【LGBTQ+当事者12人が語る】美容室での“ちいさな違和感”[前編]
~誰もが安心して過ごすための4つのヒント~
誰もが安心して通える美容室とは?ジェンダーやセクシュアリティに関わらず、自分らしく過ごせる空間とは?LGBTQ+当事者の12人を招き、美容室での経験をテーマに語り合ってもらいました。
※グループインタビューは、オンライン・オフラインで2025年6月に全3回実施。
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誰もが安心して通える美容室とは?ジェンダーやセクシュアリティに関わらず、自分らしく過ごせる空間とは?LGBTQ+当事者の12人を招き、美容室での経験をテーマに語り合ってもらいました。
※グループインタビューは、オンライン・オフラインで2025年6月に全3回実施。
リクルートの調査(※)によれば、日本の人口の8.9%がLGBTQ+当事者だとされています。
これは「約11人に1人」という、決して少なくない割合です。皆さんのサロンを利用するお客さまの中にも、当事者の方がいらっしゃるでしょう。
しかし、サロンでの何気ない言動が、当事者の方をモヤモヤさせているとしたら…?
LGBTQ+とは、性的マイノリティ(性的少数者)の総称の一つで、さまざまな性のあり方を包括的に表す言葉です。

どの性別を好きになるのか(性的指向)、自分の性別をどう認識するか(性自認)、そしてそれをどう表現するか(性表現)などは、人それぞれ。
大切なのは、外見や雰囲気から「この人はこうだろう」と一方的に決めつけないことです。
⇒関連記事「LGBTQ+を知っていますか?」はこちら
今回は、当事者の声から見えた「美容室で感じるモヤモヤ」を4つの場面に分けて紹介します。具体的なエピソードから、誰もが心地よく過ごせる空間づくりのヒントを一緒に考えていきましょう。

1つ目は「来店前のモヤモヤ」です。
ノンバイナリー、Xジェンダー、またはトランスジェンダーのお客さまは、特に予約時の性別欄で立ち止まってしまうことがあるようです。
❔ノンバイナリー(性自認が男女どちらでもない、または男女どちらでもあるといった認識を抱く人)
❔Xジェンダー(エックスジェンダー/ノンバイナリーとほぼ同じ意味合いで、主に日本で生まれ、使われてきた言葉。どちらの言葉を使うかは当人次第)
❔トランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別と性自認が異なる人)

| Hさん、Xジェンダー/出生時に女性と割り当てられた
Xジェンダーですが、性別欄の「その他」は選べません。かえって「その他」を選ぶことでアウティング(本人の意思に反して、性的指向や性自認を他者に暴露すること)につながるのでは?という怖さがあります。
| Iさん、トランスジェンダー男性
予約時に性別を選ぶのが嫌で、その店の利用をやめました。「回答しない」という選択肢があれば嬉しいです。
❔トランスジェンダー男性(出生時に割り当てられた性は女性、性自認が男性である人)

| Tさん、トランスジェンダー女性
入店時に、女性と男性のどちらで見られているのかが気になって、どんな声でどんな風に話せばいいのか分からなくなってしまいます。そのため、店に入る前はいつも緊張します。
❔トランスジェンダー女性(出生時に割り当てられた性は男性、性自認が女性である人)
性別欄の選択肢に配慮があったとしても、「なぜこの情報が必要なのだろう」「選んだことでどう見られるだろう」と感じる方がいます。
大切なのは、システムを整えるだけでなく、お客さまが安心して自分の情報を預けられる信頼関係なのかもしれません。来店前の情報開示や電話での丁寧な対応など、予約の段階から安心を届ける工夫が求められています。
2つ目は、「美容室の空間へのモヤモヤ」です。サロン内のプライバシーへの配慮について、さまざまな声があがりました。
| Hさん、Xジェンダー、出生時に女性と割り当てられた
仕切りのない店内で刈り上げするのを他のお客さまにジロジロ見られ、好きな髪型なのに悔しい思いをしました。周りの視線が気にならない空間だと安心です。
| Fさん、トランスジェンダー男性
大学の近くの美容室は空間がオープンなので、自分の性のあり方について同じ大学の人に詮索されてしまうのではないかと不安です。

| Tさん、トランスジェンダー女性
周りのお客さんに自分の声を聞かれるのが気になり、美容室で話したくても話せません。そのせいで無愛想に思われてしまうのが気まずく、申し訳ない気持ちです。
| Kさん、ノンバイナリー、出生時に女性と割り当てられた
オールジェンダートイレが設置されていることや、その情報がネットなどに掲載されていると、安心できます。空間づくりへの配慮が感じられて嬉しいです。
お客さまが周りの目を気にしたり、設備の利用をためらったりすることなく、安心して過ごせる空間づくりが求められていることが分かります。少しの仕切りや席の配置の工夫など、できることから始めるのはいかがでしょうか。
後編では、特に悩みの声が多かった「カウンセリングのモヤモヤ」、「何気ない会話中のモヤモヤ」を紹介していきます。
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