LGBTQ+のお客さまへの接客等を考えることで、「誰もが自分らしく美容を楽しむ、表現できる」そんな美容サロンを実現するお店づくりのヒントをご紹介します!
前編ではサロンに潜む「無意識の壁」について考えてきました。お客さま一人ひとりに安心して過ごしていただくために、サロンでは具体的に何から取り組めばよいのでしょうか。
今回も、株式会社wagamama社の下山田さん、内山さんのお話です。おふたりは「完璧を目指す必要はありません。『私たちも勉強中で、何か不安や違和感があれば教えてください』というようにお客さまの声を聞く姿勢こそ、お客さまの安心感につながります」と語ります。
おふたりのアドバイスをもとに、明日からでも始められる具体的なアクションをご紹介します(後編)。
予約の不安を「安心」に変える、Webサイトと情報発信
お客さまが来店前に最もよく目にするのは、サロンのホームページや検索・予約サイトです。ここでの工夫が、来店へのハードルを大きく下げます。
実は「LGBTQ+フレンドリーと書いてあるだけでは、まだ不安」という当事者の声もあります。そこでぜひ活用したいのが、予約フォームなどに設ける自由記述欄です。「何か心配なことがあれば、ご記入ください」という一文があるだけで、「自分のことを気にかけてくれている」と感じ、悩みを打ち明けられるきっかけになるでしょう。(具体的な記入例はこちら)
「性別欄」を必須項目にしない、また「性のあり方は、サービス内容には影響しません」などを明記する、「生まれたときの性別」と「現在の性自認」を分けて記載できるようにしたりするといった配慮もお客さまの安心につながるでしょう。
また、空間への不安を和らげるために、個室や壁による仕切りといった店舗の設備がある場合は、写真で事前にアピールすることも安心材料になります。

心の壁を取り払う、カウンセリングと環境づくり
来店されたお客さまには、さらに丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。まず、お客さまのお名前の呼び方を確認し、お名前(姓)に「さま」付けをするなど、性のあり方で判断しない中立的な呼び方もよいでしょう。
カウンセリングでは、プライバシーが守られる空間を確保することは大切です。また、施術着の着方が分からなかったり、体に触れられたりすることに不安を感じるお客さまもいるため、施術前には「これからお背中に触れますね」といった声かけをすることで安心いただけることもあります。
また、恋愛の話題などプライベートに踏み込んだ会話は初めてのお客さまには控えたほうがベター。お客さまとの関係性ができてきた後も、「彼氏」「彼女」といった言葉は使わず、「パートナー」や「大切な方」といった表現を選ぶなど、性のあり方への配慮も大切にしたいですね。

一人ひとりに寄り添うサロンが、未来のお客さまとスタッフに選ばれる
一人ひとりの背景に配慮した取り組みは、性的マイノリティ当事者であるお客さまだけではなく、実はより多くのお客さまの信頼獲得にもつながります。
あるサロンでは、トランスジェンダーの友人のために、施術時のウェアとして露出の少ない半袖半ズボンを導入したところ、体の傷を気にする他のお客さまからも「ありがたい」と好評だった、という事例がありました。
誰もが心地よく過ごせる場所であることは、サロンの社会的な信頼やブランド価値をも高めていくのです。こうした一人ひとりのあり方を尊重する姿勢は、お客さまからの信頼を得るだけでなく、スタッフの採用や定着といった職場の魅力向上にもつながります。

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