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【LGBTQ+当事者12人が語る】美容室での“ちいさな違和感”[後編]

~誰もが安心して過ごすための4つのヒント~

前編では、「①来店前」「②美容室の空間」のモヤモヤを紹介しました。後編では、「③カウンセリング」「④何気ない会話中」のモヤモヤを紹介していきます。※前編は(こちら)から。

後編|目次


ポイント③|カウンセリングのモヤモヤ

3つ目の「カウンセリングのモヤモヤ」では、特にさまざまな声が上がりました。そのなかでも、“男性らしさ・女性らしさ”と髪型の紐付け”に違和感を覚える人が多いようでした。

| Fさん、トランスジェンダー男性
メンズカットを頼むと間違っていないか何度も確認されたり、写真を見せても「かわいらしい」アレンジを勧められたり。本当にしたいスタイルを伝えられず、悲しかったです。

トランスジェンダー男性出生時に割り当てられた性は女性、性自認が男性である人

| Cさん、ノンバイナリー、出生時に女性と割り当てられた
短く刈り上げてと頼んでも「女性らしさを残しますね」と言われた経験があります。

ノンバイナリー性自認が男女どちらでもない、または男女どちらでもあるといった認識を抱く人

| Kさん、ノンバイナリー、出生時に女性と割り当てられた
「女性向けハンサムショート」といった性別を強調したデザイン名は、女性だと突きつけられるようで苦手です。

| Cさん、ノンバイナリー、出生時に女性と割り当てられた
ショートヘアだと「スポーツしてる?」「楽だから?」と理由を決めつけられがちです。男性ならそうは言われないだろうな、と思ってしまいます。

| Aさん、パンセクシュアル女性
服装がフェミニンなせいか、イメージ写真を見せても、より女性的なスタイルを提案されがちです。どうすれば本当にしたい髪型がうまく伝わるのか、悩んでしまいます。

パンセクシュアル相手の性別に関係なく、誰にでも恋愛感情や性的魅力を抱く可能性のある性的指向の人

「男性だから」「女性だから」というフィルターを外し、お客さまが本当に望むスタイルは何かを純粋に引き出すカウンセリングが求められています。それこそが、満足度の高いサービスへの第一歩です。

ポイント④|何気ない会話中のモヤモヤ

4つ目の「何気ない会話のモヤモヤ」では、美容室での雑談の中で、性のあり方を決めつけたり、プライベートすぎる質問が含まれたりすることで、不安に感じるとの声がありました。安心して話せる関係性づくりが求められています

| Kさん、シスジェンダーのゲイ男性
私が男性と“ルームシェア”していると勘違いしている美容師さんから、結婚について聞かれたので、「結婚しています(海外で籍を入れている)」とお伝えしたところ、混乱してしまい話が続きませんでした。恋愛や結婚の話は繊細な話題なので、無理にされなくてもいいなと思います。

 

シスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性別と、自認する性が一致している人)

| Hさん、パンセクシュアル、性自認は定めていない、出生時に女性と割り当てられた
パートナーの話を「彼氏」と決めつけられ、「恋人」と言い直しても伝わりませんでした。嘘をつきながら話すのも面倒で、結局話すのを諦めてしまいます。

| Yさん、シスジェンダーのレズビアン女性
「彼氏いるの?」など異性愛が前提の質問は居心地が悪いです。本当は恋バナがしたいのに、嘘をつくのは悲しく、かといってカミングアウトもできません。

恋愛の話は性のあり方につながりやすいトピックです。異性愛を前提とせず、「彼氏・彼女」の代わりに「パートナー」や「お付き合いしている方」といった、性別を特定しない言葉を使うことから始めませんか。

| Iさん、トランスジェンダー男性
長年通っている家族のように親しい美容師さんだからこそ、カミングアウトしたい気持ちがありつつ、できずにいます。相手を驚かせたり、余計な気を遣わせたりしてしまうのでは、と心配だからです。

| Mさん、ノンバイナリー、出生時に女性と割り当てられた
理想の髪型を伝えるため、幼馴染の美容師に自認する性が女性ではないことをカミングアウトしました。そうでもしないと、女性らしい髪型にされてしまうのではと思ったからです。本当は、カミングアウトしなくても意図を汲み取ってくれる関係性が理想です。

カミングアウトは、お客さまにとって大きな葛藤を伴う勇気のいる選択です。大切なのは、お客さまが「言わなければ」と気負うことなく、安心して髪型の希望を伝えられたり、何気ない会話を楽しめたりする。そんな信頼関係を築くことです。

「当たり前」を一度見直すことから始めよう

今回寄せられたたくさんの声。その多くは、悪意のない何気ない一言や、「当たり前」という思い込みから生まれていました。 「普通はこうだろう」と決めつけず、まず「このお客さまにとっては、違うかもしれない」と一度立ち止まることが大切です。

見た目や雰囲気で判断せず、分からないことは決めつけずに、その人の言葉に耳を傾ける。何よりの信頼関係を築いていきます。

そして、この「決めつけない/思い込みで判断しない」という心掛けは、性の話に限らず、あらゆるお客さまとのコミュニケーションを心地よいものにしてくれるはずです。

この機会に、誰もが心地よく過ごせるサロンづくりの実現に向けて、私たち一人ひとりにできることを考えてみませんか?

(了)


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監修

株式会社wagamama

元プロ女子サッカー選手の下山田志帆さんと内山穂南さんが2019年に創業。すべての性のあり方の人たちが、”我がままに”パフォーマンスを発揮し続けられる社会を目指し、自社ブランド『OPT』の運営と、企業・自治体のDE&Iに関する取り組みに伴走する『コラボレーション事業』を行う。

wagamamaホームページ

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