お客さまに支持されたサロンを表彰する日本最大級のアワード、「HOT PEPPER Beauty AWARD」。「GOLD Prize」「SILVER Prize」受賞サロン、または「注目サロン」に選出されたサロンへのインタビュー。取り組みや受賞の秘訣をうかがいます。
【愛知】徹底したペルソナ戦略。
緻密な顧客管理で選ばれるサロンへ。
Belle BIANCA【ベルビアンカ】
HOT PEPPER Beauty AWARD 2025 SILVER Prize
名古屋・栄駅すぐの好立地に店を構えるBelle BIANCA【ベルビアンカ】。2025年のHOT PEPPER Beauty AWARDでSILVER Prizeを受賞した同店は、創業から7年を経てエリア内で確固たる地位を築いている。その強さの背景には、ターゲット像を明確にする「ペルソナ戦略」と、それをスタッフ全員が体現するチーム力があった。

CONCEPT
「一人ひとりが主役」という店名に込めた思いを「癒やし」と「贅沢」をテーマにした空間で体現。年齢を問わず多くのお客さまに支持される理由は、「至れり尽くせり」の接客と、丁寧なヒアリングにある。悩みや好みに寄り添った「似合わせスタイル」を徹底プロデュースし、日常を忘れさせる心地よいサロンタイムを提供している。
AWARD受賞・
売上アップに向けた
取り組み
全員参加の「撮影会」でペルソナのイメージを統一
多忙なペルソナの日常に、8時〜24時営業で変わらぬ癒やしを提供
「当たり前」の基準を引き上げる、徹底した情報共有
全員参加の「撮影会」でペルソナのイメージを統一
Belle BIANCAでは「ビアンカさん」という明確なペルソナ(架空の顧客像)が設定されている。
彼女は、仕事もプライベートも充実した30代の働く女性。そんな「ビアンカさん」がいったい今、どんなデザインを求めているのか。
そのイメージをスタッフ全員で共有・統一するために行われているのが、半年に一度の「撮影会」だ。
単にサロンページ用の写真を撮るだけでなく、企画から約4カ月かけ、全員で「今のビアンカさんに響くデザイン」を議論し、可視化していく。
またスタッフ全員が企画やモデルの手配、撮影など何らかの役割を担う。
この工程を経ることで、サロンのコンセプトに対するスタイリストごとの解釈のズレをなくし、誰が担当しても世界観がブレない強固なチームを作っている。
ヘアだけでなく、小物や全体の雰囲気にまでこだわって撮影
多忙なペルソナの日常に、8時〜24時営業で変わらぬ癒やしを提供
多忙なお客さまに寄り添うため、営業時間は朝8時から夜24時までと長時間に設定されている。
栄駅周辺で働く女性の出勤前、仕事終わりの利用も多い。
そんな中で、誰が担当しても同等のサービスの質を保つためにウェルカムドリンクやアロマスパといった基本的な「接客の枠組み」を導入している。
重要なのは、これらが単なる行動ルールではない点だ。
例えば、アロマ選びにしても、口頭で「今日は何がいいですか?」で済ませたりはしない。お客さまが今どんなことを考えているのか、どんな気分で来店されたのか、自然な会話から始め、アロマの実物をお見せしながら「今日はどれがご気分に合いますか?」と丁寧に決めていく。
スタッフ全員が「ビアンカさん」というペルソナを深く理解しており、彼女に喜んでもらうため、1つ1つの枠組みが「なぜ必要なのか」という意図がわかっている。
行動の目的がしっかりと腹落ちしているからこそ、マニュアルを超えた「生きたおもてなし」として定着している。
「当たり前」の基準を引き上げる、徹底した情報共有
Belle BIANCAの特徴の1つに、フリーでのリピート(=スタイリストを指名しない再来店)が多いことが挙げられる。
つまり、特定のスタイリストではなく、サロン自体のファンになってくれるお客さまが多いということだ。
この高いリピート率の裏には、緻密な顧客管理がある。
カットや薬剤の履歴はもちろん、お客さまとどんな話をしたのか、どんなお悩みを持っていたのかなど、共有すべき情報は詳細に記録することを徹底。
さらに全店舗の予約状況や出勤状況をスタッフ全員が確認できる環境を整備。
互いの動きを自然と把握し、お互いに気をつけ合うことで、誰かに管理されずとも全員が高い水準で「当たり前」を実践する風土が根付いている 。
インタビュー
代表取締役・竹内智哉さん(写真中央)
1985年生まれ。岐阜で美容師をスタートし、30歳で名古屋へ 。名古屋市内のサロンで数年勤務した後、独立して株式会社ペイフォワードを設立。現在では名古屋市内に4店舗を展開。
全店舗統括マネージャー・マツモトマサミさん(写真左)
東海エリアで多店舗展開するサロンにて美容師として勤務。Belle BIANCAの立ち上げ時に参画する。現在では全店舗統括マネージャーを担当。
広報・水野のどかさん(写真右)
高校卒業と同時に株式会社ペイフォワードに入社。全社の広報や採用など、幅広い業務を担当。
ーサロン運営の核となっている「ペルソナ戦略」について、詳しく教えてください。
(竹内さん)
僕たちのメインターゲットは「ビアンカさん」という架空の女性です。
イタリア語で「白」を意味するビアンカには、「透明感」や「品」といったイメージを込めています。
ペルソナとしてのもう少し細かい設定は「30代で仕事もプライベートも忙しく充実している女性」ですが、年齢はあくまでも目安です。
感度の高い女性が、月に一度、心から癒やされ、贅沢を感じられる場所を作る。
それを徹底することで、結果として幅広い年齢層のお客さまに選んでいただけると考えています。
ー内装や設備も、そのペルソナに合わせて設計されているそうですね。
(竹内さん) そうです。お客さまが年齢を重ねても通い続けられるよう、内装はかわいすぎない「アンティーク調」にしました。
「赤ワインの香り」がするディフューザーを選んだり、スピーカーの音質にこだわったりと、五感すべてで大人の女性がリラックスできる空間を目指しています。
ーそのイメージを全員で共有するために、「撮影会」を行っているんですね。
(竹内さん) 以前はホットペッパービューティーのサロンページには僕が撮った写真を使っていましたが、それだと僕と他のスタッフとの間にイメージのズレ(ミスマッチ)が起きてしまうことに気づいたんです。
撮影関連が上手い下手にかかわらず、全員で「今のビアンカさんにはこういうデザインがいいよね」と議論しながら作る。
そうやって目線を合わせることでチームビルディングになりますし、結果としてお客さまに提供する価値の統一にもつながっています。
ー接客面での「質」を保つために工夫されていることはありますか?
(マツモトさん) 誰が担当しても変わらないおもてなしができるよう、接客の「枠組み」を決めています。
ただ、これは単なるルールや行動手順ではありません。
例えば、ウェルカムドリンクもただ出すのではなく、「緊張をほぐしてもらうため」という意味があります。
そういった背景も含めて共有して全スタッフに理解してもらうことで自然と当たり前に取るべき行動が取れるようになる。
そして、ブレない接客ができるようにしています 。
ゆったりした空間でウェルカムドリンクを楽しむところからおもてなしが始まる
ーマツモトさんは、そういった「当たり前」の基準に厳しいと伺いました。
(マツモトさん) 僕、細かいんですよ(笑)。
カルテの記入にしても、前回の履歴がちゃんと残っていないのは、プロとして失礼なことだと思うんです。
だから、予約表の管理やカルテの記入漏れについては、最初は口うるさく言っていましたね。
(竹内さん) 松本がそうやって現場の「規律」を守ってくれてきたからこそ、今では自然にそういう空気が広がっています。
それがお客さまからの信頼や高いリピート率につながっているんだと思います 。
ー水野さんはクリエイティブの質の管理をされているとか。
(水野さん) 大前提として、「自分が行きたくないサロンに見えるようなことはしたくない」という思いがあります。
最近はお客さまもSNSなどできれいな写真を見慣れていて目が肥えているので、クオリティには妥協したくなくて。
店舗ごとの統一感がないものや、お客さま目線で見てイマイチな写真は絶対に載せたくない。
そこは厳しくチェックして、ブランディングが崩れないように意識しています 。
ー朝8時から深夜24時までという営業時間ですが、スタッフの皆さんの働き方は?
(竹内さん) 長時間労働でブラックなのでは?と心配してしまいますよね(笑)。
一見大変そうに見えるかもしれませんが、実はフレックス制に近いんです。
朝は病院に行ってから出勤したり、夜に予定があるなら早く帰ったり。
予約が入っていなければ無理に残る必要もありません。
(マツモトさん)お互いの予約状況を見える化しているので、「今日は誰が出勤しているから大丈夫」といった連携が自然に取れています。
月一回のミーティングや懇親会でもコミュニケーションを取っているおかげで、細かいルールで縛らなくてもモラルの範囲でうまく回っていますね 。
ースタッフの皆さんや、今後のサロン経営に対する思いを聞かせていただけますか。
(竹内さん) 創業当時からずっと変わらないいちばんの思いは、「共に歳を重ねても、昔話をしながら笑い合ったり、支え合って生きていける仲間でいたい」ということです。
だからこそ、今一緒に働いてくれているスタッフの誰にも辞めてほしくないんです。
そのためには、スタッフが安心して長く働き続けられるように、会社が成長し続けること、働きやすい環境を整えること、キャリアアップできる選択肢を増やしていくことが必要だと考えています。
具体的には、年明けに名駅エリアへ初進出する新ブランド Grande Luce(グランルーチェ) の出店が決まっています。
さらに、新しいメンズサロンの展開も計画中です。
僕は 「現状維持は衰退」 だと思っています。
挑戦し続けるのは、会社のためでもあり、何よりスタッフ一人ひとりの未来のため。
これからも仲間の幸せをつくるために、挑戦を止めずに進んでいきたいですね。
スタッフ同士の連携もよく、和気あいあいとしている
取材レポート
取材中、竹内さんがマツモトさんや水野さんの言葉に深く頷き、信頼の眼差しを向けている姿が印象的でした。
お互いの役割を尊重し合い、それぞれがプロとして互いにリスペクトし合う関係性が言葉の端々から伝わってきました。
この強固な信頼関係とチームワークがあるからこそ、全員が同じ方向を向いて進むことができる。
だから、Belle BIANCAはこのエリアで愛され、成長を続けているのだと感じました。





















