himawari)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000239527/
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